せわしなく魂を洗う

生身のまんま立ち止まる

永久なる過去より聞いている

蝉の鳴く緑のほの暗さよ

ゆくりなく道を行く


遠く消えゆく波間に

空を見上げる

天使 ....
一般病室に引っ越して窓が明るい GIRAGIRA

あの頃の僕の瞳は
油の浮んだ水溜り
空も街も人も季節も
虹色に濁って見えた

今にも分解しそうな心を
繋ぎ止めていたのは
少し哀しい臭いのする
ギラギラ
 ....
「愛してる」と「大好き」を使わない恋文を要求されている 老眼の眼をほそめ、針に糸を通して、彼女が
器用な手つきで繕いものをしている。
ほつれた糸は無いもののように。
ただ、ひたすらに繕ってゆく。
それは家族や社会、そのいちぶとしての一本
の糸であ ....
真昼の烈光は
漂白剤のように
景色も
僕の影も
脳も
真っ白にしていく

何もない


真昼なり
気がつくと
外は明るくて
蝉が鳴いている

窓を開けると
空は白く
蝉の鳴き声は透き通っていた

外は明るく   太陽が見えない
鳴き声は聞こえ 蝉が見えない

感じているの ....
夜の{ルビ静寂=しじま}が
私を思考の世界へ誘う
仄暗い豆球がシーツの海を照らして
波打ち際には夜光虫のように
ラメ入りマニキュアが光るから

私の思考回路は小舟に乗って
大海原へと漕ぎ ....
きみの手を想う
華奢でちょっと小さめだった

骨折して松山の病院へいっしょに行ったときも
きみの身体の一部が壊れたことに
かなしみを覚えていた

きみの替わりに朝
新聞配達をやった
 ....
<カレンダ・メッセージ>
十一か月前に
落書きしたのは
十二月のカレンダの裏へ

何と書いたか
思い出せずに
痛痒の中で
きみと過ごす一年の終わり。








 ....
たとえるならば
    白のキャンバス
    ナイフでは出せない
    色もまばらな使い古しの筆
    なのに、赤だけが多く滲む油絵具

たとえるならば
    夢を追う事さえも
 ....
こころの透明な日に海がやってくる
あてどもない迷いに逢いにやってくるのだろうか

迎えるすべをしらない私はとおい砂浜で貝を観察したり
でも思い出に似た貝殻をさがしてみる

光沢を失った風景 ....
波打ち際

ビー玉大 小ジャリ拾う

口にふくむ


「私 見張り番をしたのよ」


「何の? なぜ?」


「砂泥棒の・・・コロッケを買うお金欲しかったの」
 ....
ショッピングモールで
娘たちと七夕の願い事を短冊に書き
楽しんでいると

ふと目に飛び込む
誰かが書いた短冊


  もう二度とこの世に
  生まれて来ませんように


見知ら ....
 
メガネをはずそう

まわりがかすむよう

少しは自分が見えるかもしれない


 
    コンパス

―家でコンパスを使って円を描く練習をさせて下さい―
先生から届いたメール

 さあ、早速コンパスを使ってみよう!
 こうして物差しで半径の長さを測ったら
 紙に針を刺 ....
まるで息の音が止まったみたいに
音楽が終わった
僕はCDを取り出して
適当に歌ってケースに戻して
他の何かを聴きたがる
音楽に身を浸して
全て忘れてしまおうか
微かな浮遊感と共に ....
わたしがまだ、
母のお腹の中にいたときの記憶。

狭いアパートの四畳半。
低い天井。
薄暗い曇りガラス。
脚が四本ついた白黒のテレビ。
テレビの横に置かれた背の低い茶箪笥。
まあるいち ....
大学生協で
映し出された
雨交じりの
少し近い喧騒

バスの中で教えた
正しいバンドの名前

課題を抱えていたから
大荷物だと言ったら
笑った

気付いたら大人になってた
子 ....
水族館に釣り針を垂らす 黄昏の土手道の 足に触れる草の香り
手を引かれて ゆっくりと帰り道
新月の宵 目をこらして 気がつくと
お地蔵さまの前掛けに 灯り始める


