化粧箱や封筒の
中には宝石があるものだと
女の子はそれくらい知っている
馬の形をした雲を追いかけて
知らない道を行くと
その細道の先には橋が続いて
途中、別れの言葉を思い出して
しゃくり ....
カラスが秋をたべていた
山のぶどうをたべていた
私をみても驚かず
驚く私をみつめてた

秋風つめたく
カラスの背を撫でて

なぜか私が
身震いをする

ぶどう色した
秋をやきつ ....
雨が地面を濡らしていた

使えない鏡のように濡らしていた

空は雲に覆われていた

寂しい景色を高速で行った

雨の日のダルビッシュ

おまえもこんな気持ちなのか

だから虚空 ....
「お父さんは、いつもむっつりしてたけど
 家族は結構大切にしたんだよ。
 日曜日の度に色々なところへ
 連れて行ってくれたんだから。」
 
週六日精一杯働いて
やっと巡ってきた休日なのに
 ....
深海魚が太陽を見る日
光のパレットナイフが
海鳴りの弦を切断する
青い狂喜で上塗りされ
それが比喩かも忘れて

人がひとり墜ちて行く
閉ざされた貝のように
白く饒舌な泡に抱かれ
記憶 ....
そろそろ 準備はできた頃かな
心の準備なんて本当は要らない
君が時間をかけたいなら
合わすしかないから

 待っている
 待ち草臥れない音楽を流しながら 中秋の名月には準備できているよね
 ....
一人にやけて 窓ガラスに姿を映せない真昼間
一人企んでいる その後の人生設計を ニタニタ気味悪い
にやけているから そのままにして置く 放置プレイさ

 肉体が保っている間に 主演しなければ  ....
くびれ白く膨らんだ夢
濃く陰りうごめく野心
頬を染め淡く恋ごころ


わんわん泣いた幼子の
なみだ上った夕暮れの
隙間に射した金の細糸


重なり競う夏の雲たち
空も狭しと見 ....
LDだの、ADHDだの、自閉症スペクトラムだの
九歳になったお前に 世間は余計な名前を被せたがる
だけど お前に授けた唯ひとつの名前、
それはマリだ
英語ではMarie
表記上 e が入る
 ....
愛は心臓ではありません
ひと刺しくらいで死にません
悶え苦しみ血を流し
こと切れるまで幾日も
血が乾くまでに幾月も
断末魔のその姿
もとに戻るには幾年も


愛は蛙じゃありません
 ....
多くの水が
忘れ去られたままに
打ち寄せる
波打ち際で



なぞり損なった
君たちが
みつめる先で
青草のにおいが凍えてしまう



名前は。名前は ....
ある日クローゼットを開けると
床の上に散らばったネクタイの塊が
視界に飛び込んできた
どうしたものか…?と一瞬迷ったが、
とりあえずそのまま扉を閉めた

数日経って再びクローゼットを開ける ....
この夜の向こう

蒼白い悲しみに凪いだ街から

漂着した片言に縁どられ

幽かに像をなす空白

難破した夢

偽りという救命胴衣を着けずに

真実という黄金を抱いたまま

 ....
日の当らないところから 青い空を見るのが好きだった
なんだかおかしなことをしているような気がして
薄暗い部屋のなか 路地の裏 森のなか
周りの黒に囲まれて 切り取ったように青い空が好きだった
 ....
白い雲は
太陽を
追いかけてた

届かないと解ってても
追いかけて
追いかけて‥



夕暮れ時‥

白い雲は
太陽が
山の向こうに隠れるまで
その柔和な光を ....
きょうもいちにちよく恨まれた

恨まれてることがいっぱい分かった

精一杯してきたことは

むこうにはあたりまえだった

むこうにとってこっちは

足りないか過剰だったのだろう
 ....
昼と夜の間を染める
クレヨンにない空の色

どこへ行くわけでもない
僕たちを包む

まだ暗くならないで
遊んでたい

帰りたくないよ

肩にとまる赤とんぼが
眩しそうに見つ ....
川沿いの道を歩いていると

川面で魚の跳ねる音

気のせいだった


子供が投げた

いたずらな小石


空を舞う鳥が嘴から

落としてしまった

子に与えるはずの ....
鳥はなぜ逃げない


足下に 跳ね回る

逃げないが 近寄らない

近寄らないのに 逃げもしない

小さな雀



鳥は なぜ逃げる


逃げるのに また舞 ....
風が
やすやすと
国境を越えて
やってくる

クリスマス寒波に
背中を丸めて帰りを急ぐ人の
ひとりにひとつ用意された家路をたどれば
夜に沈んだ土地に
ぽつり、ぽつりと
灯りがともさ ....
水を掬いましょう
ただひとつの命も救えないのなら
水を掬いましょう
掬って
飲みましょう
ただひとつの命も救えないのなら
せめて
この命だけは救いましょう
なにくそと
 ....
吹雪く雪の中 飛ぶ白い羽音
ひき風 ひと飲み
とどろく 心臓の火

