何かに咬まれた指を握り
真昼を渡り海岸に着く
砂浜には紙を追う鳥
波と共に現われ消える


海沿いの径に車は無く
皆ひとりひとり歩いている
砂の丘がつづいては途切れ ....
ナニ、か、腐った臭いが立ち込める部屋で、老女が横たわっている。毎日堆く詰まれていくソレらに、埋もれて隠れたモノ。老女が自分の背中のジョクソウと、タオルケットとの間に挟み込んだモノ、が生きたまま腐ってゆ .... 長い雨のレースを開けて
六月の陽射しが顏を出す
反射して散らばる子供たち
ビー玉みたいに素早く駆けて

ひとり離れて
シロツメクサを編む
首の細い少年

意識されることもなく
満ち ....
遺蹟

奈良の友人の結婚式に列席したついでに
飛鳥の遺跡を畏友のK士と巡る

石舞台
酒船石
猿石
高松塚古墳

でも駅前で立ち寄ったうどん屋の
出汁がしっかりきいて品よくかるく ....
だれかが
冷たいという
雨にぬれている

だれかが
優しいという
雨にぬれている

わたしは
ひとりでぬれている

まわりには
傘をもたないいきものたちが
なにも言わずにぬれ ....
 絶望のたゆたう夜空に黄緑色の言の葉は寄り添い、
 音楽を友として今まさに昇天しようとする魂よ。
 君のその美しい羽はなんであるか。
 此岸より望む大河の流れに身を任せるのか。

 ああ ....
絵画的恋愛物語

偶然の出会い 

必然の別れが訪れるページに挟んだ 栞

必然の待ち合わせ 15時33分

道路に架かる白い梯子の向こうで

手を振る しおり が立っている

 ....
美術展巡りが趣味だから招待状は珍しくないが、無の絵画展とはからかわれたものだ、初めて訪れた会場は歴史的格式もある重厚なホールだった

高い壁面は淡く白く、波打つことを拒絶しながら横にどこまでも続い ....
労働者は金属でできている
炎のような金属でできている
青くまっすぐに静かに燃えている
いつまでも消えない炎の金属だ

労働者は工場で製品を作る
すると一つ一つの製品が
そのま ....
兄が建てつけの悪い窓を開けると
光がよいしょ、と部屋に入ってくる
光は物珍しげに
部屋の中を見渡して言う
「ずいぶんおかしな所に住んでるね
 一日中しめきって
 じめじめしてるし、かびくさ ....
     こんなひは
     ひんやりとした床で
     寝たふりをするより
     とったばかりのいんげんと
     てんぷら油の格闘に
     歓声をあげてみたり
  ....
 
 
バスに乗って目を瞑ると
私の中を通過していく
一台のバスがある
開いた窓から
誰かが手を振っている

懐かしい気がして
手を振りかえすと
バスは小さな魚になり
泳いで行っ ....
こんなの詩じゃないと
お叱りを受けそうですが
まあ、いいだろう
と、寛大な心の方はご覧ください

     *

小さい頃のわたしは
引っ込み思案で 恥ずかしがり屋
自分から友だちを ....
(一)

ようやく嵐が過ぎ去って、僕たちは家に帰ることができた。テレビではクマの出産のドキュメンタリー番組がやっている。「狂ってるわ」と君が唇を尖らせて、「狂ってなんかいないさ」と僕が唇を口内に押 ....
朝陽から刈り取って食卓に供えられた獅子の首
金色は瞬く間にとけて白い皿に蒼く翳りを残す

あるいは初めから造られなかったニケの頭部
永遠に像を持たない神聖 あらゆる問であり答え

あなたは ....
おおくをすった、ときいて、でんわしたら、なぐるぞとたたかれた、やけやまにすくうかいちょうのように、くべられたあなたのおおくは、すべからくあなたを、いっせいにけりあげて、はなもくさもきも、いずれ ....  清らかな小川の流れに言葉は産まれ消えてゆく。
 願いは祈りになりあの山の向こうへ放たれる。
 初夏の訪れと共にやってくる想像を
 使い古した手帳に書き留める。

 白樺の林の中で虫たち ....
虫は岩場にとまって夢を見ていた
夢の中では全く別のいきものだった
そのいきものは
仕事をし
妻をめとり
子どもをもうけ
家を建て
また恋をして
時には浮かれ
時にはもだえ
ケータイ ....
レゴ製のバベルの塔が崩される父の上司の娘によって 「世界中が雨だね」って
きみが言うから
手相占いみたいに
てのひらを差し出して
白いサンダルを気にして
ひとつの傘でふたりで濡れながら
「世界中が雨だね」って
きみが言うから

