盆地は風が微弱で頻繁に空気がたまり大変だと聞くぞ

だが平地をぐるっとする山脈の壮観な岩肌にぶつかる太陽やら月やらの繊維を纏った風が
大空からどえらい風神様になって渦巻き吹きつけると聞くぞ
 ....
優しさと痛みをくっつけてくれるのは

あたたかさだった

優しさと痛みだけなら傷つけるだけだった

冬の光のような

さわやかな絶望と楽しげなかなしみ

太陽と地球の距離、そのあた ....
ジンジャーエールの
薄いこがね色に光る泡を
優しく、かき混ぜ、溶けるように
わたしの過ぎた惑いを
散らしていった



冬の早朝に舞い降りる霜のビロードで
肌のヒリヒリする感触が
 ....
僕はワンカップを片手に
車窓に体寄せていた

電車の外は雨らしく
ぱたぱたと打ち付ける雫が
声なき声の模様を描き僕を飾る

ざわめきの静寂に叫びを埋めて
引きずる体の亀裂を紐で縛って
 ....
青い空に
浮かぶ雲は
他にやることもないから
特別にゆっくりしている
なんの充実感もない
無益な時間を消費してるだけだ

一瞬は永遠につながっている魔法

雲よ

あなたは
い ....
我が家といえば

大型スピーカー十本とアンプが五台
CDは千枚くらい
鍋が十個にフライパンが七つ
食器はコップなどを含めて数百個
本が約三千冊
釣り竿が七十本くらいでリールが五十ニ個
 ....
ビルの谷間に 転がるように のぼる満月
ひとりきり ひとりきり 旅するうちに
道を間違え 失った夢の数々
 
真夜中の 交差点を すれ違う人の群れ
嘘つき女が 札束を数えるエレベーター
拒 ....
燦 とひかりが降り
彼の中の森がめざめる
その肢体が
若枝であり
清流であり
薫風である彼の中の森が
その数多の瞳を
つぎつぎとひらいてゆく

きらめきをこぼしながら
鳥たちが飛び ....
うすらさむい肌に
あなたがのったとき
わたしはまだ女ではなかった

寝返りの襞に言葉が沈み
朝陽に産毛が焼かれると

夥しい嘘が
たった一枚の真実に包まれて寝転がっていた
あかる ....
わたしはきっと見たことがある
祖母の灰色の目をとおしてだけれど
B29がつきぬけるように真っ青な
雲一つない空をはしってゆくのを

疎開するため
汽車で広島を出るとこだった
ちいさな伯母 ....
小さい頃に手を繋いで歩いたあの歩道は、いつの間にか立ち入り禁止になっていた。
立ち入り禁止の表示とチェーンが張られたその一角に、子猫が3匹かたまって此方をじっと見つめている。この道の先には、古い洋館 ....
冬の光に抱かれて
こくり と 眠るように
夢の浅瀬を渡るように

用事はすっかり忘れ
身ひとつ
見知らぬ風景
懐かしい街を往くかのように

身を切る冷たさ
かじかむこころ魅かれるま ....
青。
青いひまわりが在れば良いと思った。
空に向かって咲く姿は、今とは全く違う趣なんだろう。
青ではなく、太陽の強い日差しも跳ね返す、美しい黄色の花は。
宙に浮かんでいるように見えた。
ふら ....
ぼかぁ、馬鹿なんだよ
ぼかぁ、馬鹿なんさぁ

白い丘から見下ろす風を、身体全体で感じ取って、
僕は、只々、自分を見下している

僕の心の中に住み着いている奴らに、
必死で歯向かおうとして ....
痛む目頭を押さえ
溢れそうな感情を抑えている

救いは目に入らない
意識が捕らえたがるのは


  真面目に選ぶ事も無い悲しみや焦り


何故?
どうして、
繰り返され ....
3時になったら起こしてねと言って寝室へきみは行った、それからだいたい三年が経ったように思う。
元旦、朝は曇っていたが東の方から掃くように雲は流れ、正午には空は真っ青な顔をして、気の早い蝋梅が ....
糸をつむぐ
それはかつて
繭だったものたち
それを産んだものは蚕という虫
それを育んだものは桑の葉
それを繁らせたものは桑の木

ふるさとを発つ時
小さなかばんに
宮沢賢治の詩集と
 ....
私は、窓を開けたが、そこから広がる世界を私は、知らない。
何故なら、私は、斜め上に見える私が窓を開けている姿を見ている私だからだ。
下から見上げた私は、非常に透明な床の上にたっており、透けているよ ....
大樹が葉を落とした夜に
大地は不在だった
葉は一斉に宇宙の広がりの彼方へ
解き放たれていった
神が啓示を下した朝に
人間は不在だった
鉱物たちは啓示に共鳴し
正しい解釈で構造を置 ....
深くて暗い悲しみに
今日も小雪が降りかかる
集めた辞書に言葉無く
林の奥の細道を
震える肩を抱き絞めて
歩いても
歩いても
たどり着けない場所があり
カラスだけが空を舞う

深くて ....
      祈りと願いに摩耗した
己の偶像が神秘の面持ちを失くす頃
始めて冬の野へ迷い出た子猫は瞳を糸屑にして
柔らかくたわみながら落下する鳥を追った
薄く濁った空をゆっくりと
    螺旋 ....
一月
一年365日一日24時間
自分と向き合う生活
ワイフと向き合う生活
人によっては
人生最大の試練となるだろう

二月
仕事以上の生きがいというものは
なかなか見つかるものじゃな ....
 忘れ去られた思い出を戸棚の中から取り出してじっと見つめる。
 淡い色に変色したノートや書籍。
 どこの国の物か分からない人形。
 出し忘れた葉書。時を刻まなくなった時計。

 遠い記憶 ....
1.
いつから
足りていないものばかりを
指折り数えて呪い

2.
消え入りそうな風のわたしは
どっしりとした海のあなたに安らいで
ゆるり 守られ
はじめて 安息し
ながいながい淡 ....
わたしはね 西脇さん
珈琲で軽く出来上がって いつしか眠りに落ちていた
目覚めて 窓を開ける と
風が 西脇の一日遅れのこたえを持って
冬の すみれいろになって間もない空には白い雲
まぎれも ....
わたしはもう
石になってしまいました
かつてわたしにも
水だった時代があり
白濁した粘質の水となり
やがて泥となり
固まっていったのです
土として長年を過ごし
生き物をすまわせもし
 ....
「笹舟」

ほそくふるえる茎をくわえて吹いてみた
ちいさいころの夕焼けが鳴った
{ルビ百日紅=さるすべり}のあった空き地
少年探偵団のぼくが落とした時間
材木屋のある路地は行き止まり
ふ ....
亀はよなか
光っていた

声が
それを
すべるように引き去ると
亀たちは安心して眠った

毎夜順番に ひかる亀たちを
うつしながら水は
さびしさも 涙も
持っていなかった ....
洗いたての芝生がちろちろと
脈を交わらせている

川までの道すがら
ちいさな生き物は溺れ死に
汚れた内臓は、光る命へと洗われる

車椅子に花を差し入れる

目を細めてファインダーを覗 ....
霜降りた田園のあとかたに

朝日の残滓が

それは早すぎる追憶

天涯より撃ちつけられる萎び

もう戻れない日々のなかにいる


最初からなければ良かった原発

誰にでもある ....
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