花瓶から
あふれた水の
殆どは書き記されて

干上がった
窓辺に立てられた
イーゼル

幼児に
水で手を
洗われるような

3月に画布を
はる
 書きたかった
ずっときみのことが

心臓が血液を押し上げるように
月が魚を狂わせるように

まるで澄まし顔の
 未開の詩よ
ことばの装いと枷とはわたしのもの

やがて旅人でしかい ....
青白い空に浮かぶ月は
境界線を見つけられないまま佇んで
何処ともなく
向き合わずに消えて行く
酷くひっそりと
動き始めた世田谷
バナルじゃな ....
世界がクリオネのようで透明、
からだは氷のままずっと目覚めない
パプリカの色をした肌に魅了され、気づけば機械になっていた

(くすくす)
わたしを笑う声


トマトをつぶす音のように
 ....
重ね合わせた掌に のせる想いは煙り
ろうそくと線香の火に 日常が遮断される

目を閉じ 心の奥に目を落とすと
闇の中にかすかに
小さな子が 手を合わせている
幾人いるかは 暗くてみえない
 ....
死は
手のひらから
始まっている

広げて見る
手のひらは
侵されつつある

ただ
ひたすら
手のひらを見る




苦を
手のひらで
かみしめる

握るもの ....
まるでぱっとしない南のそらの彫刻室座
でもそれは深宇宙への小窓でもあるらしい

かつてない鮮明さの神の領域が
彫刻家の仄暗い室内に展開されてゆく

ひかりと闇の融合が
可視光の色調の変化 ....
一晩中、激しい雨が降った。
雨は真っ暗な夜に
孤独な白い家の屋根をたたき続けた。
妹のミリアムは雨の子、言葉を失った子。
なにがそんなに悲しいのと聞いても
なにも答えない
理由がわからず泣 ....
熱射を吐き出してしまった夏は
老いて死んでいく
鎮魂歌を捧げられながら

あれは一時のめまい

傾斜する意識が
さらに勢いを増して
海の底に沈もうとしている

戦場に散った無名戦士 ....
「草遊びのうた」
           木の若芽

<とうもろこし>

青年たちは青空を支える兵士に志願して並んでいる
インディアンの若き新兵たち
熱気をおびて らんらんと
うぉー う ....
あなたの発見を

ぼくは言葉にできる


そうやってふたりは積み重ねてきたんだ

ぼくに言葉にしてもらえなかった発見は

これからふたりで暮らす何十年のうちに

一つ一つかならず ....
田舎はかびくさい
亡くなった人のバイクが道筋に置かれたまま
それになにも言わずに暮らし続ける
庭の木は森のよう

思い出の中にもどされ
教室の落書きみたいに
なぞられる
そんな存在にな ....
何度目かの冬に
シリウスが描かれた
星たちはどれも
夜空の冷たい汗
三日月に触れる風光が
黄金色の鞘を象って
空をまっすぐに横切っている
羊たちのレム睡眠は
雨露といっしょに
裾野で ....
熱を帯びたむず痒さが
背中の真ん中あたりから
尾骨に向かって這い降りていく

机の上の観葉植物の彼方に
白い砂浜が見えたことにして
遠い目をしてやり過ごす

生まれた時から猫背の内 ....
僕達は小さな距離のなかでひしめき合っていて
森の木のみえない生き物なのだ

下ばえのひんやりとした塊の世界で緩慢に
じぶんにつまずいてゆく愚か者なのだ

僕たちの祖先は宇宙の果てから流れ着 ....
おばあちゃんが言った
ふりかえっちゃいけないよ

茄子の牛に乗って空へ帰る人たちを
見てはいけないと言った

だってさみしくなるだろう
送る方も
送られる方も、さ

藁を燃やして送 ....
生きるってめんどうくさいことだらけだし
案外つまらないですね。

スピーカーから。

メイコさんは、カップを、割れた手で。

お母さん、とても若いですね。
信号機は、黄色だと、とてもき ....
ときおり四つんばいになってみる
なにか思い出すかしらんと

きしきしからだが鳴く
ないはずのしっぽがふるえる

あたしってちっぽけだにゃん
まわりがとても大きく見えて

痛んでくる腕 ....
 君に愛されるためには
 不幸でなければならない

 孤独とは売り物であり
 知恵である
 君の目に留まるよう
 わたしはわたしの孤独を売る

 君の視線を盗もうと
 ああ 今日 ....
ぼくはただもう
汗をかいて生きよう
排ガスさえ流れてこないよ
よどんで静止する空気のなか
一瞬!の風を
ヨットの帆のよう
全しんをぱんと張って受けている
止まっては溶けつつ
ひたす ....
孤独じゃないと感じてる

