ちいさな錯覚



のぞんだものはちいさな錯覚
祝福も花束も要らないちいさな錯覚
それだけで良かったのに


ありふれた水も飲み干せてしまうような
不安定な曇りの昼下がり
虚無の ....
触れると痛い花を抱く 童歌は遠く
匕枯れた母親に灯る
アカイ放射線の染み
緩い地盤の亀裂は埋まらず
極北から吹く風に骨も耐えきれず
見守るのは行き場のない木馬
土壁がぬくもりを吐き出せば
季節を待て ....
あの子は文学少女のなりそこない
文学の恋に落ちずに流行追いかけ
ピンクのスカートひらりはいて
スイーツ食べに行っちゃうの
さびしいさびしい本が泣いてる

ゲーテにダンテ、ポーも知らない
 ....
雪が降った!

私の住む町で
こんなに雪が降り積もるのは
何年振りだろう

熱いコーヒーを淹れて
窓辺に立って外を眺める
まるで紙吹雪みたいに
ひらひらと空から落ちてくる

ひら ....
孤独だと 気付く瞬間
場所にも 寄るけれど

大勢で 楽しく 
輪と和と話に 花を咲かせる瞬間以上に
哀しいモノは ない

其れでも
貴方は 孤独では ない と
肩を抱い ....
ベランダの茎に雪が積もって
どこか雪花のようだった

西日の中でも負けずに元気だった
まだ咲いてほしくて片づけなかった

小さな花


種を落として、鳥
鉢のすみで咲いて


 ....
僕は生まれ変わったらディドになりたい
というとディドはベッドの枕元に座ったまま
そのままぴくりともしないで笑うようにした。困った笑いだ。



ディドは半ズボンをはいている。そ ....
明けない夜にピザが届いた 昨日の風に名前をつけた 寒い

たった今

布団乾燥機のプラグを握りしめたまま
目が覚めた

酩酊して
コンセントを探していて
力尽きた

おい
俺よ
この六畳の部屋で
遭難死するところだったじゃ ....
  女は戯画のなかのインディアンみたいな出で立ちをして
  紙紐を使って ベッドに男の四肢を括り付けていた
  人工の冷めた光は磨りガラスの窓を白く染め
  取れかけた口紅を不気味に照ら ....
朝の心地良い風が優しく吹き込んでくる窓辺にほんの少し黄ばんだキャンバスを置く。
そこに描かれた幾重にも塗りたくられた意識の高揚をじっと見つめる。
その高揚の中には、自信と自惚れ、嫉妬と蔑み、夢 ....
寒い季節に
ちゃんと寒いと少し
安心する

うまく笑えない私だけど
咲いている花をみて
少し安心する

道路工事のおじさん
地面をほっている
がりがりとどかどかと
そのうえに
 ....
中3の時建国記念日に授業があった
社会科の先生が生徒を集めて行った
その中に僕もいた
授業は教科書を使わなかった
「神話は歴史じゃない」
と 先生は言った
突然
教頭が怒って教室に入って ....
自分の骨を見た詩人がいた

群れると空気が支配する
集団の最大公約数は愚劣である
集団の最小公倍数はサロンである

詐術をかけて誑かすのは容易
いともたやすく右に倣い左に靡く
風にうね ....
丸1年間
給料なしで必死に働く有限会社の社長がいる
貯金を切り崩し 社員とその家族を守るために

「あと1年は石にかじり付いてもやる」
「真面目だけが私の取り得だ」

社員も彼を信じて必 ....
スノボで手すりみたいなとこ滑ったり
(雪いらねえじゃねえか!)
巨大マトリョーシカの上飛んでったり
シュール過ぎて笑うけどさ
訳の分かんない競技見てると
風雲たけし城かと思うぜ
月夜に鳴らないオルゴール 氷の張った湖を
スケートで滑り
ここはと言う所で止まったら
ドリルで氷に穴を開けて
ワカサギを釣って
またスケートで帰って来る
釣ったワカサギの数と
行って帰って来るまでのタイムで
勝 ....
うちには時計が大小20以上はある

