穴のあいていない人間はいません 点子にも ほんとうの名前があるらしいです。
しかし
点子と点呼されたときから、わたくし 点子となったのでございます。

汽車ほど、人間の個性を軽蔑したものなどありません。
この明治の世で ....
笑い声に聞こえるように泣いた もうもくどもよ、

ベッドのあさいところで
指をかぞえる
放射状にならべたままで
つかみあうことができないままで

どの地点にも等しく降る雨のようになれないものごと
すなわち、わた ....
逆さまに 微笑む兎が 見えたかい
月明かりの下で 朝露を待つ夜は 程遠く

太陽の訪れを 待ち侘びる事も 忘れたみたい
海岸で咲く 緑の花びらを 見付けたかい

違うよ 其れは 蛇紋岩だ
 ....
いま四ツ谷だよ

いま水道橋歩いてます

いま終わりましたありがとお

いまを留守電でいま聞く


叶わないから

言う訳じゃないけれど

ずっと一緒にいたかった

から ....
人間につけられた名前を知らない 別れ際
もう一度
君の
爪先を愛撫した


 君は
 恥じらいながら
 美しく変形した爪先で
 二人の接線を示す
 弧を描く


曲が

 月の光から
 パスピエにかわ ....
星が眠る頃僕たちは起きる。
グラタン朝よ。起きなさい。
そんな母の声で目が覚めた
グラタンとは私の名である。

あのグラタンかとの質問に
真っ正面から答えてみたい。
そうだあのグラタンで ....
何か自分に
とても
くだらなく、
そして
やさしいことを
してあげたくて
3歳児が寝静まってから
缶ビールとスナック菓子を用意した
酒は苦手で飲めない
けれど
時給ベースの仕事で
 ....
すみれの咲く秋がある
すみれが好きな少女のために

春の庭に生まれた夢が孵る時がいまなんだ
と秋の実りにそよぐすみれ
常冬に住む老婆の許の菫色の裁縫箱には
針と糸と針刺しと並んでセピア色の ....
古い人よ
あなたの残してきた足跡が
時間の湖に一つずつ落ちる音がして
僕はそこに誰にも使われなかった時計の針を見る
新しい村に深く棲み付きながら
あなたの姿は目に見える姿とは別の姿だ ....
知らない国へ治療にいった

ぼくはムリョクだった

行動もことばも信頼もミライも

どうしてあなたに与えられなかった


コップは満杯なんだろう

おおきなコップが必要だった
 ....
あなたはそれから日記を書かなくなって、たぶん唇はかわいている。
テレビは消音のまま点けっぱなしになっているから、部屋のなかの光と音のバランスは悪い。視覚的な喧噪と、それを拒否する沈黙。でもカーテ ....
線路が繰り返し
ひとの声をつれ
あしもとにのびる
夏の繁茂が
覆いかぶさったまま

ことばが違う
ようだった
毎日同じ場所に立つ
建物にはただしく
光が射す

帰る道すがら
 ....
仕事柄
保育園や老人介護施設を訪れる

人生の入り口と出口
もちろん私は後者にちかいあたりを走っているのだろう
少々息を切らしながらも

保育園児に捕まるとなんどでも同じ質問をしてくるの ....
たやすく割れてしまうのに
壊れてしまうのに
やわらかく、脆い目で手を伸ばし

薄く平滑な胸が空気でいっぱいになると
子どものつまさきは
もうすでに、地を離れている

街が息継ぎを忘れて ....
市販のマスクはあなたの命を吸い込んで蝶々になります。

それは綺麗な蝶々です。

なので、ポイと捨てられればマスクも傷つきます。


マスクは子を孕みます。それはあなたの顔に似ています。 ....
光を愛する闇がある 海に裏切られ 花に批難されたら

枯葉にも笑われる生き様


ヒューっと 大きく豪勢な車が

目の前を風のごとくに走り過ぎようとするよ

ハンドルにしがみついた女の人

なぜ ....
<ふたりのテーブル>
なんとなく用もないのに
無性に話しかけたくなって
でも何も用がないのに話しかけたら
あきれられるんじゃないだろうかと怖くなって
コーヒーが飲みたいと言ったら
いつも
 ....
朝早く
雨の音で目が覚めた
薄い波板を叩く音がする
風が椎の実をまき散らす音がする
夢で雨の中を歩いていた