 ....
生あるかぎりです
だれしも遮れない旅をしているとおもうのです
たぶん滅びるのもちかいのかもしれません

ちょっとなにかを選択するのもめんどうくさいのですが
いつも可能性と不可能のコードの端を ....
パソコンに向って
キーボードを打っていたら
ブ~~~ン
という音が聴こえてきた
蚊か?
気づいた時にはもう遅い
手と足と三ヶ所 刺された後だった
痒い 痒いと掻きむしりながら
蚊の気配 ....
お互いの幸せ願う短冊が寄り添うように七夕の夜 体だけではない
体をめぐる血液も
体を覆う衣服も
方向から自由になったのだ
方向でないもの
例えば香りや手触りのようなもの
途端に私は対象になり
香りを発し誰かに触れられるも ....
隣の病棟から切手のない
自分宛ての手紙が
一通だけ病室の枕元に
精神科医から届いている
ふくらんだ封筒には
誰が入れたのか
さくらんぼが
ひと房入れてあって
何とか父を救いたいと云う手 ....
 四季の巡り会わせに机上の万年筆は時を刻む。
 古びたノートから溢れてくる言葉達は
 オルゴールの音色と共に空間に放たれる。
 胸躍らせた他人の言葉に思い出が宿る。

 雨に濡れた紫陽花 ....
 活火山の麓の村より我が半身 便りを寄越す。
 初夏の訪れより早く来るが良いですよ。
 ヴァイオリンのたなびく村はここです。
 フレームに収まらない風景はここです。

 屋根裏でチェロを ....
もう止まないかもしれない
そんな雨が降りつづいている
街も道路も車も人も
みんな水浸しになっている
ほんとに誰かが
大きなバケツの水をぶちまけたのだろうか
梅雨の終わりの最後には
雨の神 ....
朝になったら帰るよ
おでんの湯気がかかった空に
箒にまたがる少女がふらついている
ガムのキシリトールが
吐息が白くなる原因じゃない窓際で
ネズミに小さな毛布をかけて
花の香りの在り処を訊け ....
ごめんね 誰よりも幸せになりたいの

午後の終わりにキスした
あいつの
可愛いあの子

白いシャツから透ける小さな胸に
唯一の純粋は響かない




ピアノ

君の傷みをわ ....
宣井龍人さんのおすすめリスト(2607)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
青と音- 木立 悟自由詩315-7-19
けむる、浄化- 為平 澪自由詩615-7-18
六月回廊- ただのみ ...自由詩24*15-7-18
遺あるいは- 梅昆布茶自由詩1415-7-18
水のなか- 朧月自由詩415-7-18
夜会- ヒヤシン ...自由詩11*15-7-18
栞(しおり)- 佐白光自由詩1*15-7-18
無の絵画展- 乾 加津 ...自由詩6*15-7-17
労働者- 葉leaf自由詩215-7-17
変奏曲- やまうち ...自由詩915-7-16
こんなひやあんなひに- 石田とわ自由詩19*15-7-15
見舞い- たもつ自由詩2015-7-15
【_私の友だち履歴_】- 泡沫恋歌自由詩17*15-7-15
三つの部屋- 竹森自由詩315-7-15
わたしが詩の中で掻き抱くあなたは- ただのみ ...自由詩17*15-7-11
_- ズー自由詩2*15-7-11
蛍の光- ヒヤシン ...自由詩14*15-7-11
夢虫- やまうち ...自由詩115-7-10
レゴ製のバベルの塔が崩される父の上司の娘によって- 北大路京 ...短歌415-7-10
せかいじゅうガアメ- Rin K自由詩14*15-7-8
生あるかぎり- 梅昆布茶自由詩2015-7-8
【_蚊を殺す_】- 泡沫恋歌自由詩16+*15-7-8
お互いの幸せ願う短冊が寄り添うように七夕の夜- 北大路京 ...短歌5+15-7-8
休養- 葉leaf自由詩415-7-6
さくらんぼ泥棒- りゅうの ...自由詩5*15-7-5
記憶- ヒヤシン ...自由詩6*15-7-5
追分より- ヒヤシン ...自由詩5*15-7-5
雨が降りつづいている- yo-yo自由詩7*15-7-4
Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:- 竹森自由詩215-7-4
ラドファ- いるみ自由詩315-7-4

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