『英米故事伝説辞典』で、「handkerchief」の項目を読んでいると、こんな話が載っていた。「ハンカチの形はいろいろあったが、四角になったのは、気まぐれ者の Marie Antoinette 王妃 ....
学校の帰りに、駅のホームで電車が来るのを待っていると、女子学生が二人、しゃべりながら階段を下りてきた。ぼくが腰かけてたベンチに、一つ空けて並んで坐った。「こんど、太宰治が立命に講演しに来るねんて」「そ ....
それは神様でも
たぶん知らなかった
── hound dog
何か言ひ残すかのやう春の雪
やがて散る花もたしかな今を咲く
鶯や健やかに ....
時代を追いかけ
時代から遠ざかり
時代に取り残される
言われた通りにしていたら
ものわかりのいいバカになりました
数の数え方と色の見分け方
下手の横好きは生きる術でした
知っ ....
日焼けが気になることに
違和感があるんだ
出し惜しみのない太陽の光
ただ輝きの役目をしている
ひとりひとり輝けるように
鑑として無言で真理を翳す
日焼けが気になる季節に
日傘をさ ....
昨晩見た夢は
わたしのあたまのなかに
かろうじて残ってはいるが
触れることはできそうもない
かたちないもの
見たといっても
まぶたはとじられていた
不思議なことだ
朝はかたちあるも ....
二年くらい前、ある詩人に、萩原朔太郎は好きですか、と尋ねられた。嫌な質問だった。というのも、この手の質問では、たいていの場合、好きか、嫌いか、といった二者択一的な返答が期待されており、それが、詩人の好 ....
心を複雑骨折した夜でした
一本道の迷路は確かに怖くて
無限遠点の先の原点に立ち止る
咲いている花はケシの花
(花言葉の意味はよく知っています)
癒しは時に
善悪を超えて
理性 ....
私が何も新しいことは言わなかった、などとは言わないでもらいたい。内容の配置が新しいのである。
(パスカル『パンセ』断章二二、前田陽一訳)
もはや、われわれには引用しかないのです。言語とは、 ....
さくら 咲く RUN 走りだし
過去のすべてを 肥やしにかえる
さくら咲いたあとの さくらんぼ
昨日までといっしょにカゴのなか
咲くだけさくならくだらんなのか
桜見よ ....
あっ
それ、何
引っ越し祝い?
あはっ
ありがとう
でも
よくわかったね
ここが
それに
こんなに朝早く
休講だったの?
そう ....
学校のトイレの窓ガラスは、むかしから割れていた。
洗面台の鏡の端っこに
生乾きの痰汁がへばりついている。
その鏡に、学校と隣り合わせに建っている整形美容外科医院の
きれいに磨き抜かれた ....
オルゴールのふたをあけると
ことりが砂浴びをしていた
昔のメロディで
ほんのりと温められた砂は
極上の石鹸で
泡こそ出ないのだけれど
日々の汚れを落としてくれる
ふっくらと
よみが ....
最初の出だしはこうよ。
ポプラ並木に寒すずめが四羽、
正しく話してると、
うつくしい獣たちが引き裂くの。
クレープが好きだと言ったわ。
魚座の男が好きだとも言ったわ。
鉄分の多い多汁質 ....
狐雨みたいに
吹雪の中から日が差して
カラスかと思えば
カササギが
白く眩んだ雪原に
モザイクの影をひとつ
長い尾羽
跳ねる指先
氷の粒はからだを奏で
血は渦巻いて管を響かせる
う ....
くさむらのうらぶれた浅瀬
打ち上げられたほおづきの中の
丸い実が
あかあかと
燃えながら
わたしを見ていた
緑だった容れ物の
もはや若さはぬけおち
朽ちた葉脈だけになって
身のうちを ....
あべこべにくっついてる
本のカバー、そのままにして読んでた、ズボラなぼく。
ぼくの手には{ルビ蹼=みずかき}があった。
でも、読んだら、ちゃんと、なおしとくよ。
だから、テレフォン・セックスは ....
ちっともさびしくないって
きみは言うけれど
きみの表情が、きみを裏切っている。
壁にそむいた窓があるように
きみの気持ちにそむいた
きみの言葉がある。
きみの目には、いつも
きみの鼻の先 ....
先生にはじめてお目にかかりましたのは、もう十年ほども前のことになりましょうか。ユリイカの新人に選んでいただいた年のことでした。場所は、新宿の駅ビルにある PETIT MONDE という喫茶店の中でし ....
あるとき、atom、つまり、「原子」という言葉が、ディキンスンとホイットマンの二人の詩人の詩に使われているのを発見して、これは、おもしろいなと思ったのである。それというのも、当然、この二人の詩人 ....
一行目が二行目ならば二行目は一行目ではないこれは偽である
二行目が一行目ならば一行目は二行目であるこれは真である
三行目が一行目ならば二行目は二行目であるこれは偽である
四行目を平行 ....
