僕は今夜
晩年に娼婦の肖像を描く
マネの孤独の深さを知った

今宵 彼のアトリエを訪れる
ボードレールとマラルメの
美を語らう声が聴こえる

――汝のいる風景の〝今〟を視よ
 ....
尊敬でもなく憧れでもなく

ただ

その人がいてくれてよかったと思う

恐れ多いな

地球の歴史の一時代がチバニアンになったんだって

二回繰り返すとやばいんだって



 ....
あの時計は今はもう札幌あたりに
転がっているだろうか

砂浜のボタンがまだ鳥取の近辺で
埋没しているみたいな世紀末

そういえば《少女》を革命するアニメが
20年以上前に流行ったけれ ....
がらにもなく
人間を信じてしまったのです
うちの猫は来月去勢を控えてる彼はそのことの意味を知らない


きらめいてなおきらめいてきらめいて有限の性を終えてからもなお


猫ならば性は失うものだとはどの教科書にも載ってなくても

 ....
生まれ持った右肩の小さなアザは僕の友達。
ナウシカにとってのテトのような、かけがえなき。
終わりを迎える背中で
始まりを迎える淡い空
まるですれ違いの感覚に陥るが
紛れもなく同じ時空を生きている

時は必ず待ってくれると
そこに甘えて寝床につく
そして起きたその時は、やはり時 ....
川の此方と彼方
静かな川面に浮かぶ船
準備はまだなんだ
もう少しだけ時間を
そう言ってもたついている間に
船は遠のいていく
それはまるであの日の貴方の様だ
振り向かなかった貴方の様だ
花散里

僕の小さな世界史が
源氏物語だったら

次元を超えて愛を語れるものなら
あるいは1970年の山下洋輔だったり
アルバートアイラーだったりするのかもしれない

僕は何に対して ....
脱いだサンダルが戻って来る
さっき蹴飛ばした光のように
潮の道連れをピンクに照らし 
夏の端っこを避けて歩いても
トングが切れて指が挟めずに
サンダルの分かれ道で止まると
初恋みたいな伝票 ....
呼んだかな
呼ばれたのかな
気にしすぎかな
気のせいかもな
いやでも待てよ
本当に呼ばれたとしたら

振り向こうかな
チラ見しようかな
思わせ振りな態度をとろうかな
偶然を装えばい ....
雪のことを知っていますか。「誤解しないでくれ」と言っていた海賊とは無事に地獄で会えましたか。こちらはもうすぐふぶきです。海に降る雪が紙吹雪のようなのと、あなたは言っていましたね。紅白の小林幸子をいつも .... アダムとイヴは
キラキラ光るアキラメを
バケツ一杯ぶちまけた

そうして星ができたんだって


大切な不安を食いつぶして
やっとこさ残ったのは空っぽの心

何もない


今二 ....
 
 
辞書に雨が降り
やがて水溜りができた
海と間違えて
文字たちは泳いで行ってしまう
僕は代わりに
いつか拾った流れ星を挟んでおいた
柔らかいものはみな
今日は朝から倒れている
 ....
黒い布で顔を覆い隠した女が
まるみをおびた重いはらをかばいながら
前から、後ろから早足で通り過ぎる人々に
おびえるような足取りで市場を歩いている
ときおり女の腰のあたりにぶつかっては
”ベバ ....
日本語を間違えている

「純」と付けば

混ざってはいけない

献立に洋食なんだ

ガッツリ洋風が占める



たぶん「店の内装が」

純和風でこだわったんだ

 ....
ズボンの下にスカートの下に
ヒトは何でパンツを穿くんだ
そしてせっかく穿いたパンツを
何で脱ぐんだ

ズボンの下にスカートの下に
あるパーツは
そんなに特別なのか

そこは
凹凸の ....
 
