たやすく割れてしまうのに
壊れてしまうのに
やわらかく、脆い目で手を伸ばし

薄く平滑な胸が空気でいっぱいになると
子どものつまさきは
もうすでに、地を離れている

街が息継ぎを忘れて ....
市販のマスクはあなたの命を吸い込んで蝶々になります。

それは綺麗な蝶々です。

なので、ポイと捨てられればマスクも傷つきます。


マスクは子を孕みます。それはあなたの顔に似ています。 ....
光を愛する闇がある 海に裏切られ 花に批難されたら

枯葉にも笑われる生き様


ヒューっと 大きく豪勢な車が

目の前を風のごとくに走り過ぎようとするよ

ハンドルにしがみついた女の人

なぜ ....
<ふたりのテーブル>
なんとなく用もないのに
無性に話しかけたくなって
でも何も用がないのに話しかけたら
あきれられるんじゃないだろうかと怖くなって
コーヒーが飲みたいと言ったら
いつも
 ....
朝早く
雨の音で目が覚めた
薄い波板を叩く音がする
風が椎の実をまき散らす音がする
夢で雨の中を歩いていた

海辺の町で暮らしていた頃
一緒に暮らした女は
落ちていたスニーカーを見て
 ....
雲」流れに逆らう水は行き場を失う。積もる荒れた大地に鷺は降りたち。季節は素早く足取りを止めた。
沼。葦群の中、これ以上歩めばもっと地獄をみるだろう。あなたはどちらにしても傾がなければならない。波 ....
今日も僕はお金で孤独を買う 旅費を払って一人旅 他人に与えていた心身の隙間を 旅先の風光がかわりに埋める 本を買って一人で読書 まっさらな自分に活字の苗を植えていく お金で連帯も買えるけれど 連帯は自 .... 既婚者のシャツにつける口紅スタンプを自作 後悔ばかりの走馬灯が見える 過ぎ去ったものの影を追わないで

思い出の名前を口にしないで

あの日を小瓶に閉じ込めないで


銀の魚は
網の目をくぐって
すべるように消えるもの


手から手へと渡ってゆく ....
宇宙の真ん中で砕けた石が
杉並区を直撃すれば
わたしは死ぬ
だからあなたを救えない

運ばれたキール・ロワイヤルの中に
毒が混ぜてあっても
わたしは見分けがつ ....
あんがいね
すっきりしているんだ

ずっとわだかまりだった
何がいけなかったのか
手繰っても
たたみなおしても
「もう一度」と
組み合ってもらえなかった
正解のないわたし ....
灰色の水晶の夜。空から降り雪ぎ始める蒼い光線。中空で金色の風を纏って、低空の海へ今、
音もなく落ち続ける。完全に凍りついた街で、見渡すことの出来る全ての白が、燃え上がっ
て、高みから、月の波の光が ....
風邪をひいて一日寝ている
よくもこんなに眠れるものだ
寝ては目覚めてまた夢を見る
夢で野垂れ死にしても不思議ではない
見知らぬ旅館に隠れている
ドアが開いたかと思うと風呂上りの子どもが転がり ....
 


思い出に足を掴まれて
振るべき手を
繋ぐべきでないからと
ポケットにしまった


どこを歩いていても
君が隣にいるだけで
帰り道だと錯覚してしまう
地図の要らない唯一の ....
鏡の向こうの世界から  
足音も無く  
こちらに歩いてくる{ルビ女=ひと}は  
軽やかにも手をあげて  
({ルビ今日=こんにち}は…)と、旅人の僕に云う  

裸婦の姿のその女に   ....
こんなことを昨日から考えている

診断の結果異常のないはずの子供が

なんらかの障害をもって生まれてきたら

なんらかのミスでそんなことが起こってしまったら

ぼくならどう思うだろう
 ....
三日に四日はバカ すみれの香りがするね

ルビー色のワインを飲みながら

つぶやいたあなたの唇が

柿渋のように舌にからみつく夜

新月が笑い

大潮が笑い

あなたの赤い月が、ひとり

イ ....
ありがとう
過去へ照り返す言葉だが
同時に現在からリズムをつないでいく言葉でもある
この原野に幾つもの植生が交替していく間
地図のない遠い行路を本能だけで突っ走っていった
あなたの内 ....
{引用=
冬がとどく
 

