紅茶をテイスティングするあの男性の、指先にとまるシルバーのリング
ティーカップに注いだ海がどんどんぬくもりを帯びていくという嘘の話
男性の指に抱かれたいとおもう夕べに私の海はどんどんし ....
空から落ちた
無数の楽器が
土の上で砕けたまま
鳴らそうとした音を鳴らしつづける


顔を撫でては去ってゆく
浜辺に打ち上げられた
硝子片に満ちた死骸から
熱は羽のように ....
東海は 渥美半島の 砂山から
    真昼の渚に 乱舞する
  海鳥たちを ながめるとき
     太平洋を覆いつくす
    「悠久」のふた文字が
       こころにしみて 
    ....
鍵穴を覗くと
真っ暗です

わたしにとっての鍵穴は
鍵穴にとってのわたしは
見えずともよい間柄
なのでしょう

互いが
そこに
在ることを知ったうえで
見えずともよい間柄 ....
あなたの面影は
白い石鹸の匂いと
サイダーの匂いがした

おかあさん

何処に往ったのですか

ぼくはいま
武蔵野の林を歩いています
あなたを探しながら

足跡は何処にもみえな ....
この街は寒いのに 雨を雪に変えない
小さい傘を君にさして僕は濡れてしまう

クリスマスツリーの点灯は君との別れの時間
またねと改札を抜けていく 一度も振り返らずに

雲の上には眩しいほどの ....
 

ゆけなかった

ひび割れた空のかけら
拾い集めて
黒曜をながした月光
あなたのような
静謐
いだかれながら
緩やかに枯れてゆく
水底の
片羽根なくした
蝶を

想っ ....
夕暮れがやって来る頃決まって私の腕に止まる君
ねぐらへ帰る途中なのだろう
一羽であることもあるし
友達を連れてにぎやかにさえずることもある
いやもしかしたらきょうだいだったのかもしれない
あ ....
雪のような歌がある
静かにふってきて
いつのまにか景色を一変する
真新しい一面の白紙を前に
こころ躍らせる者
昨日を忘れてしまい
ペンのように立ち尽くす者
雪のような歌がある


 ....
夕陽は波の音を残して
海と空の混沌に溶けていく
松の梢から昼の光が消えると
ぼくの中で映像がうずきはじめる

 時を忘れて遊んでいたぼくらに
 夕餉を告げる母の声がとどくとき
 一日 ....
チカッ チカッ


航空障害灯は
自己主張が激しい

ここには星が無いからって
じゃあ僕が星の代わりになるって

なるほど

星はきらめくけれど
点滅した ....
志を掲げ/ぶれ一つ無く佇む詩人の背中。

「紡ぎだされる詩になりたい。」と
朗読を聞きながら思った。

(愛おしい・好きだ。)と言う気持ちも
詩を愛する心の前ではかすれてしまう。

奥 ....
お金をたくさん持っていたら
幸せになれるらしい
欲しい物は何でも手に入り
苦労や不幸にはならないと言う
私はお金はないけれど
欲しい物は何でも手に入らないし
苦労はしてるけど不幸じゃない
 ....
きれいな人が 大きな昆布の束を抱えて
ピアスの石が イルミネーションに煌く
街のざわめきの中で 抱えなおした昆布の音が
雪が舞っている 北の海の潮騒に重なる


あたしは帰りに寄ったス ....
手入れが欠けた裏庭には
跋扈したぺんぺん草が 王者となって
むなしいかげを ふるわせている

神楽月というのに
優雅な舞楽は 聴き取れず
沈滞した深閑だけが 満ちみちて

丘のひだにも ....
雲をこね波あわだてし、省く文字。を残すことはリズムを意識的に落ち着かせることであり走りたがりの私の言葉に歩けと命じることでありまるで囚われの身にでもなったみたいに不自由なのに息を、

詰めたままで ....
甘やかな
旋律のピアニストは
何時までも恋という幻想に抱かれていた

その指先の爪は何処までもピンクに輝き
甘い囁きは
彼女を魅了した

そして
彼は応えた
ぼくは孤独を埋めること ....
 野薔薇の咲き乱れる公園で私は待っていた。
 ベンチに腰掛けている私の面前を物言わぬ者達が通り過ぎてゆく。
 遠い記憶を辿ると確かに私はここで待っていた。
 緑に塗られたベンチの端の方、そこ ....
デッドストックの退色したナイキの加水分解
にきびのない男子高生の性欲
女子高生の白い鎖骨を隠すダッフルコート
狡猾なメタルフレームの背広の恒常的なしわ
様々な意志と形態の配合
薄汚れたスタジ ....
うつむく癖があるのです
うわめづかいに空を
ちらっとみる癖があるのです

