順番がきて
名前を呼ばれて立ちあがったけれど
なんて言えばいいのか、なにを言えばいいのか
わからなくって、ぼくはだまったまま
(だまったまま)うつむいて立っていた。

しばら ....
底浅の透き通った水の流れが
昨日の雨で嵩を増して随分と濁っていた
川端に立ってバスを待ちながら
ぼくは水面に映った岸辺の草を見ていた
それはゆらゆらと揺れながら
黄土色の画布に黒く染みていた ....
●桃●って呼んだら●仔犬のように走ってきて●手を開いて受けとめたら●皮がジュルンッて剥けて●カパッて口をあけたら●桃の実が口いっぱいに入ってきて●めっちゃ●おいしかったわ●テーブルのうえの桃が .... ●先斗町通りから木屋町通りに抜ける狭い路地の一つに●坂本龍馬が暗殺されかかったときの刀の傷跡があるって●だれかから聞いて●自分でもその傷跡を見た記憶があるんだけど●二十年以上も前の話だから●記憶違いか .... 二〇二二年十一月一日 「夢」


お金を盗まれる夢を見た。


二〇二二年十一月二日 「夢」


また盗まれる夢を見た。こんどは靴だ。修学旅行先でだ。ぼくは高校生だった。


 ....
二〇二二年十月一日 「ネモ船長の最後の冒険」


 海外SF傑作選『異邦からの眺め』6作目は、ヨゼフ・ネスヴァドバの「ネモ船長の最後の冒険」太陽系を破壊しに来た異星人たちをやっつけに地球から ....
二〇二二年九月一日 「フィリップ・ホセ・ファーマー」


 ぼくの大好きなフィリップ・ホセ・ファーマーの本が Amazon のネット古書店で、1円とか2円で売っている。なかには数千円のものもある ....
二〇二二年八月一日 「海東セラさん」


あしたは高木精神科医院に行く日だ。

 ワールズ・ベスト1965『時のはざま』5作目は、ウィリアム・F・テンプルの「時のはざま」ゴッホのいる時代にタ ....
二〇二二年七月一日 「バスカヴィル家の宇宙犬」


 海外SF傑作選『クレージー・ユーモア』5作目は、ポール・アンダースン&ゴードン・R・ディクスンの「バスカヴィル家の宇宙犬」地球人の真似をする ....
二〇二二年六月一日 「荒木時彦くん」


 講談社文庫の海外SF傑作選の1冊、『未来ショック』4作目は、アイザック・アシモフの「夢を売ります」どこかで読んだことがあると思って調べたら、ジュディス ....
二〇二二年五月一日 「スノウ・クラッシュ」


 持ってたけど、学校の図書館に寄贈したSF小説2冊をヤフオクで入札した。いまのところ、ぼくが最高金額入札者。

 ぼくを超える入札があったので ....
二〇二二年二月一日 「たくさんのぼく」


 ぼくはたくさんのぼくからなっていて、なにごとかを言ったりしたりするときには、そのたくさんのぼくの同意のもとで行われており、ときには少数のぼくの見解を ....
夜風に紙垂がゆれる

 一文字だけの汗

斜影のない自転車を追いかける

       金星はいつも金星で

見上げれば笑う檸檬の月

御前三杯酢をと乾く舌から 季節は巡り
 ....
あてもなく歩く
ただ空を見上げて

吐き出す
息の白さが
そのまま雲に
届いて

靴紐みたいに
解けそうになる

首に巻いた
マフラーは
時計の針と
同じ方向で

一歩 ....
三人分のメジナを
海から釣り上げる君の。
笑顔を思い出す夜に
家族という文字が
暗やみから落ちてきて、もう
もう泣いてもいいの。と耳打ちしている
染みわたっていくあたたかさの
ふかふ ....
家族みんなで
梨狩を楽しむ休日

たくさんの家族連れ
はしゃぐ子供たちの声
甘い香りの空気

食べ放題だけど
そんなには食べられない

飽きはこないけれど
三個ぐらい食べれば
 ....
散歩をする君は多彩で、私と妻が辿ってきた人生の来歴を一つ一つ口に放り込んでいるかのようだ。君は新しい景物にふれることで心身の底が熱され、ほとんど走るように前進しながら喜びの声を上げる。散歩をする君 .... 二〇二二年一月一日 「多元世界の門」


 ロバート・シルヴァーバーグの『多元世界の門』、さいごの245ページまで読んだ。主人公と娘はスパイ容疑から外れて助かった。のちに主人公は死んだと思わ ....
{引用=季節は詩作と飲酒を奨励する}
ナナカマドの実を髪に飾って
わたしの夢と現実を行き来する
顔のない女のようなものが
縫い付けたり解いたりして
季節の匂いを囁いている
雨上がりのしどけ ....
二〇二一年十三月一日 「断章」


