走り高跳び
Loch Lomond

手に望むものは
何もない

白と黒に塗り分けられた
高圧電線のバー

遥かに
僕は立ち

浮き沈みしながら
フィールドを
走り出した

空間がバーを軸にして
徐々に狭まり
大きく開いた
眼で
口で
飛びかかった

僕の空対力学
ベリーロールに
強靭な踏切足の
アキレス腱を
意識した時

僕は死んでいる

石化した
胸で
肩で
引き足で

仰け反るように
越えると
太陽が
煌めくように

白熱する

すると
マットの海に落ち
僕は
生き返る


自由詩 走り高跳び Copyright Loch Lomond 2015-01-03 01:55:37
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