人生が辛くなり死ぬ人がいる
死ぬ病気じゃないのに死ぬ
しかも自分で自分を殺めるのだ
死んだら辛くないのか
死んだら楽しいのか
自分が自分に殺されて痛くないのか
心や体が嫌がっているのに
 ....
女は錆びた蕀を掻き分けてゆく
羚羊の如き靭やかな足で
マンダリンの光の中
真珠色の太腿を露に
崖を巧みに昇りゆく
私にはその先に何が
あるかまるで見えない

女にも見えていない筈

 ....
新緑の木漏れ日
雨上がりの朝
ひとの気配を飲む森
まぐわうように
愛をからませて吐く息
命の匂いに満ち満ちて止まない
そんな五月のように私たちが求めて止まないころ
得ようとしていたもの
 ....
亀裂から伸びる欠片の先端から昨夜の雨が祈るように滴っている廃屋の雨樋
海からの風が雲のどてっ腹をぶち抜いたみたいな紺碧の下で
いまだ同じ場所で彷徨い続ける俺の脳髄は一瞬
開か ....
口を開けばこの世におわかれ
結局その理由がわからなかった
全て終わってしまった衛星都市で
いくつものぬけがらだけが
からからと丁寧に掃除されている
野良猫たちはそれでも
誰かに ....
つるーっと
玄関から入ってきた
ひとつのボール

丸いな
手にとるわたし
明日は晴れるのかな
お母さん

きっと晴れね
これ水色だもの
受けとるお母さん
夕ご飯は何 ....
サワサワとゆったり
流れる河のほとり
私は目を閉じ姿勢を正して
瞑想を試みる
私の心臓はトクトクとリズムを刻む

トクトク
上流から聞こえて来た小さな音
近付くにつれ音は大きくなり
 ....
 
「山林へ」
いつものように山仕事の準備をし山に入る
ふしだらに刈られた草が山道に寝そべり
そこをあわてて蟷螂がのそのそと逃げてゆく
鎌があるからすばしこくない蟷螂は
俺たちと同じだ
 ....
先にあなたから色芽を結びます

空けないことにはわからないから

柄の選択に迷うことになります

わたしが降りてきて

これでからだからはなれてしまう

味覚をもしも言葉で ....
 先生、私たちの昼間が消えていきます。
カレンダーに休日がひとつ、足りないのです。
青と赤の隙間に、数字のいち、が。
時計は、今、だけを、さしたがる、から、痛い。
数字が昨日と明日を覚え ....
拝啓、冷蔵庫様

長い間ご苦労さま
十六年間、寝食を共にした
おまえが逝ってしまい
わたしはとても寂しいよ

突然のお別れだった
何だか、冷えが悪いと思っていたら
冷凍食品が自然解凍 ....
まだ若い老人であったころ
同僚と紅葉の山麓へドライブ旅行にでかけた
秋空のもと 静かな集落を抜けるとき
前方遙かに 背をかがめた人が横切るのを見た
同僚はスピードをやや落として言う
「老人は ....
顔(ガン)                流星
                      流血
  直情が滑る              硫酸
   乾いた血球を             流星 ....
息もないコールド・スリープの午後
艶かしい女の身体と
ゴキゲンな薬の夢
乾いて
ひび割れた皮膚の上で
上がり始めた熱が止めをさす


きみの手のひらの中、も ....
蛍光灯に照らされた

知らない空き地がとても静かだ

行き過ぎる車窓から

ジオラマみたいな町を見つめる

ひとびとの明かりのなかに

わたしは幸福っていう二文字を見つめる

 ....
人気のキャラメルポップコーンは
不自由だ
冒険したくはないのかな

百貨店の特設コーナーに 閉じこめられたり
駅のコンコースで 長い長い列を作られる
待ち伏せされ囲われて

私の作るポ ....
じいちゃんが若気のいたり続けてるまた新しい春が来ました 花びらを覚えるよりも続くのは そこに木がある、という認識
あの散って、地に伏している花びらは 私なのです ご存知ですか
風情とは縁遠いほど呆気ない 軽はずみだと呟く思い

花びらを拾い集めて再 ....
舌まできらきらひかる宝石生みの話をして。



異物混入屋さんで手をべたべたにしてポテトを食べているきみは、
三秒に一回はおいしいっていってるのに表情が全く変わりません。
異物混入 ....
山を駆け下り開けた浅瀬に出ると
ゆるゆると草を揺らしながら往く
水の膨らみは千変万化を繰り返し
陽射しに微笑みを返すのだ