 ジョンは五千人程の男女の中に見えなくなった──。誰も彼もが灰色のヴェールを被っている──、凍って粉々になった残骸は〝意識〟と呼ばれ、人々の中に動かしがたい様 ....
二〇二一年十二月一日 「夜の大海の中で」


 ヤフオクで落札した、グレゴリイ・ベンフォードの『夜の大海の中で』が到着した。画像で見た表紙の傷は仕方ないけれど、本文はきれいだった。本体190円+ ....
二〇二一年十一月一日 「現代詩年鑑のアンケートへの返答」


現代詩年鑑のアンケートへの返答

詩集5冊

高柳 誠 『フランチェスカのスカート』
荒木時彦 『(Aの一日)』
長田典 ....
二〇二一年十月一日 「世界SF全集 第31巻 短篇集 古典篇」


『世界SF全集 第31巻 短篇集 古典篇』が到着した。非常に良い状態だった。満足。 https://pic.twitter ....
二〇二一年九月一日 「加藤思何理さん」


 加藤思何理さんから、詩集『おだやかな洪水』を送っていただいた。おしゃれなつくりの詩集だ。さまざまな方向性をもった詩篇が並んでいる。物語性をもった詩篇 ....
心細くなっていくのは
日が暮れるからだ
寒いからだ
暗いからだ
人生と重ね秋

子も生まれ
君のお家は
上る春
ライジング・サン
じゃないか

春売って
酒浴びてなお
恋に ....
二〇二一年八月一日 「断章」


 かれがおれの体内に横たわっているうちに、そのアイデンティティは永久に消滅していった。かれを二度と解放するつもりのないことはわかっており、かれの真実の飛行は、今 ....
余命半年の神様が背中に憑いている
あなたは上等な木の椅子を買ってきて
部屋の窓辺に置く
神様は名残惜しげにあなたの背を降りて
椅子に座り深くお辞儀する
昼間はいつも窓の外を見ていた
夜 ....
二〇二一年七月一日 「バリントン・J・ベイリーの短篇集『ゴッド・ガン』」


@rr0101kt そうですよね。先日、届いた『折りたたみ北京』が完璧なものだったため、よけいに、返品がふさわしいと ....
あの空の下からあの空の向こうまで、なだらかにせりあがりなだらかにくぼみながらどこまでも続くみどりの丘、その丘を白くつぶつぶと覆いつくすほどのあの羊たちがいっぺんに、シーツをめくりあげるように消えて .... 二〇二一年六月一日 「エイン博士の最後の飛行」


 ニーヴンは大好きなSF作家で、翻訳されたものは、すべて読んだけれど、いま、部屋の本棚に残っているのは、カヴァーが好みのものだけで、『ガラ ....
宣井龍人さんのおすすめリスト(2595)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
四月になると- 田中宏輔自由詩16*23-3-20
高野川- 田中宏輔自由詩16*23-3-13
ROUND_ABOUT。- 田中宏輔自由詩12*23-1-2
MILK/THE_WHITE_ALBUM。_──乳用牛ホルス ...- 田中宏輔自由詩12*22-12-26
詩の日めくり_二〇二二年十一月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩10*22-12-19
詩の日めくり_二〇二二年十月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩13*22-12-12
詩の日めくり_二〇二二年九月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩10*22-12-5
詩の日めくり_二〇二二年八月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩13*22-11-28
詩の日めくり_二〇二二年七月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩14*22-11-21
詩の日めくり_二〇二二年六月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩11*22-11-14
詩の日めくり_二〇二二年五月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩11*22-11-7
詩の日めくり_二〇二二年二月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩13*22-10-17
晩秋- アラガイ ...自由詩16*22-10-16
散歩道- ミナト ...自由詩822-10-15
寝相の君といつも君へ- かんな自由詩1022-10-14
梨狩- 夏川ゆう自由詩322-10-14
食べていく- 葉leaf自由詩222-10-10
詩の日めくり_二〇二二年一月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩12*22-10-10
火星人は見た「そんな雰囲気」の嵐を- ただのみ ...自由詩4*22-10-9
詩の日めくり_二〇二一年十三月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩13*22-10-3
詩の日めくり_二〇二一年十二月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩12*22-9-26
詩の日めくり_二〇二一年十一月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩12*22-9-19
詩の日めくり_二〇二一年十月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩9*22-9-12
詩の日めくり_二〇二一年九月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩12*22-9-5
暦に- りゅうさ ...自由詩7*22-8-30
詩の日めくり_二〇二一年八月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩13*22-8-29
wod- mizunomadoka自由詩822-8-26
詩の日めくり_二〇二一年七月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩13*22-8-22
数えられるもの- 片野晃司自由詩1722-8-15
詩の日めくり_二〇二一年六月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩11*22-8-15

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87