芋月仲間が秋夜に揺れる音
AB(なかほど)




あんまり得意やないんやけど
て とむ がゆうて
しゃあないなぁ
て じむ が
箸をのばしてきよる
なにが 違たんやろ
せやなく
なんで変わらへんのかったんやろ
誰かの思いに押されて
淀川も木津川も大和川も
ゆるりと流れける を続けとる

案外いけとるんやけど
って めありい が頬を膨らませて
やっぱり
川はゆっくり流れける

むこうの舟のひとが
やぁやぁやぁ ってしよるから
はっく も おぉい ってしよる
誰や
って とむ はゆうけど
誰でもええんや
て ぽりぃおばはんが答えとる
ゆきつくとこみなはんおんなじや
ただただ
ただただ生きとるだけで
泣いてまうことあんねや
この川の あの月の
こっちでもあっちでも
じぶんのんもひとのもんも
ぎゅっ てでけたらええな
でも ふんわりもええな
ふんわり ぎゅう
って




たましい は
そこにあんのか
ゆっくり考えてみるわ

たしかにいけるな





即興ゴルコンダより
  


自由詩 芋月仲間が秋夜に揺れる音 Copyright AB(なかほど) 2016-09-14 22:03:53
notebook Home 戻る