丘から見える遠い園生は純白に染まり、
 私の吐息と重なって淡く輝いている。
 手前に見えるロココ調の建築物はそれ自体が見事な絵画のように
 緑一色の額縁で装飾されている。

 丘の上に ....
割れた瓶から
歌が こぼれた
はてしない青をうつし
暗闇をふたつに切り裂く
ひとつの歌が今こぼれた
まだ名前はついていない
言葉さえ、まだ追いつけない
 ....
さよなら
と云いたい夜には
詩だけに
居てほしい

さよなら
と告げたい時には
詩には
居てほしくない

君には
告げたくはない
君にも 告げたくはない

さよなら
と云 ....
生命の種を蒔いた
水を与え光を与えなにが咲くかな
咲いた咲いた命が咲いた
咲いた咲いた人が咲いた
咲いた咲いた争いが全て裂いた
人も心も命さえも
種はなくなり
生命もなくした
光が誰も ....
雪の下の
肌色の蝶
何もかも
左目の隅に置き忘れた朝


血の涙を流す鳥の背に
雪と鉄の音は降る
水のなかから空を見る径
光の傾きに消えかけた径


なかば沈ん ....
がんばったのだけれど・・・
あなたは いう

チセツなココロでは
リカイがデキナクテ
コレカラ どうしよう

ねえ
キラキラの ティアラは
何を 連想させるの?

プクプクの ド ....
 紫色の人工の夜空に駱駝は歩む。
 星から星へ、月の満ち欠けを慈しむように。
 鼓動は無数の星の瞬き。
 銀河のオアシスで緑の水を飲む。

 銀河鉄道の乗客はいまだ起きている。
 窓際 ....
虹色のセキレイが飛ぶのは
深夜だけと決まっている
この街は朝が早過ぎて
人々は象形文字を象るように雑踏を行き交い
必要があれば空を見上げる
雨垂れが首筋を打ったとか
紫外線予防にぬかりはな ....
     木々は裸に剥かれ冷たい風に
     枝先を震わせている
     白いベンチは錆ついて
     今はだれも座るものもない
     緑の葉が深呼吸を繰り返す
      ....
あの日瞳に映った空は
きっと君のどこかに仕舞い込まれ
ときおり顔をのぞかせ驟雨となって
だれかに降り注ぐのでしょう

こころと身体は不可分です
ホイットマンが僕のどこかに
宿っていて欲し ....
じゃりじゃり、
雑踏をかみしめる。
私の口のなかは、
色々な音で異臭を放っている。

あなたの声は、
とっておきたくて、
まだ白いお皿の上においてあります。
あなたの声は影のように、
 ....
脚の細い象の背中で
ユラユラしている私の
広すぎる糊しろは
饐えた臭いを放っていた

何も企てない午後を
ユラユラ生き延びた私の
丸すぎる背中には
錆びた罪が生えていた

心地 ....
この4月にぼくは都会のアパートに引っ越してきた
窓を開ければ早稲田通りが見えた
車よりも多い人の列
駅へと向かう学生と通勤者
その眺めに
ぼくらはいくらか満足していた
奨学金を ....
・NEWDAYS

飛び降り
宙ぶらりんで嗅いだ春は
甘かったかな
苦かったな

コーヒーと海を混同したまま
電車はくさる肌の上を黙走していく



・ドーナツ

暴力 ....
 ひだまりの

冬に
春をおもうのは
にんげんだから

そもそも猫は
冬という言葉の意味を知らないから
まるくなってねむるだけ
ふゆ、と呼べば
ニャッと短い返事をするのは
冬、と ....
背に花の生えた猫が
午後の雨を待っている
二つに分かれた坂道の
曇に近い方を歩いてゆく


休み休み進むのは
花が重いからかもしれない
午後に夜にひとつ咲き
朝に昼に ....
   まばゆい光も届かない
   みどりの風もそよがない
   暗くて冷たい土の中
   眠る一匹のへび
   春の調べをなんときく
   小鳥たちのさえずりか
   隣で眠る種のうずきか ....
無機質なビルの一室雪の窓 あなたが笑っている
あの頃とちっとも変わらない笑顔で
透明な手が拍手している
わたしの胸が温かくなる