まつげに擦られる 粒氷
ひりひりと まっすぐに溶ける
荒れるな 空
痛めた体を 巣に眠らせるために

銀河吹雪 渦 ....
あなたが珍しく
自ら自分のアルバムを持ち出してきたから
少し不思議だった
「なんとなく」
なんて言うけど
これまで一度も
開いて見せたことなどなかったのに

あなたのアルバムには
当 ....
百葉箱をかぶった白衣の人が

歩いてやってきた

誰も気づかないのはなぜ

ベンチに座る私のところまで

つかつかつかとん

近づいて

そっと私の脈をとり

まだ大丈夫
 ....
赤色が にじんでいくと
踊りながら 夜に溶けるようだ
空が青い 知っているのに
それがウソのようで 心に染みる

溜まった汚れ 取れないけれど
色んな事は当たり前に変わって行く
正解は何 ....
あなたの顔に
穴が一粒

紐を通してくれと
言うが

どれだけ手繰り寄せても
紐のはじまりが
やって来ない
  頭の中に
  一匹の犬が眠っている
  擦れてしまって読みとれない
  古い名札のついた小屋で



  静脈のほそい暗がりを
  血液がそっと滑ってゆく
  夜、
  ....
風が吹き

道にぱらぱら

僕がこぼれていく

パズルが少しずつ

ばらばらになっていく

どこからか

埋められていくのか

見た目には

なにひとつ変わらない

 ....
深紅の薔薇を投げた夜
いくつもの吐息をかさねていた

僕達の想いには名前がなかった
そんなもてあました悲しみが
僕達は好きだった

いくつもの季節を共有し
違和を閉じ込めた小箱を持って ....
ぼくはやがて死ぬ

いや

パラレルワールドでのぼくは

もう死んでいるのかも知れない

いや

パラレルワールドでのぼくは

この世界のぼくとは

すこし違うひとなのかも ....
宣井龍人さんのおすすめリスト(2595)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
かなしい唄- 春日線香自由詩713-9-26
山ぶとうとカラス- 朧月自由詩513-9-26
雨の日のダルビッシュ- 吉岡ペペ ...自由詩313-9-25
無口で運転の上手い人- 夏美かを ...自由詩30*13-9-17
海に描いた反ジガゾー- ただのみ ...自由詩21*13-9-12
月を止めた愛の次- 朝焼彩茜 ...自由詩6*13-9-11
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でっけえな- ただのみ ...自由詩13*13-8-19
マリはマリなのだから- 夏美かを ...自由詩40*13-7-21
ひとつの愛の死- ただのみ ...自由詩21*13-7-19
- ズー自由詩5*13-6-19
クローゼットに潜む魔- 夏美かを ...自由詩25*13-5-31
漂着物- ただのみ ...自由詩18*13-4-26
暗闇- ウデラコ ...自由詩3*13-4-26
Rosy_cloud- 夢月自由詩113-4-25
ガラスのあなた- 吉岡ペペ ...自由詩813-4-25
マジックアワー- シスター ...自由詩213-4-24
まーるく_まーるく- 芦沢 恵自由詩26*13-3-9
ひとつまみ- 芦沢 恵自由詩20*13-2-25
No_Country- そらの珊 ...自由詩1512-12-24
すくう- 小原あき自由詩17*12-12-23
雪とナギ- 砂木自由詩10*12-12-23
アルバム- 小原あき自由詩14*12-11-25
百葉人- 灰泥軽茶自由詩6*12-11-25
希望- 加藤自由詩3*12-11-25
- はるな自由詩5+12-11-24
静脈- 草野春心自由詩13*12-11-24
パズル- 三田九郎自由詩3*12-11-24
デスペラード- 梅昆布茶自由詩3112-11-23
ぼくがぼくであり続けること- 吉岡ペペ ...自由詩4+12-11-21

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