はなしてバイバイ
カマキリ

積んだ言い訳を一度崩してから
冷たい唇を太陽に向ける
折り重なるように君が手をかざすもんだから
鼻の頭が剥けたころ
ぼくたちは心臓の外で音楽をかき鳴らす

祈りも蔑みもくるくる回す指にからまって
異様なステップにかき消されていく
花も月も夜も
もう知らないかもしれないね

眠れなくなったから優しくなったのか
気の抜けた声が何度か反射する
これ以上は何もないことに安心して
瞬きのたびに手を打ち鳴らす

もうちょっと君の手をつかんで
それから
はなしてバイバイはなしてバイバイ


自由詩 はなしてバイバイ Copyright カマキリ 2017-05-08 22:12:46
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