北インド
ウッタール・プラデッシュ州の
首都ラクナウを
北西から東南に流れる
にごり水。

ゴームティー川は
午後のつよい日差しをうけて
にぶく光る。

水牛の群れが土手の斜面にひ ....
 感情の吐露です
  それは美味いのですか
  脂がのってるのですか
  私は場違いではありませんか
  大将、
  はちまき ずれていますよ
  ずれているのは何だっけ
  そ ....
全ての女の子へ
王子さまは
かえるだったりするのだろうから
玉子さまだったりもする
当然、白馬になんて乗っていないし
スポーツカーなんか持っていないかと思われ
運転免許だって持っている ....
なぜ
目がさめるんだろうって
思ってた
まだ小さなころのこと
ずうっと眠っていられたら
幸せなのに

お金がかかるからよ
カナコさんがわらった
ブランコが行ったり来たりするのは
 ....
透きとおった空が 青く浮かんでいたので
たくさんの洗濯物を干したいと思った
できれば僕が持っているもののほとんどを
洗濯機の中にほおり込みたかったけど

それできれいになるものと
そうでな ....
父も母も老いた
しばらく会ってないきみの両親も
老いたことだろう

時々ふと、水洗いでかさかさになった
きみの手を握りしめたくなる
というのはかっこのつけすぎかもしれない

十年た ....
天井に赤い足跡。
てんてんと増えてゆく。
猫のそれよりもすこし大きい。
足跡をつけてゆく生き物の姿は見えない。

ダブル・ベッドの上のふたりは、
そんなことてんで気づかない。
見逃された ....
おっぱいは
大きさではなく

伝わってくる君の
優しさを感じる場所

それは心の上にある
いまはもうない家の
いまはもうない裏の畑で
空いっぱいに舞っていた
アキアカネ。

物干し竿に 洗濯物に
それをとりこもうとしてる母の髪に
それを見ている私の肩に
アキアカネ。

 ....
カーテンを開けると大雨だった

ひどく気が滅入る日曜日だ

さらに気が滅入ることに

カーテンを開けたのは彼女の方で

私は外で立ち尽くしていた
おそろしげなる{ルビ杣人=そまびと}の
十人かかりて動かせぬ
切り倒されし杉ありき
杉と契りしむすめごが
赤き襷をきりと締め
えいやと綱を引きやれば
やれかなしやと大杉は
するりするりと ....
 旅立ちの鳥は 
 透き通る光は
 風浴びる葉は
 ものいわぬ詩人

 羽ばたきが
 きらめきが
 さざめきが
 彼らの言葉

 不器用な友は
 無口な父は 
 すれ違う人 ....
『長いキス』

君がコーヒーを運んでくる
その姿が近づいてくる時から
すでにキスが始まっている


『キス』

キスするのには理由がある
簡単な理由だ

ふたりがキスしよう ....

荒れ果てた病院の屋上に登り
からっぽの街を見下ろす
一本の蝋燭すら点らぬがらんとした暗闇が広がる
この街は死につつある
病院の各階の二百二十あるベッドは全て閉ざされ
腎臓透析室も実験室 ....
前の日の晩から決まっていたので
目が覚めてすぐ
はなうたを歌った

朝ごはんを食べるときも
はなうたで
納豆ごはんと大根のお味噌汁だ
やってみようとも思わなかったので
今まで知らなかっ ....
桟橋を子供が
ぞろぞろ歩き

海にどんどん
落ちて行く

それは困るので
番をする事にした

子供の向きを次々と
くるくる変えて戻す

飯も食わずに番をしたので
僕は死んだ
 ....
ママ、雪が降ってきたよ
その晩、子供は
雪だるまをつくる夢を見ました

くそっ、雪が降ってきやがった
その晩、八百屋のおじさんは
明日の売上が気になりました

ああ、雪が降ってきた ....
君が投げた
寂しさに透き通ったボールが
あちこち跳ね返って
やっと
僕に届いた

受け取った僕の
縮こまる胸の奥が
痛い痛いと
一人泣く

あの日
遠くを見て笑う僕を見ていた
 ....
照り返しの眩しい白い階段をのぼる
六六段を数える
栗の木の緑がむせる
コンクリートの階段だ。

後ろを振り向くとまだのぼってくる人がいる。

毎朝沢山の伝票を抱え
昔のぼった経理部への ....
君がいつまでも気にして
うつむいているので

木の精だよ
気にするな

なんて言うわけないのだが
君にはそう聴こえたようで

わしは百歳じゃ

と低い声で
木の精の物真似をする ....
インドの魔術師から花束を貰った夜
僕は何故平安時代の日本にいたのだろう
うら若い細身の美女に囲まれて

宴が始っていたようで
僕はひとりの女を抱き締めている
官能が昂まり思わず腕に力をいれ ....
お久しぶりと
声をかけると
愛人は
この愛人はとてもよくできた愛人なので
泣いたり駄々をこねたりせずに
お久しぶりと
笑ってくれる