掛け時計 置時計 目覚まし時計
腕時計 携帯電話の時計 PCの時計
給湯器の時計 ファックスの時計 
炊飯器にも時計が付いてる

時計が多過ぎてうんざ ....
お母さんって
優しくて、ふんわりしてて
なんだか甘い匂いがする

うちのお母さんは
いつもくたびれてて
髪のセットもしないまま
仕事に出ては
アルミの粉の匂いがしてた
ささくれと、ア ....
午前2時
風にのって同報無線が聞こえてくる

行方不明の方の情報が明かされる

パジャマ姿 86歳のおばあちゃん

念のため外へ出ると
パジャマではとても耐えられない寒さだ

そん ....
夢に疲れて夢で寝る 中学生になって
初めてコーヒーを飲んだ
僕はその3時間後から
コーヒーが大好きになった

コクや酸味の味わいや
鼻から抜ける香りを好きになるのは
それから3年程経ってから


コー ....
こんな日は
決まって風が泣く

弔いはもう済ませたというのに

細い通路に
冬という冬が
我もわれもと押し寄せて
ひゅうう ひゅううと
うなるのだ

夢遊病者のように
あの音を ....
薄紫色の波紋で充ちる夕暮れ
うつむく甘い風の香り
きらり 遠くに灯り始める 光の粒
あめ玉のように 宝石のように
水の音は縒(よ)り合わされて舞い立ち
鳥は世界をひるがえす

今 胸から ....
血を吐いて小さき手 雪はライトに照らされて

数千万の点の直線になる

雨よりストップモーションで

風より自由はないようで

そんな光景を外に置きながら

ひとり畳のうえでうたた寝をする


 ....
疫病神が青ざめている
宣井龍人さんのおすすめリスト(2611)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「ちいさな錯覚」- 泉由良自由詩514-2-15
触れると痛い花を抱く- 北大路京 ...自由詩314-2-14
母子哀唄- アラガイ ...自由詩3*14-2-14
文学少女崇拝- 雨伽シオ ...自由詩214-2-14
【_雪が降った!_】- 泡沫恋歌自由詩21+*14-2-14
一人ぼっち- 藤鈴呼自由詩1*14-2-14
次の四季- mizunomadoka自由詩514-2-14
ディドのはなし- フユナ自由詩6*14-2-14
明けない夜にピザが届いた- 北大路京 ...自由詩314-2-13
昨日の風に名前をつけた- 北大路京 ...自由詩414-2-13
コンセント- ichirou自由詩10*14-2-13
女たち- 草野春心自由詩314-2-11
朝のキャンバス- ヒヤシン ...自由詩9*14-2-11
寒の花- 朧月自由詩614-2-11
今日はうれしい出勤日です- ichirou自由詩8*14-2-11
スミレ- 藤原絵理 ...自由詩7*14-2-11
誠実でなければ守ることの意味がわからない- ichirou自由詩8*14-2-10
風雲たけし城- 花形新次自由詩1*14-2-10
月夜に鳴らないオルゴール- 北大路京 ...自由詩314-2-10
オリンピック新種目- 花形新次自由詩2*14-2-10
【_時計_】- 泡沫恋歌自由詩16*14-2-10
母さんのうた- 岸かの子自由詩5*14-2-10
さまよえる黄昏- ichirou自由詩11*14-2-9
夢に疲れて夢で寝る- 北大路京 ...自由詩714-2-9
3時間後のドリップ- ichirou自由詩4+*14-2-9
もがりぶえ- そらの珊 ...自由詩20*14-2-9
花と風- aida自由詩4*14-2-8
血を吐いて小さき手- 北大路京 ...自由詩114-2-8
雪の光景- 吉岡ペペ ...自由詩814-2-8
疫病神が青ざめている- 北大路京 ...自由詩514-2-7

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