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背中に残る仄かな体温
お祖母ちゃんが私たちと共にいた証

微かに唇が動き息もしているように思えて
思わず左耳を口に近付けるけれど
「もう息はしてないよ」
職員のひとことで錯覚だと気付く
 ....
今日が終わってしまう
楽しかった今日は終わり、明日が来てしまう

あの強烈な午後の日差しも
自転車で駆けた土手の道も
青々とした草の匂いも
自転車を漕ぐ度に噴き出す汗も
食べ物屋の店内で ....
使い古しの言葉に安心を感じて
寄り掛かるように安定を求める

いつになったら腐りかけの胎内から破り出でて
産声を挙げるの
新しい言葉

誰も聞いたことも見たこともない
初めて触れてハッ ....
治療したはずの前歯が欠けてしまった
すぐに治療して欲しいと歯医者に電話で頼んだら
のらりくらりとはぐらかされて
繰り返し予約日時を予告されるだけ
壊れた機械のように

仕方なく直接出向いて ....
風船は大きく膨らんでいた
それはまるで心臓から送り込まれる赤い血漿のよう
どくどくと脈打つ命

風船はいつの間にか萎んでいた
まるで全てを諦めたようなひしゃげた姿になって佇んでいた
石の飛 ....
ずらっと並んだ白い大根
土で茶色く汚れた太い脚を晒し
眩しいほど鮮やかな翠の髪を銀色の網目に垂らす
井戸からひかれた冷たい井戸水被っても
気持ちよさそうに水滴浮かばせ
脚を組み自信ありげにそ ....
薄茶色掛かった白い石壁
四角い窓から見える草原
陽射しを浴びて耀く蒼が風にたなびきながら私を誘う

それは幽閉された身に哀切と郷愁を贈る詩
この壁の向こう 
この建物を出て外の空気を吸えば ....
喫茶フィガロで食べたチキンカレー
オレンジ色の洪水が
厚めに切った玉葱とチキンとともに口の中でぶつかり合う
喉の奥で絡まる暑さと辛さ
まるで口腔全体が待ち受けたように全ての旨みを受け止める
 ....
ぼんやりと雨で白灰色にくすんだ空を見上げ
彼はただ自分の不遇を嘆いていた
心地よい雨音
窓に映る何も変わることのない陰鬱な樹影
まるで干からびて細い指を広げて絡め取ってしまいそうな

自分 ....
ある少女が広場で粗末な麻の衣服すら全て脱がされ
諸肌出した状態で鞭打ちの刑に処されていた
どこかで小耳に挟んだメロディに
彼女なりの詞を乗せて口ずさんでいたのが災いとなった
彼女の歌声を聞きつ ....
胸の奥
ざわめく風に煽られて
過ぎるのはただ
彼の面影
激しく葉先を揺らし首を振る若葉
陽射しで白く光る緑と黄緑のコントラスト
まるでお互い語り合い討論しあっているようだ

穏やかな何もない
時だけが過ぎてゆく空間に放り込まれた我が身と我が魂
 ....
まーつんさんの栗栖真理亜さんおすすめリスト(12)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
温もり- 栗栖真理 ...自由詩225-5-28
臆病者のブルース- 栗栖真理 ...自由詩4*25-5-28
コトバ- 栗栖真理 ...自由詩8*25-5-17
カスタマーハラスメント- 栗栖真理 ...自由詩5*25-5-16
風船- 栗栖真理 ...自由詩325-5-12
育てる- 栗栖真理 ...自由詩5*25-5-11
異邦の蒼い夢- 栗栖真理 ...自由詩525-5-11
チキンカレー- 栗栖真理 ...自由詩8*25-5-10
- 栗栖真理 ...自由詩325-5-10
むち- 栗栖真理 ...自由詩3*25-5-10
君恋いし歌- 栗栖真理 ...短歌225-5-6
何もない日曜日- 栗栖真理 ...自由詩3+*25-1-12

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