いまは幾度めの春なのだろう
遠い昔のような
つい昨日のような

子供たちもそれぞれに
この世界のどこかへ
紛れていった

いまも日々の食をもとめて
彷徨う身にも春はやさしい

な ....
空がこんなに青いのに
死にたいと嘆く 冷蔵庫101号室に住んでいるレモンなんてジュースにして
空のそらぞらしさなんて
御構い無しに たわわに実った 金柑の実を小鳥のようについばんで
よもぎのパ ....
僕の通っていたひかり幼稚園は
お寺の中にあって
墓地は恰好の遊び場だった

4月8日は花祭り
お坊さんの園長先生は
あまりおいしくない甘茶をみんなに飲ませて
毎年自己紹介させる
め ....
父がハーモニカを吹く
孫らに
子らに
万感の思いを込めて
「花の街」を吹く

私は父が奏でるハーモニカが好きだ
80歳になっても奥深い響きは変わらない
何十年経っても変わらない響き ....
SNSでつながろう。
オンラインゲームで仲間と一緒に。
ほんのつぶやきをリアルタイムで受け止めて、意味のある言葉を返そうよ。
江流のような言葉はとめどなく流れ、これが本当のライン川(寒)。
だ ....
フェンスよじのぼって夏つかまえた 地球はどうだい

悲しみにみちているかい

浮上しかけのヘリコプターに飛び乗った

髪や衣服がはためく

だれかの期待に応えたくて

緑の景色を滑ってゆく

こちら管制塔よりト ....
それは中毒性がありますといわれればきりがないし
さいしょから栓を抜いてしまえばいいだけの
それだけのことだったけど
すうねん前から君もわたしも
もの哀しい空気で肺をいっぱいにするのが
習 ....
<クレームと改善>

・おはようございます(今は夜)

・こんばんは(今は朝)

・こんにちは(人類は汎用性の高い単語を開発した)


<メモ>

『真夜中と早朝の中間地点に ....
ああ!計り知れないメモリの揺らぎがムチと成す 刺激

悔しさではない 頼もしさと愉しさ 敬意に値する同じ縄張りのど真ん中で

 私は合掌している 知らず知らずに 指紋の行方を拝むほど
    ....
レールは、強い日差しに過熱している

煤けた少年が、レールの上を歩いて
線路脇には、赤いカンナが咲いている
熱いレールに耳を当てると、ことんことんと
走り去った列車の鼓動が遠ざかる

列 ....
ショーウィンドウの前から
ふわりと剥がれた影は
軽やかにステップを踏んで
もうひとつの影にくっついた

大きな紙袋をぶら下げて
せかせかと動き回る影は
スマホを耳に押し当てたまま
 ....
ここにはない
何も踊らない
ただ搾り出された絵具のように
眠たげな静物だけ

わたしの中か
わたしの外か

楽しげな人の姿が
ゆっくりと薄れ消えて行く
古いスナップ写真が
毎 ....
それはなかったことにして

ではなく ないことにして

これもなかったものと泣き

いや ないものと叫びたいだけで


火の粉が夜空を浮遊する


仰ぎ見るわたしの口 ....
湿度を感じ 曇り空を此処に降らし
その灰色に害されない豊かな今の心を嬉しく思う

なんとものんびりとした時間を過ごすのだろうか
感謝は想うだけでは罪 そのようにも感じる

世の中に何が出来 ....
【いとおしい 石】


真新しい制服をきて
さあ これから はじまりますよという玄関で
籠の鳥が けたたましくないていたから 鳥にも 
ありがとう 入学してくるねって 声をかけ
ただいま ....
げんこつ出してと
子等に言えば
なんと可愛い手が三つ
両手で六つ
げんこつの大きさに握った
おにぎりを一つずつ

パーを出してと
子等に言えば
なんと可愛い手が三つ
両手で六つ
 ....
初めておばさんと呼ばれたのは
娘を保育園に預けて働き始めた頃だった
仕事が終わって迎えにいくと
小さな子どもたちが
今度は自分の親の番かと
わくわくしながら遊んでいる

時間外保育の部屋 ....
今日は日曜日だから
病院の屋上で
ふんわりかすんだ景色と
ゆったり過ぎていく一日を
眺めていよう

近くを流れる川岸で
竿振る人がいて
逆さになった山の
頂上をめがけて振り降ろし ....
この宇宙は
無から生まれた
無は
何もない真空のエネルギーとなった
真空のエネルギーは
10の80乗個の原子と
無限の未来に広がる力を生んだ

