悲しみ
文字綴り屋 ひじり

ゴツゴツした大きな悲しみ
それがあなた
そばに転がっている
小さなカクカクしたのが
私の小さな悲しみ

目をつぶれば
押し潰されそうになってる
だから怖くて
目をいつまでも見開いてる
それなのに
何にも私の瞳には映らない
まるで蜃気楼のように
ゆらゆら揺らいで幻みたい

それでも
生きてるって叫ぶの
それでも
生きたいって叫ぶの

あなたの大きな悲しみの声が
足元の大地から聞こえるから
あなたの大きな悲しみの声を
耳元を過ぎる風が伝えるから
震える大気
震える指先
蒼白な夜明け
蒼白な表情

もう泣いてもいいですか
もう我慢しなくていいですか
小さな悲しみだけど
胸が潰れそうだから
小さな悲しみだけど
たまらなく苦しいから

小さな悲しみだけど
大きな悲しみのそばで
一緒に泣いてあげたいから
私のためでなく
泣き方を忘れてしまった
大切なあなたのために

私の震える指先は
あなたの凍える手を
暖めることができないかもしれない
でも感じてくれるはずでしょう
私の指先が
あなたの手を握っていることを
私の指先が
あなたの頬に触れたいと願っていることを

ゴツゴツした大きな悲しみ
それがあなた
そばに転がっている
小さなカクカクしたのが
私の小さな悲しみ


自由詩 悲しみ Copyright 文字綴り屋 ひじり 2013-03-11 19:48:42
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