孤独じゃないと案じてる

二人でぐっすり眠りたい

月あかりだけ浴びながら

青いツラの皮うかんでる


きのうの戦争銀メダル

世界で何位なら満足 ....
現実が見えない速度で流れゆく
見えずとも流れゆくのは
時間と河の佇まい
喉を切り裂く
その 刹那
声にならない
悲鳴と絶望の渦の中に
また 流されてゆく

小さな小さな ただ
 ....
女王のおうちの前をかつての奴隷達が疾走していく そういえば二十数年も前のことだったかなぁ

三輪車に夢中だった孫の
   遊び相手をしながら
公園の勾配がある芝生の上に腰をおろし
それは それは 楽しいひととき と
   ためらはずにお ....
色々な事を空しいと感じながら
僕たちは死んで行くだろう
あれほど楽しかった思い出も
あれほど悲しかった思い出も みんな
自分の見につかなかった 誰か
他人の経験のように感じながら
みんなが ....
そしてこうしている間にも
つづられる一日のわずかを呼吸して

たとえば
「なのでした」という過去や
「なのです」といういまや
「なのでしょう」という未来に
静かに耳を傾けて

どうし ....
                    120801

根抵当権を掘り出しては日に曝し乾かして燃料とするのだとよく分からないことをおっしゃるあなたはのの字を掌に書き飲むふりをする
同じことをしま ....
心臓も歌う
幾筋もの光のもとの
Tシャツを洗う
胸に剥いた
雨の運ぶ
誰のでもない額は
手のひらにすべる
きみは歌う
仙人掌になりたい
心臓も歌う
でも今日ではない
や ....
どんな窓にこんな猫がいるのだろう
忘れもしない通った白い家の窓辺で
まどろむ幸せが充ち満ちて
目を覚まさないようにと
やさしく襟元に、毛布を寄せてくれる手は
だれのものなのだろう

いつ ....
 あのお船は

 あんなところに

 ぼーっとして

 いったいなにを考えているのかしら

 休むなんて(ずるい!)

 見ていなさい

 今に 海から落っこちるんだから
 ....
宣井龍人さんのおすすめリスト(2595)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
3月- sample自由詩5*12-9-2
未開の詩よ- ただのみ ...自由詩23*12-9-2
ぼくたちはきっとうそつきなカナリア- 中山 マ ...自由詩312-8-27
水中の血液- usoni自由詩112-8-26
うたかた- 砂木自由詩17*12-8-26
- シホ.N自由詩4*12-8-22
彫刻室座のよる- 梅昆布茶自由詩1412-8-21
雨上がりに- 灘 修二自由詩3*12-8-21
不可逆- 乱太郎自由詩25*12-8-21
草遊び- 木の若芽自由詩212-8-14
あなたの発見- 吉岡ペペ ...自由詩912-8-14
帰省中- 朧月自由詩712-8-13
シリウス- 風呂奴自由詩212-8-12
背の虫- nonya自由詩19*12-8-12
距離- 梅昆布茶自由詩912-8-10
盆送り- そらの珊 ...自由詩2312-8-10
ストーリィ- 由比良 ...自由詩3*12-8-10
どうぶつになる- 朧月自由詩412-8-10
パーフェクト・セラー- 霙小町自由詩212-8-8
汗をかいて生きよう- シホ.N自由詩312-8-7
ねむれない夜- 吉岡ペペ ...自由詩1112-8-7
渦の中にて- 岸かの子自由詩3*12-8-6
ゴールはバッキンガム宮殿- そらの珊 ...短歌312-8-6
クィック・ライフ- 信天翁自由詩412-8-3
霊魂の愚痴- yamadahifumi自由詩212-8-2
「日はまたつづられる」- ベンジャ ...自由詩312-8-1
- あおば自由詩7*12-8-1
ななな- ズー自由詩6*12-7-31
花嫁- 灘 修二自由詩7*12-7-30
停泊中- 水玉自由詩112-7-27

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