小学生の女の子ばかり六人
紫外線から完全に身を守った女の先生と一 ....
都心を射ぬく沈黙のバスを執拗に尾行する
半分にすり減った横顔のまま

ビルの狭間にこうこうと深く冴え渡る闇の遠くで
連動する疲弊の連鎖に眉を震わせ

容赦なく目に斬り付ける
横殴りの光の ....
いま目の前を上り列車がひとつ通過いたしまして、さてさてお集まりの皆々様よ、おんなののろいをみたいとお集まりで、おんなのなみだをみたいとお集まりで、ついでに死ぬおんなや殺すおんな、蛇やら龍やら見せましょ .... 一日という、すべての人間の背後に貼りつく不気味な影を町中に伝播させるため、始発電車は今日も出発する。朝は既に始まってしまっているので、始発電車は出遅れるのだが、そこから改めて朝を始め直す力を巨 .... 風で鳥になっていた。

京香の両手首をつかんで、ぼくがうしろから広げていた。

強い風がしばらく続くと、京香はあたまを前へ前へと落としていった。

そのたびにぼくは手首を強くにぎりしめ、腰 ....
監督のサインはいつもア・イ・シ・テ・ルまた新しい春が来ました 日々のおおまかな動線や微細な素描に
こころの絵の具の淡彩で色をちらしてほっとする

ビュッフェのようなリトグラフの陰翳の鋭い世界も良いが
ちょっと太陽のぬくもりをもらったような
なにげない淡 ....
長渕剛っぽく唄うことで長い校歌を乗り切る 夏のもやだ

出会った夜

思い出のよう

長い髪にも

月を探すよ


一夜かぎり

夢がさめても

昔の華やかな

カーニバル


夏のもやだ

出会っ ....
ベランダにテルテル坊主だった物体 八重よ、八重、
お前はどこからやってきた?
海の向こうの和の国の
家族がお前も恋しいか?

八重よ、八重、
お前はいつからそこにいる?
出逢った時からお互いに
白髪も相当溜めてきた
 ....
宣井龍人さんのおすすめリスト(2595)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
思うまま生きるままに- リィ自由詩3+*15-5-11
家路- So_air69自由詩215-5-11
あなたに終わらない五月を- たちばな ...自由詩30*15-5-11
真昼のプラネタリウム- ホロウ・ ...自由詩5*15-5-11
ホログラム- 春水八郎自由詩5*15-5-10
段差のない家- かんな自由詩11*15-5-10
心臓の音- 小川麻由 ...自由詩5*15-5-10
山林の詩- 山人自由詩7*15-5-9
空箱(格言詩)- アラガイ ...自由詩7*15-5-9
花________陸が海に消えるまで。- 為平 澪自由詩15*15-5-8
【_拝啓、冷蔵庫様_】- 泡沫恋歌自由詩20+*15-5-7
年を取る取るとはこういうことかー振り返るー- イナエ自由詩11*15-5-5
A_DEATH_MASK- 乾 加津 ...自由詩5*15-5-4
オーティスをシンパシーで笑い飛ばしながら、それでも。- ホロウ・ ...自由詩10*15-5-4
旅を想う- 吉岡ペペ ...自由詩515-5-4
キャラメルポップコーンの冒険- とよよん自由詩5*15-5-4
じいちゃんが若気のいたり続けてるまた新しい春が来ました- 北大路京 ...短歌215-5-3
春なく、春生きる- 暁 文目自由詩215-5-3
宝石生みの話- 初谷むい自由詩615-5-2
愉快な午後- ただのみ ...自由詩17*15-5-2
白い月- Lucy自由詩12*15-5-1
のろいのために- 片野晃司自由詩12*15-5-1
始発電車- 葉leaf自由詩215-5-1
春に吹く風- 吉岡ペペ ...自由詩215-4-30
監督のサインはいつもア・イ・シ・テ・ルまた新しい春が来ました- 北大路京 ...短歌115-4-30
迷子のうた- 梅昆布茶自由詩15*15-4-29
長渕剛っぽく唄うことで長い校歌を乗り切る- 北大路京 ...自由詩315-4-27
夏のもや- 吉岡ペペ ...自由詩415-4-26
ベランダにテルテル坊主だった物体- 北大路京 ...自由詩615-4-26
八重よ、八重- 夏美かを ...自由詩24+*15-4-26

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