みかんの皮を剥く
皮が出てくる
剥いたはずなのに
と思って皮を剥く
皮が出てくる
ええっと、何だろう
と思って皮をむく
皮が出てくる
落ち着け、今までのは気のせいで皮など剥いてい ....
詩は動いている
迎える向こうの死を前にして

絶えず絶えず動いている

暮れては明ける、
遠い山並みのシルエットのように
 


黙して待つ
それだけのことが
辛い

私はここよと
叫びたくなる

目を閉じて
眠ってしまえば
逃げ場を亡くし
回り続ける

水の中に
ゆだねたのは
存在理由 ....
「環状線に乗っていつまでも回っているのが好きなの」

東京から来た彼女は言った。

それでも大阪環状線は
大阪以外からやってきた人を
大阪の外に吹き飛ばしてしまう。

奈良から来た人を ....
 
 
冷蔵庫の中から動物たちの鳴き声がする
中に動物園が出来たらしい
食材などに用があったのに
動物や檻の合間を縫って
上手に取り出せる自信がない
仕方なく、冷蔵庫の隣で
キリンの口 ....
吹雪の夜明け
見知らぬあなたからの
着信

もう一度踏み出そう
未来が
ホワイトアウトなら
地図も不要の
幸運
正月が終わるころ、
いつとなく思うことがある。

母の島へいってみたい、
そう思う。

オレさえ生まれてこなければ、
兄と両親は、
幾度となく島に、
かえれていただろう…

 ....
 
 
店員さんが運んできたコップの中に
凪いだ海があった
覗き込めば魚が泳いでいるのも見える
こんなにたくさんの海は飲めそうにない
先ほどの店員さんを呼ぼうとしたけれど
彼女なら里に帰 ....
小吉のおみくじに書いてあった「待ち人、来ず」。
来んのやったら僕の方から伺うさかい、待っててや。
僕の経営するさみしがり屋は年中無休だよ。
店先にちょこんと座り、君が来るのを待ってるよ。
佐藤氏の商店は品ぞろえがよい
金で買えるものは何でもそろっている
あらゆる者が買い物にやって来る
大企業の重役から近所の主婦まで
隣国の政治家から小学生まで
ある者はアタッシュケースに札束を ....
あのひとが「いいね」を押してくれたからずっと消せずに、残るつぶやき のんだくれ男とやさぐれ女
とぎすまされた場所にはそぐわない

だれも無関心のふりの都会で
新宿で乗り降りするほどの乗客

手を繋ぎたい天使が裏帳簿に記帳されて
探している煙草は違ったポケ ....
AB(なかほど)さんのおすすめリスト(2382)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
或る女の瞳- 服部 剛自由詩420-1-19
アンタッチャブル- かば自由詩220-1-18
瞳の行方- 秋葉竹自由詩820-1-18
死んだ妖精- 丘白月自由詩320-1-17
屋根の下のギフ- もっぷ短歌320-1-16
テト- クーヘン自由詩2*20-1-16
迎える時- ympy自由詩520-1-15
離れていく貴方の様だ- 卯月とわ ...自由詩520-1-15
花散里- 梅昆布茶自由詩920-1-15
潮騒- ミナト ...自由詩420-1-15
イル- たいら自由詩120-1-15
届けよ、跋文- 万願寺自由詩320-1-15
もう一つの- ◇レキ自由詩2*20-1-15
しおり- たもつ自由詩1120-1-13
石榴2020- wc自由詩320-1-13
純和風の洋食屋- 木葉 揺自由詩320-1-11
くだらない詩だけど- こたきひ ...自由詩420-1-11
みかんの皮を剥く- たもつ自由詩420-1-9
シルエット- ひだかた ...自由詩520-1-9
ハシビロコウの憂鬱- Lucy自由詩7*20-1-7
大阪環状線- にゃんし ...自由詩3+*20-1-7
後悔- たもつ自由詩220-1-6
軟らかい耳に抱かれる夢をみた- Lucy自由詩3*20-1-6
- ナンモナ ...自由詩10*20-1-5
ランチ- たもつ自由詩1420-1-5
待っててや- クーヘン自由詩2*20-1-5
さみしがり屋- クーヘン自由詩12*19-12-29
佐藤商会- やまうち ...自由詩219-12-25
つぶやき- 水宮うみ短歌4*19-12-25
のんだくれ- 梅昆布茶自由詩1319-12-24

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