ほんの少し
確認するだけでそれでいい

あるのだから
空はいつもそこに
わたしは
わたしのなかの光を
信 ....
スーパーの袋にいっぱいのみかん
向かいの席に座ったおじさん
着いた駅のホームで倒れた
淋しかった夜更けのホームが
めいっぱいの 太陽の色にあふれて 


スマホで救急車を呼ぶ人 
 ....
気怠い午後だ。

こんな凪いだ白昼夢に溺れそうな空気には
ジムノペディがよく似合うのだろう。


 神々の祭典だ
と、
教わったのだろうか。
 アンブローシアは、
不老不死の実 ....
雨が降っている、と 長い髪を翻して駆けていった


レティシア 君を探して見知らぬ夢をさまよっている
あれは君だったの 夢のなかでそっとくちづけをかわした


誰もいない図書室で本をひら ....
昼間なのに薄暗い
秋なのに寒すぎる

勝手だね
だれに言うでもなくつぶやいた
少し後ろめたいから
そっとふたをする
私の過去に
アパートメント二〇二の壁の裂傷
フラグメントの終焉と彼女の吐瀉物
ポリスの出動はいつでも間に合わない
彼は絶望の寝床にうずくまったまま
ダイヤルの記録は悲鳴のような声ばかり
テー ....
もう二度と歌は歌わない
そう決めたのは
合唱コンクールの練習の時
隣の子がクスッと笑ったから
以来本当に僕は歌を歌わなかった
音楽の時間は口パクで通したし
歌のテストの日はズル休みをした
 ....
府中の霊園の芝生に、僕は坐る
目の前の ✝遠藤家 の墓前に
炎と燃えるポインセチアの植木鉢と
グラスに日の射すワインを、置いて

初めて訪れた十五年前の夕暮れ
左右に生けた紅白の薔薇は
 ....
たぶんもうすぐあかりがきえる
世界中のあちこちで いや 世界中で
ひつじはもう眠っている
きりんもとうに休んでいる
あかりがきえる
あかりは消される

祈ると祈らざるに関わらず
あ ....
墓地と背
鎖を手に
見えない声
遠い灰の音


雨が
雨のための径を通り
去ってゆく
傘の無い街を
照らす幻日


呑まれゆくものに
小さなものらに ....
きみの右目から1センチ
ちょこんと座るちいさなほくろ

きみの瞳はまぶしすぎて
見つめ合うことなんてできそうにない

いつも逸らした視線の先で
そっと目が合うちいさなほくろ

ぼくを ....
宣井龍人さんのおすすめリスト(2595)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- かんな自由詩8*15-12-11
夜のかけら- 木立 悟自由詩815-12-11
光のまつげ_(七)- 信天翁自由詩815-12-10
鍵穴- 千波 一 ...自由詩415-12-9
夕映え- レタス自由詩515-12-9
雲の上には眩しいほどのシリウス- 北大路京 ...自由詩1415-12-8
うつほ- レモン自由詩29*15-12-7
すべての梢は止まり木である- そらの珊 ...自由詩2515-12-5
歌が聞えてくる- ただのみ ...自由詩21*15-12-5
夕焼けの海- イナエ自由詩14*15-12-5
航空障害灯- 自由詩5*15-12-5
叫びたい。- 梓ゆい自由詩415-12-4
お金はないけれど- リィ自由詩4*15-12-2
グルタミン酸- 藤原絵理 ...自由詩13*15-12-2
風の舌(六)- 信天翁自由詩515-12-2
雲をこねて、波を泡だてる/即興ゴルコンダ(仮)投稿.92- こうだた ...自由詩5*15-12-1
或る亡命者- レタス自由詩6*15-11-28
ヴァイオリン・ソナタ- ヒヤシン ...自由詩9*15-11-28
電車- じぇいぞ ...自由詩115-11-28
空色のこころ- 朧月自由詩415-11-27
みかん- 藤原絵理 ...自由詩10*15-11-27
余韻- レモン自由詩16*15-11-27
レティシア_青い花を探して- 石瀬琳々自由詩10*15-11-27
身勝手- 朧月自由詩415-11-26
すべての夜は悲しみの膝元にあり- ホロウ・ ...自由詩5*15-11-26
歌はもう歌わないと決めたけど- 夏美かを ...自由詩37*15-11-25
日溜りの墓___- 服部 剛自由詩715-11-24
たぶんもうすぐあかりが消える- はるな自由詩4+15-11-24
石を歩く- 木立 悟自由詩715-11-23
ほくろ- 泉 鳴巳自由詩415-11-23

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