「連絡取れなくてごめんね。元気だった? ....
蒼いトゥインゴがエンジンを止めた
雨がしとしとと降っていて
少しだけ埃の匂いがする
人通りはあまりなく
時々カラフルな傘が
フランス生まれのトゥインゴを隠した

 ....
長男 22歳 
卒業研究題目「二次元突起列を有する平行平板間の流動性」序論 実験方法 結果 エネルギー 有効利用 機器 小型化高効率 熱交換機 伝熱特性向上 工学上重要 問題 壁面 伝熱促進方 ....
回転寿司屋に入ると
寿司といっしょにジュースの缶が回っていた
しかもプルタブはあいていて
中身が入っていない

すいません、これ何ですか

ええっと、空き缶ですが

何の意味があ ....
シンメトリーな物体は
すべて顔に見える
ということに気がついた

カーテンの柄
絨毯の模様
古ぼけた衣装ダンス
服についてるボタンのひとつひとつ

みんな息をじっと殺して
わたしの ....
ばくばくと奇妙な声で嘆いて八つ足は怯えて。

八つ足が食い散らかした誰かの足。
腕を伸ばして拾い集めるとどこかで呼子が鳴る。
あれが合図なのだとしても、
立ち上がることはできない俺には足がな ....
メルルーサというさかながいるらしい
昨日食卓に並んだ

私はそのさかなをしらなかったので
想像してみることにした

全長三メートル
深海にすみ ぎょろめ
口はとがり
歯がある
縦に ....
冷蔵庫が嫌いな人になる
それが唯一の特徴になる

ぶつ切りのチーズ
ぶつ切りのフィルム
どちらも最後には朽ち果てるので

本当なら何もない部屋がよかった
断面図はシンプルなのが ....
エレベータの中で
一人の羊飼いと出くわした
私はその羊飼いのことは知らないし
羊飼いも私のことを知らない

二人とも
なんでこんな所で出くわしたのかわからずに
どうしたものかと
す ....
AB(なかほど)さんのおすすめリスト(2382)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
四月- 狸亭自由詩203-11-18
寿司屋にて- 嘉村奈緒自由詩6003-11-18
Someone_to_Watch_Over_Me〜全ての女の ...- サダアイ ...自由詩1203-11-18
開いた手- アンテ自由詩403-11-17
洗濯- 小太郎自由詩103-11-16
十年- たもつ自由詩1203-11-16
ダブル・ベッド- 佐々宝砂自由詩203-11-16
おっぱい- ミサイル ...自由詩303-11-16
アキアカネ(百蟲譜1)- 佐々宝砂自由詩603-11-13
大雨- たもつ自由詩2603-11-13
ひきてゆかしむ- 佐々宝砂自由詩403-11-13
A_Poet- マッドビ ...自由詩403-11-13
小詩集「君の指に触れずに君と指きりをした日」- ミサイル ...自由詩403-11-12
死にゆくベイルートの空に光はない- 狸亭自由詩503-11-12
おとといはずっと歌っていた- サダアイ ...未詩・独白603-11-12
よくある風景- ミサイル ...自由詩603-11-12
雪が降った日- たもつ自由詩1003-11-11
loneliness- primrose自由詩603-11-11
階段- 狸亭自由詩503-11-11
木の精- ミサイル ...自由詩1003-11-10
インドの魔術師- 狸亭自由詩403-11-10
窓の外- いとう自由詩1103-11-10
ベゴニアと蒼いトゥインゴ- セキラボ ...自由詩5*03-11-10
平成元年ヤング事情家庭篇- 狸亭自由詩703-11-9
空き缶- たもつ自由詩1003-11-9
シンメトリーの法則- 卯左飛四自由詩4*03-11-7
- 佐々宝砂自由詩1*03-11-7
メルルーサ- 竹節一二 ...未詩・独白403-11-7
前日のソーダ- Monk自由詩403-11-6
エレベーターで- たもつ自由詩603-11-6

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