海辺の町で暮らしていた頃
一緒に暮らした女は
落ちていたスニーカーを見て
 ....
雲」流れに逆らう水は行き場を失う。積もる荒れた大地に鷺は降りたち。季節は素早く足取りを止めた。
沼。葦群の中、これ以上歩めばもっと地獄をみるだろう。あなたはどちらにしても傾がなければならない。波 ....
今日も僕はお金で孤独を買う 旅費を払って一人旅 他人に与えていた心身の隙間を 旅先の風光がかわりに埋める 本を買って一人で読書 まっさらな自分に活字の苗を植えていく お金で連帯も買えるけれど 連帯は自 .... 既婚者のシャツにつける口紅スタンプを自作 後悔ばかりの走馬灯が見える 過ぎ去ったものの影を追わないで

思い出の名前を口にしないで

あの日を小瓶に閉じ込めないで


銀の魚は
網の目をくぐって
すべるように消えるもの


手から手へと渡ってゆく ....
宇宙の真ん中で砕けた石が
杉並区を直撃すれば
わたしは死ぬ
だからあなたを救えない

運ばれたキール・ロワイヤルの中に
毒が混ぜてあっても
わたしは見分けがつ ....
あんがいね
すっきりしているんだ

ずっとわだかまりだった
何がいけなかったのか
手繰っても
たたみなおしても
「もう一度」と
組み合ってもらえなかった
正解のないわたし ....
灰色の水晶の夜。空から降り雪ぎ始める蒼い光線。中空で金色の風を纏って、低空の海へ今、
音もなく落ち続ける。完全に凍りついた街で、見渡すことの出来る全ての白が、燃え上がっ
て、高みから、月の波の光が ....
宣井龍人さんのおすすめリスト(2611)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
穴のあいていない人間はいません- 北大路京 ...自由詩913-12-11
点子が、行く。- るるりら自由詩17*13-12-11
笑い声に聞こえるように泣いた- 北大路京 ...自由詩813-12-10
_- 平井容子自由詩813-12-10
彼女の土産- 藤鈴呼自由詩4*13-12-10
叶わないから- 吉岡ペペ ...自由詩513-12-9
人間につけられた名前を知らない- 北大路京 ...自由詩513-12-9
トゥシューズ- ichirou自由詩5*13-12-9
グラタンと呼ばれて- ブルース ...自由詩5*13-12-9
くだらなく、やさしいこと- うめバア自由詩2513-12-9
秋のすみれの走馬灯- もっぷ自由詩813-12-8
古い人- 葉leaf自由詩613-12-6
おおきなコップ- 吉岡ペペ ...自由詩513-12-6
百年の鳥- はるな自由詩1113-12-6
ルーティーン- 軽谷佑子自由詩1113-12-3
ブックエンド〜オールドフレンズ- 梅昆布茶自由詩29*13-12-2
車窓から見える赤い風船は、まるで祝福のしるしみたいに- sample自由詩4*13-12-2
「あなたが捨てた子ども」- 宇野康平自由詩113-12-2
光を愛する闇がある- 北大路京 ...自由詩813-12-2
だいたい_それくらい- 芦沢 恵自由詩23*13-12-1
距離感いろいろ_5篇- クナリ自由詩6*13-12-1
雨の日- まんぼう ...自由詩313-11-29
荒地_(序白)- アラガイ ...自由詩10*13-11-28
twitter- 葉leaf自由詩313-11-28
既婚者のシャツにつける口紅スタンプを自作- 北大路京 ...自由詩513-11-28
後悔ばかりの走馬灯が見える- 北大路京 ...自由詩613-11-28
季節- 梅昆布茶自由詩1513-11-27
ゆびきりげんまん- 中山 マ ...自由詩213-11-27
あんがいね- 鵜飼千代 ...自由詩15*13-11-25
露光線- hatena自由詩113-11-25

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