眼に泳ぐ精子たち
電子を帯びたきみの姿見
幾数年もわたしの前を歩いている
ひとりごちに浴する勝手が ....
雪明かりの中、ひさしぶりに散歩に出る
獣たちの足跡が点在し、ときどき走っては敵に怯えるように急ぎ足になったり、少ないながらもその痕跡が塗されていた
時折、小声で独り言で事を説明する私は酷く滑稽であ ....
ぼく、うしどし。
おれは、いのししで
おれの方が〝し〟が多いよ。
あらら、ほんとね。
ほかの〝えと〟では、どうかしら?
たしか、国語辞典の後ろにのってたよね。
調べてみましょ。
うう ....
ちょっといいですか。
あなたは神を信じますか。
牛の声で返事をした。
たしかに、神はいらっしゃいます。
立派に役割を果たしておられます。
ふざけてるんじゃない。
ぼくは大真面目だ。
友だ ....
いつか森のいちぶだったもの
小鳥をすまわせ
そのうたに耳をかたむけていたもの
みどりの葉をめぶかせ
ゆびさきは空へとむかう
よるになれば流れる星のゆくえを占ったもの
むささびの発射台になっ ....
底浅の透き通った水の流れが
昨日の雨で嵩を増して随分と濁っていた
川端に立ってバスを待ちながら
ぼくは水面に映った岸辺の草を見ていた
それはゆらゆらと揺れながら
黄土色の画布に黒く染みていた ....
ふるい夢をみた
ふゆの朝
たまごが2個の目玉焼きは
血が混じったために
スクランブルエッグになった
またつくればいいさとあなたはいう
ギンガムチェックのテーブルクロスに
あた ....
詩によって花瓶は儀式となる。
(キム・スタンリー・ロビンスン『荒れた岸辺』下・第三部・18、大西 憲訳)
優れた比喩は比喩であることをやめ、
(シオドア・スタージョン『きみの血を』山本 ....
庭にいるのはだれか。 (エステル記六・四)
妹よ、来て、わたしと寝なさい。 (サムエル記下一三・一一)
箪笥を開けると、
──雨が降つてゐた。
眼を落とすと、 ....
宣井龍人さんのおすすめリスト
(2611)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
STRAWBERRY_HANDKERCHIEFS_FOREV ...
-
田中宏輔
自由詩
11*
25-6-2
LAUGHING_CHICKENS_IN_THE_TAXI_ ...
-
田中宏輔
自由詩
15*
25-5-26
嘘つきごっこ
-
森田拓也
俳句
17*
25-5-25
guilty3
-
TwoRivers
自由詩
12*
25-5-24
太陽の傘
-
朝焼彩茜 ...
自由詩
11
25-5-24
鳩
-
そらの珊 ...
自由詩
20*
25-5-24
MELBA_TOAST_&_TURTLE_SOUP。_カリカ ...
-
田中宏輔
自由詩
15*
25-5-19
guilty
-
TwoRivers
自由詩
16*
25-5-18
Lark's_Tongues_in_Aspic。
-
田中宏輔
自由詩
13+*
25-3-17
さくら_咲く_RUN
-
足立らど ...
自由詩
9
25-3-16
こんなふうに
-
田中宏輔
自由詩
14*
25-3-3
窓。
-
田中宏輔
自由詩
11*
25-3-3
砂浴び
-
そらの珊 ...
自由詩
13*
25-2-25
タコにも酔うのよ。
-
田中宏輔
自由詩
15*
25-2-24
愚者白紙紀行
-
ただのみ ...
自由詩
5*
25-2-24
ともし火
-
そらの珊 ...
自由詩
15*
25-2-16
泣いたっていいだろ。_
-
田中宏輔
自由詩
13*
25-2-16
かきくけ、かきくけ。
-
田中宏輔
自由詩
12*
25-2-9
de_verbo_ad_verbum_/_nihil_int ...
-
田中宏輔
自由詩
11*
25-1-22
語の受容と解釈の性差について──ディキンスンとホイットマン
-
田中宏輔
自由詩
10*
25-1-19
百行詩
-
田中宏輔
自由詩
11*
25-1-19
無線紙
-
アラガイ ...
自由詩
9*
25-1-17
冬のにおい
-
山人
自由詩
19*
24-12-31
木にのぼるわたし/街路樹の。
-
田中宏輔
自由詩
14*
24-12-30
みんな、きみのことが好きだった。
-
田中宏輔
自由詩
13*
24-12-27
すなはまで骨をひろう
-
そらの珊 ...
自由詩
16*
24-12-27
高野川
-
田中宏輔
自由詩
20*
24-12-24
絶叫
-
平井容子
自由詩
18
24-12-16
THE_GATES_OF_DELIRIUM。
-
田中宏輔
自由詩
13*
24-12-15
陽の埋葬_
-
田中宏輔
自由詩
11*
23-10-30
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