あなたが俯いている
心無い言葉の礫に打ちひしがれて
透明な手が拒んでいる
わ ....
  蓬色の夜、
  つぶれた{ルビ褥=しとね}に居て
  夥しい数の接続詞らが
  わたしの躰の至るところで
  いっせいに哄笑をはじめたので
  何か 訳のわからない一塊の
   ....
深雪晴見上げた頃は恋でした あまりにも悔しくって
青空の端に噛みついたら
前歯が少し浮いただけのこと
決して笑ったんじゃないよ

蹴ろうと思った空缶を
君が先に蹴っちゃったから
握り締めていた拳を開いて
左右 ....
言葉が厚いナイロンシートの
壁にぶつかって流線形に歪む
喋るのは得意ですが独りです
世界は四角く私たちは丸いと
思っていたのに傾いた地軸に
逆らえない街の人と通じない
回転しなが ....
指先が触れる。
指先が動く。
私の一日がはじまる。
ことばを書くことは、
身体の一部のようなもの。
私がそっと、
何かの気配や、
匂いを感じただけで、
そこからもう、
物語がはじま ....
風が大河のように重い土地で
腰を落とし 捻じれて育った
樹は 首を傾げ 雲を聞いている
節くれだった片目で
ヒレンジャクたちのお喋りに
口をはさむでもなく
遥かな海や
見渡す限りの黄金の ....
2回目の迷子の知らせ牡丹雪 「砂場の中に、小さなスコップが埋もれている。」
幼い頃
父と遊んだ記憶と共に。
足跡を辿りたくて・確かに存在する思い出を取り返したくて
私は無心に穴を掘る。
「お父さん。お父さん。」 ....
ピークだ!

見上げれば
樹木生い茂る急傾斜の山道の先 雪を被った一際高い平らな山影
鉛と化した両脚 スッと軽くなり
速足半ば駆け足 息切らし到着
してみれば またしても山腹の丘 泰然と平 ....
そいつのことを「はんだめん」と呼んでいる
そいつは自分のことを 「たぬき」と自称している

初めて「半田麺」と云う食べ物を知った時は
なぜまた溶接面を商品名にするとはなんと奇抜で夢のある ....
もう羽根も飛べないほどに抜け落ちて忘れたことも忘れ鳴いてる
宣井龍人さんのおすすめリスト(2595)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
片想い- ヒヤシン ...自由詩11*16-3-19
bin- 草野春心自由詩316-2-28
さよならと云いたい夜- もっぷ自由詩416-2-28
- リィ自由詩4*16-2-28
しずく_交錯- 木立 悟自由詩516-2-27
あなたに両手- 藤鈴呼自由詩3*16-2-27
生命- ヒヤシン ...自由詩8*16-2-27
◎セキレイの行方- 由木名緒 ...自由詩916-2-26
錆びたベンチ- 石田とわ自由詩13*16-2-22
ミッション- 梅昆布茶自由詩2116-2-21
こえ- あおい満 ...自由詩1216-2-21
ユラユラ- nonya自由詩19*16-2-20
混沌のクマ- オダカズ ...自由詩5*16-2-4
なにもかも- 平井容子自由詩816-2-4
冬すみれ- そらの珊 ...自由詩1516-2-4
しずく_秘名- 木立 悟自由詩816-2-4
幕開け- 石田とわ自由詩7*16-2-3
無機質なビルの一室雪の窓- 北大路京 ...俳句116-1-31
透明な手- nonya自由詩21*16-1-31
shitone- 草野春心自由詩516-1-31
深雪晴見上げた頃は恋でした- 北大路京 ...俳句316-1-30
消耗品- nonya自由詩15*16-1-27
揺らぐ街- 為平 澪自由詩1516-1-24
物語- あおい満 ...自由詩9*16-1-24
冬眼鏡- ただのみ ...自由詩18*16-1-23
2回目の迷子の知らせ牡丹雪- 北大路京 ...俳句216-1-21
鋳掛屋- 梓ゆい自由詩5*16-1-21
魂の営み- たけし自由詩3*16-1-21
鋳掛屋- るるりら自由詩15*16-1-21
もう羽根も飛べないほどに抜け落ちて忘れたことも忘れ鳴いてる- 北大路京 ...短歌516-1-20

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