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僕は詩人になりたいのです
春なのに溶けるほどない雪や
夏の蒸しタオルのような暑さを
東京の君に伝えるだけの
詩人になりたいのです
谷川さんや吉野さんの詩には憧れますが
僕にはそれほどの ....
時が流れだした 私の血のにおいと共に
イチイガシの葉は青空を食いやぶり
風が立つたび 多くの空は
形を変えてたゆたっている
葉は葉たちでスクラムを組んで
幹は枝たちからの合図を待つ
長 ....
真っ赤なトマトよ
君はてのひらの上でけだるそうにもたれている
その重さといったら
自分の重力をすべて投げ出しているようだ
冷たい肌をくちびるでなぞるとき
あふれんばかりの水分を湛えた君が ....
ぼろぼろとまとまった消しゴムのかす
米びつの中で生まれた虫のようだ
彼は米びつの中で生まれた
積雪6センチほどの米の中に
何を間違えたのか産み落とされ
目が覚めると目がくらむような白、白 ....