真夜中のようにしずかに
  誰にも 気づかれることの
  ないように


技師のつめたい指をして
  冬は、いつもきびしさで やってくる


翳ろ ....
キーを叩き。明朝体を墜し、青白む紙の上へ
滲み、昏い余白を点し、未到の雪のうえを歩
く、ポーチライトが続々と消えて、踝に光だ
けを纏い、潜り、息を止めて、そっと近づき。
加速度をつけた空が硝子 ....
昔とおんなじだったというのは
本当には少し違っていて

こうだったら良かったのにって
ふたりだった



会えば楽しいけれど
別れたとたんどっと疲れたり、

約束して ....
歳時記に君の名前を書き込んで松尾芭蕉を越えるのも恋 道路の白線は爪で引っ掻いたようにボロボロで、白痴の老婆が
荷車を押しながら線に沿って歩いていた。そばを、猫が心配そ
うに見つめている。

風車を持つ少年はバースデーの母に、摘んだ花を届けようと ....
ね、といって目を閉じた
静かにその翼を閉じるように
ね、あなたの見る夢のなかに
白い鳥、翼をひろげて飛んでいった
その羽ばたきがかすか、耳もとにくちづける


ね、あなたは今も孤独なのだ ....
言い訳にならぬコトバに頷いてデコボコの月丸くしていく 今すぐ粉々にしてくださいって

誰かにすがりつきたくなるときがあるよ

肩や腕や胸ではなくて

せいぜいひざの下にしがみつく

だって

怖いからね

優しい人が

自 ....
天気は病みあがり
光が降って
かろうじて息を
吹きかえす


空気は冬じたく
影が伸びて
ひそやかに息を
吐いて吸う


世界の境が裂けるとき
時は遠く
ときはなた ....
宣井龍人さんのおすすめリスト(2595)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
車窓から見える赤い風船は、まるで祝福のしるしみたいに- sample自由詩4*13-12-2
「あなたが捨てた子ども」- 宇野康平自由詩113-12-2
光を愛する闇がある- 北大路京 ...自由詩813-12-2
だいたい_それくらい- 芦沢 恵自由詩23*13-12-1
距離感いろいろ_5篇- クナリ自由詩6*13-12-1
雨の日- まんぼう ...自由詩313-11-29
荒地_(序白)- アラガイ ...自由詩10*13-11-28
twitter- 葉leaf自由詩313-11-28
既婚者のシャツにつける口紅スタンプを自作- 北大路京 ...自由詩513-11-28
後悔ばかりの走馬灯が見える- 北大路京 ...自由詩613-11-28
季節- 梅昆布茶自由詩1513-11-27
ゆびきりげんまん- 中山 マ ...自由詩213-11-27
あんがいね- 鵜飼千代 ...自由詩15*13-11-25
露光線- hatena自由詩113-11-25
風邪と悪夢- ただのみ ...自由詩21*13-11-24
Hum_is_a_"Take_Me_Home,Co ...- 自転車に ...自由詩813-11-24
裸婦像の声ー高村光太郎展にてー____- 服部 剛自由詩413-11-23
ぼくなら- 吉岡ペペ ...自由詩1113-11-23
三日に四日はバカ- 北大路京 ...自由詩613-11-22
Barolo- 草野大悟 ...自由詩2*13-11-22
- 葉leaf自由詩6+13-11-22
冬情- 月乃助自由詩8*13-11-21
疾走する文字列- hatena自由詩4*13-11-21
あのね- 鵜飼千代 ...自由詩14*13-11-21
歳時記に君の名前を書き込んで松尾芭蕉を越えるのも恋- 北大路京 ...短歌613-11-20
「白線の上で」- 宇野康平自由詩313-11-20
白い鳥、飛んでいった- 石瀬琳々自由詩12*13-11-20
言い訳にならぬコトバに頷いてデコボコの月丸くしていく- 北大路京 ...短歌813-11-19
泣いて叫んでせいぜい粉々- クナリ自由詩7*13-11-19
十一月- シホ.N自由詩4*13-11-19

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