きょう、おまえは二十歳になる
もし、生きていてくれたら…

特別の思し召しで
神様がいまのおまえを1日だけ
天国から地上に降ろし
会うことができたら
父はおまえと何をしよう?

まず ....
電車に乗ると自宅の電気が消えた
おかしいなと思い電車を降りて電気をつける
大丈夫そうなので再び電車に乗る
今度は台所の水が止まらなくなってしまい
電車を降りる
蛇口を逆にひねると水は止まり改 ....
かれん。もくせいのはながさいたの。
かれん。ちいさなゆきのかけらだわ。

かれん。せっぺんのようにちらして。
かれん。ひくいしろいひざしのなか、

かれん。かたちとかげがとけたんだ。
か ....
夜が胸に叩きつけられていく


まだくすぶっていたものが
無数の靴音にまぎれて
いつか悲鳴を上げそうな
古い洗濯機に放り込まれる

長い長い妥協の列に並んで
気が遠くなりそう ....
海の部品が落ちていた
大事な部品を落として
海は今頃
どこで凪いでいるのだろう
行方を捜すにしても
持っている地図は改訂前のものだし
海に関係する友達も
親戚ももういない
海を作っ ....
大きな雨が一滴、地球へ落とされた。
ピペットでポタッと、宇宙の理科室から。
冷房消したら亡霊も消えた。
夏が終わると部屋が広く感じる。
冷蔵庫にお土産のマグネット、大群。
小さな磁力で日本各地から集まってきた。
近所に世界の果てが出来た
白いベンチがひとつあった
僕らはベンチに腰かけて
パストラミのサンドイッチを食べながら
突き当りで折り返して行く飛行機を眺めた
世界の果ての地面にも小さな虫はい ....
一日の終わり、日めくりカレンダーをビリッと。
その紙を正方形に整えて、今日は今日の鶴を折る。
郵便受けの側に男が立っていた
誰なのか聞くと
まぼろしです、と言う

最近のまぼろしは良く出来たもんだ
そう感心しながら
差し出された朝刊の尋ね人欄を見る

今日も僕は
行方知れずら ....
澄みきった青空のブルーシート。
傷ついた人々を雨ざらしから守って下さい。
人の息と
息の間で
僕は
息をした

僕の息と
人の息の間で
君は息をした

僕の息と
君の息の間に
朝はあった
毎朝
朝があった

生きていれば良いこともあるさ ....
かゆい、とは

戦うものだ

逃げられやしない

だってかゆい、は

自分だもの
高齢者の運転は危険だよって
母から車のキーを取り上げた
買い物に行けなくなっても
母は文句ひとつ言わない
ただ
バッテリーが弱るから
エンジンだけはかけてやってと
小さな声で頼まれた
 ....
互いから目を反らすため見るテレビテープを貼った風船に針

見開いて水に倒れた金魚の目土葬にした日の絵日記帳

酒が止み雨に酔ったら{ルビ螻蛄=ケラ}の声死ぬまで愚直に夢を掘り

四十万にも ....
ぼくのてのひらには何ものこってはいない
かどわかした王女を高い塔の小部屋に幽閉している以外は

王女の手のひらには小ちゃな貝殻と等分の人生の重み

新宿2丁目で飲み潰れている僕はいつか夢の中 ....
うええーん、えん、えん、えん

男の子が一生懸命に、泣く
ぜんしんぜんれいで、泣く

いつのまにかおじさんになった僕が
ぜんしんで泣いたのは
もう何十年前のことだろう

うええーん、 ....
旅先で飲み過ぎて
あぶないので三十分以上
間を
空けて、酔い覚めのからだで
いそいそと…露天風呂へ

(水を飲んだり、最善を尽くしたのだ)

閉館近い露天風呂は
すっかり掃けて
人 ....
この夏に北アメリカから来たバックパッカーの女と友人が意気投合して数日を共に過ごした。
駅前の英会話教室に通う友人にとっては願ったりの相手だ。

三人でしこたま酒を呑み、そのまま友人宅で寝た日の朝 ....
 
 
? × ラ 々 Z

I D ラ 木 流

多 川 リ △ ∩ ⊃ 也

2 夏 3 圖

木 乃 伊

亞 儒

2 ヶ







1  ....
一旦、ザルにあげておきなよ。
生活に疲れたなら、旅に出たっていいよ。
宇宙が生まれてからあっという間の
この夏
待っていた風がようやく
畳を撫でた

りーん
ちりーん

光の速さでピントを合わせる
この夏
皺だらけになった母の喉元が
麦 ....
何匹や尽きるまで鳴く蝉の声

得意気にスタッカートでカラス鳴く

渓谷や湧水足りず鴨歩く

やさしさは沁みる消毒液の中

おひたしやほうれんそうの思うつぼ

帰り道たまやとぽつり遠 ....
楮で言葉の敷布を漉く
ゴマを焼いて墨を頂き
獣の命を筆にする
雨畑の水は鏡のよう
自然の魂と動物の魂
落款だけは私の血を捧げる
宇宙に置かれた墓標には
時間の誕生日と感謝の文字
 ....
前の住人が忘れてった風鈴。
干し竿で晩夏が首を吊ってるよ。
利用者がうんちを漏らした
トイレに誘導して、ズボンをおろすと
お尻にもデイパンツにもみっちりうんちが付着している

デイパンツを千切って丸めてゴミ袋へ
ズボンを脱がせて新しい着替えを履かせる ....
猫は猫背のくせに凛としている。
昨日の恋を悔いたりせずに。
あれかやし季語のない身をふるわせて
いくつも嘘をみのがしました
おにヤンマを捕まえて
その片方の足に糸をくくりつけて
飛ばした

それは
ほんの遊び心だった
子供の頃の

無邪気だったから
その残酷さに
何も気づかなかった

そうこうしてい ....
AB(なかほど)さんのおすすめリスト(2344)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
きょう二十歳になるおまえと- 日比津  ...自由詩519-10-17
帰宅電車- たもつ自由詩419-10-16
etude- おぼろん自由詩9*19-10-16
リンゴと残響- カマキリ自由詩619-10-15
鼓動- たもつ自由詩1019-10-14
大雨- クーヘン自由詩7*19-10-13
亡霊- クーヘン自由詩7*19-10-9
マグネット- クーヘン自由詩5*19-10-8
世界の果て- たもつ自由詩519-10-6
- クーヘン自由詩8*19-9-22
まぼろし- たもつ自由詩719-9-22
青空- クーヘン自由詩7*19-9-21
毎朝- たもつ自由詩14+19-9-13
かゆい- 木葉 揺自由詩219-9-9
錆行く声- ガト自由詩11*19-9-4
まねごと――悲哀のもどかしさ- ただのみ ...短歌4*19-8-31
新宿2丁目のうた- 梅昆布茶自由詩719-8-31
涙のあと- 服部 剛自由詩219-8-29
裸で岩に坐る- 服部 剛自由詩219-8-28
北アメリカから来た女- 末下りょ ...自由詩10*19-8-27
- 墨晶自由詩1*19-8-25
ザル- クーヘン自由詩7*19-8-25
風鈴- 自由詩17*19-8-25
短い夏休み- TwoRivers川柳3*19-8-24
文房四宝- 丘白月自由詩119-8-24
風鈴- クーヘン自由詩3*19-8-23
障害者支援施設に勤めて- 印あかり自由詩11+*19-8-23
- クーヘン自由詩4*19-8-22
あれかやし- はるな短歌119-8-22
美しいものが- こたきひ ...自由詩519-8-21

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