我々の身体や心の中にも
真空のエネルギ ....
「会社が潰れるかもしれない…」
夫が青白い顔でポツリと言う

「そう。じゃあ、じたばたしても仕方ないわね」
私は、パッションフルーツ入りの
プレミアムヨーグルトを食べながら答える
視線はス ....
一行で何人も殺せるペン先が細い 月の見えない部屋に本もテレビもない 蟄虫啓戸
すごもりのむしとをひらく


ギィっと
闇に穴が開くと
部屋は一瞬で眩しさに満たされた

クラっと
意識が旋回して
しばらく身動きが出来なかった

何の理由も告げ ....
********
真珠秘話
********

海に照り返された日射しだけが 剥離し球体になって昇っている
あれは、太陽なのか。
美しい白銀の オパールに私を変える
変色しつ ....
春の日射し
山間の里
富士の清水の恵みを人々に振る舞う
酒蔵の蔵開き
心に沁みる酒
わさびと酒粕のかおり
皆の笑顔と笑い声

一年振りの再会は
社交辞令の欠片もなく
互いに肩を ....
遠い海鳴りに揺れる芝の浜に
過去を彫りつけて並ぶ墓石 
刻まれた家名は
未来から押し寄せる期(とき)の飛沫に
輪郭を失い昔話の中へ透けていく

たとえば 祖父の掲げた鬼灯の
赤光に浮 ....
チミ!
今度の研究のテーマは
「道に迷った認知症の方が家に帰れる方法」にしよう

え〜 社長
それって うちの商品に関係ありますか?
そんなことをしたら
お金をドブに捨てるようなもの ....
命が散る

飛散する

ビッグバンをものまねしよう

命が散る

飛散する

宇宙の最初をものまねしよう


それをお花見のように眺めよう

そしてお花見のように別れよう ....
猫のヒゲふるわせてとおるやんちゃな風の春

春の音木の芽の薫り日向に干したせんべい蒲団

いいことがあったのよと三度目の電話僕にはないけど

分解された春をまた組み上げるそんな季節のちから ....
宣井龍人さんのおすすめリスト(2595)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
三毛猫のうた- 梅昆布茶自由詩1914-4-4
ちいさなコントラバス- るるりら自由詩21*14-4-3
花祭り- ichirou自由詩10*14-4-1
音の和_春の和- ichirou自由詩1214-3-29
山羊を見る羊- クナリ自由詩5*14-3-29
フェンスよじのぼって夏つかまえた- 北大路京 ...自由詩314-3-29
LIFE!- 吉岡ペペ ...自由詩3+14-3-28
なんてつまらないんだろう- ざらざら ...自由詩1014-3-28
汎用性の高い単語- マチネ自由詩314-3-28
貴様へ感謝の念を飛ばす- 朝焼彩茜 ...自由詩11*14-3-27
1960- 山部 佳自由詩314-3-27
影の春- nonya自由詩20*14-3-27
死を装う春の詩- ただのみ ...自由詩18*14-3-26
赤い空_________「群青」四月課題『嵐』出品- 芦沢 恵自由詩24*14-3-26
他愛のないかけがえのない- 朝焼彩茜 ...自由詩13*14-3-26
いとおしい_石- るるりら自由詩18*14-3-25
おにぎりとおいなりさん- 岸かの子自由詩8*14-3-24
【_おばさんラプソディー_】- 泡沫恋歌自由詩22*14-3-24
仙人- イナエ自由詩14*14-3-24
無、真空のエネルギー、そして無限の未来へ- ichirou自由詩11*14-3-23
プレミアムヨーグルトを今日も買いに- 夏美かを ...自由詩31*14-3-23
一行で何人も殺せるペン先が細い- 北大路京 ...自由詩914-3-23
月の見えない部屋に本もテレビもない- 北大路京 ...自由詩114-3-21
蟄虫啓戸- nonya自由詩17*14-3-18
はちきれんばかりの_おもいのままに_三部作- るるりら自由詩9*14-3-18
蔵開き- ichirou自由詩13*14-3-16
メモリアルパークにて- イナエ自由詩9*14-3-16
5年後のある会社のお金の使い道の話- ichirou自由詩9*14-3-15
お花見のように- 吉岡ペペ ...自由詩314-3-15
猫のひげと春- 梅昆布茶短歌1014-3-15

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