祖母の乾いた 日なたの匂いが
「淋しかあ ....
Aカップだから
ダメだとか
Eカップ以上が望ましいとか
究極Wカップだったら
もう何も言うことはないとか
そんなことは
重要ではなくて
要は形と色です
乳輪の
Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:

音のしない目覚まし時計に
文字の世界の住人は驚いている
何より
その存在を確認できなかった
人生の目的、主 ....
水に映る夜はきっと
誰が見ても美しいものなのに、と
君は諦めたように溜息を吐いた
そうだね、と僕は顔を上げて
もうすぐ生まれ変わる街を
薄らぎの色に塗り替える

雨に濡れた街は絵具の様
 ....
私達は皆疲れている
日本人のサトウが言った
何故疲れているのか
訊ねたら
疲れていないと
生きた心地がしないからと答えた

そんなことでは
生きた心地がする前に
死んでしまいますよ、 ....
ごく普通のおばさんです

暮らしぶりは平凡ですが
お小遣いを稼ぐために
少々 仕事もやっておりまして
それを理由に家事は手抜している
ズボラな主婦でございます

趣味はスーパー銭湯とグ ....
天井を見ている
小さな丸い大きな目を開けて
右手は暗号を司る 特徴のある握り拳
海ぶどうのハーモニカのような 足の指
口は ホーホーと開いている

天井を見ている
見渡せる限り 見ている ....
小学校2年生の時
大好きだったチクロ
世間の皆にチクロが後ろ指さされるまで
名前を知らなかったチクロ
十円や五円の駄菓子にも
たっぷり喜びをまぶしてくれたチクロ
今から思えば冤罪だったのだ ....
愛の言葉が未送信ボックスにいっぱい フィクションの多い結婚式に造花ではないブーケ
宣井龍人さんのおすすめリスト(2595)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ゆくりなく道を行く- 吉岡ペペ ...自由詩714-8-10
一般病室に引っ越して窓が明るい- 北大路京 ...自由詩614-8-10
八月の欠片- nonya自由詩25*14-8-9
「愛してる」と「大好き」を使わない恋文を要求されている- 北大路京 ...自由詩514-8-5
繕いもの- 川瀬杏香自由詩10*14-8-5
真昼なり- ichirou携帯写真+ ...17*14-7-30
生きている途中で感じている- ichirou自由詩814-7-22
【_思考する夜に……_】- 泡沫恋歌自由詩15*14-7-21
- 梅昆布茶自由詩1914-7-20
不等号記号_など四篇- クナリ自由詩9*14-7-19
たとえるなら- 岸かの子自由詩2*14-7-15
- 梅昆布茶自由詩1914-7-11
潮(うしお)- 芦沢 恵自由詩23*14-7-11
見知らぬ人の願い- ichirou自由詩9*14-7-7
メガネをはずそう- 殿上 童自由詩22*14-7-6
コンパス- 夏美かを ...自由詩37*14-6-30
プレイヤー- 凍月自由詩6*14-6-28
胎児の記憶- chiharu自由詩5*14-6-28
12年- ブルーベ ...自由詩1*14-6-28
水族館に釣り針を垂らす- 北大路京 ...自由詩4*14-6-26
蛍の歌- 藤原絵理 ...自由詩9*14-6-26
Wカップ総括- 花形新次自由詩214-6-26
空メールのやりとり- クローバ ...自由詩5*14-6-25
朝焼け売り- 智鶴自由詩314-6-25
カルロス・ドス・メデス「チャベス兄弟」- 花形新次自由詩314-6-25
【_おばさんの呟き_】- 泡沫恋歌自由詩14*14-6-24
天井とお空- 朝焼彩茜 ...自由詩19*14-6-24
ごめんねチクロ- ichirou自由詩7*14-6-23
愛の言葉が未送信ボックスにいっぱい- 北大路京 ...自由詩314-6-23
フィクションの多い結婚式に造花ではないブーケ- 北大路京 ...自由詩514-6-23

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