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惜花
東風颯颯歩黄塵
句句閑吟愁色新
花影連綿湖畔夕
詩人鬱勃故園春
芳枝百囀能迎客
悪酒千言不動人
酩酊弄花花不語
呑声空臥夢花頻
花を惜しむ
東風 颯颯 黄塵を ....
冬雨吟
誰知凍蝶愁
誰解盲猫夢
夜雨両心寒
酔吟同苦痛
冬の雨に吟ず
誰が知る凍蝶の愁ひ
誰が解く盲猫の夢
夜雨 両心寒からん
酔吟 苦痛を同じうす
冬の雨 ....
愁人
詩想十年方断腸
愁人独詠酔余狂
飛花何処秋山謐
落涙何心秋夜長
一夕一朝虫切切
千秋萬歳月蒼蒼
詩人一命虚空否
遮莫吟魂不可忘
愁人
詩想十年 方(まさ)に腸 ....
長夜
颯然叢竹作哀音
長夜月明山色深
望望秋星何処落
詩人涙眼遠人心
長夜
颯然(さつぜん) 叢竹 哀音を作(な)す
長夜 月明らかにして山色深し
望み望む 秋星 何処 ....
春酔
酒仙酣臥夢還天
独酌沈吟不可眠
美酒美人春一夜
詩人血涙酔千年
春酔
酒仙は酣臥して天に還るを夢む
独酌 沈吟 眠るべからず
美酒 美人 春一夜
詩人の血涙 酔 ....
寄花貌
独吟坐覚雨声微
半睡詩魂散亦飛
夢裏相逢何鬱鬱
以詩顔色作薔薇
花貌に寄す
独吟 坐(そぞ)ろに雨声の微かなるを覚ゆ
半睡 詩魂 散りてはまた飛ぶ
夢裏 相逢へ ....
桜狩せむとて山路歩みゆき花と思へば若葉の山よ山の若葉よ
社には仏ゐますと聞きたれどただ漂へる香りは花よ花の香りよ
里離る山の井の辺に桜花たれ知らずとも見給ふ仏ほとけ御覧ず
春浅き野に花あればいざいでゆかむ
珈琲の苦さを我に甘さを君に
よる波に通ひ路あらず夢にもあらず
きさらぎの朝なほ暗く星すでに夏
弄月無詩友
憂人惜暗香
秋宵如百歳
秋韻更千霜
月下詩情絶
星移大志荒
何時生一句
遮莫但醒狂
月を弄(もてあそ)べど詩友なし
憂人 暗香を惜しむ
秋宵 百歳の如し
秋韻 ....
憂淫雨
独酔憂淫雨
雨中幽鳥吟
詩魂何処有
寂寂石榴陰
淫雨を憂ふ
独酔 淫雨を憂ふ
雨中 幽鳥吟ず
詩魂 何処にか有る
寂寂 石榴の陰
長雨を嘆く
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