絹の目に風が通るような
さらさら と暖かい日差しが
空から降って来る度に
少しずつ体が 溶けていくようです
束ねた髪を解いて 窓辺で
流れる光と花の香り
白い手をかざして 空
高く高 ....
君にあてて手紙を書こう
便箋
ティファニーの
スカイブルーな
世界は
そうだね
まだもう少し続くみたいだ
ボクは
ボクの周りの
ごく限られた人たちが
平和でいてくれたらいいと
....
納豆をかき混ぜながらきみは
深夜まで見続けた同じ映像に目が釘付けで
醤油とって、と差し出す手に
マヨネーズを渡したとしても
きっと気づかないことでしょう
ときおり
あっ、とか
....
読むと脳の中に唇がぽくっと出来て、それがびるるぅ。←響くっつーか匂うでもないしバイブレートしだす。そういう字並びがあると飲込む時には言葉じゃなく詩になる
つづく
(私的詩的をこそり指摘するシリ ....
ここ数年でどれくらいが息絶えたんだろう。
誰にも聞こえないように呟いてみる
すごく酷いことした気分になる
瞬く街並をただの風景に見下ろしている
最近はドキュメンタリーばかりチクチクと胸を刺 ....
かえれるほたるもおりますよ
うちあげられて
なみをあびてはあおくうみほたる
みちてくれば
よけいとおくに
ひくときには
ひかれるままに
はこばれたり
もどされたり
....
夢の中で土左衛門を土葬にした。
土葬にしたのは火葬にする費用がないからで
金が有れば火葬にする。
火葬にすれば墓が湿らなくて良いし
燐が燃えたりしないので気持ちが悪いこともない ....
小学一年生の春
友達と下校途中に
桑の実があった
ちょっと とって食べる
紫色が手につく
親に叱られると思い
道路の横を流れてた川で 手を洗う
と ランドセルが首に 落ちて
重みで ....
今日、お家へと帰る
その家路は細く、長く。
夕焼けを映していた水面は
今夏が来て、蓮で埋め尽くされた。
押し寄せてくる感情の中に
違う種類のものがあるなぁと、気付く。
潜っ ....
アジにスルメに練り羊羹
酒か肴か北海道の膝枕
あっというまにお客さん
クリオネびっくり跳ね起きて
宿題ないのか春休み
氷の割れ目に陽が射して
ケサランパサランやってきた
ふるふ ....
久方の親の家にて
車を借りて
まだ新しいそれは気分がいい
エンジンの音
窓の開きかたも
カセットから流れてきた音楽まで
フォーエバーヤング
65を過ぎた父が
免許を取ったのは5年前 ....
もう9月になって
昨日を忘れたような雨が
じとじと降っているとゆうのに
どっこい
コウちゃんちのカブトは生きている
たしか6月に
さなぎからかえったはずだから
もうかれこれ3ヶ月の
....
ありおりぞろりいまそかり
ありがたいのはきりぎりす
おっかないのとおとったん
そちらのそなたはソリストで
リードギターのテクニシャン
ませた大人がリズムを外し
来たのか来ないか来られな ....
秋 風 に る ら り る 揺 れ る お さ げ 髪
笛 の お と 冷 た い プ ー ル に 泳 げ れ ば
青 の 裾 ゆ ら し て プ リ ー ツ 見 え 隠 れ
ひ ....
夜は速い
夜は速い
これから向かう世界のすべてが
わずかに低く傾いているかのように
夜は速い
夜は速い
背に積み重なる力のように
夜は速い
夜は速い
誰かに遠去けられているか ....
ギャっと言って
飛び跳ねた
蛇みたいな
木の棒が落ちていた
きゃっと言って
飛び退く
どうしたの
ワッフルヘアーの彼女
髪の毛に木の枝がと
のたもうた
男の子の集団がかけつ ....
うす紫に、きれいに染め上がった、
放課後の、
(優しい文脈を結んで)
ぼくは 図書館で、
大好きなきみの名前を、
水文字で書く。
水文字。
右でもなく、
左でもなく、
遠いほうの ....
ねこ
先生は頭をなでる
簡単に
声をかける
簡単に
かわいいねって
ねこ
ずるい
僕らの隣を
名もしらぬたくさんのひとが通り過ぎて行く
それは止まらない流れのように
街は 黒い雨にぬれて
僕らは色とりどりの傘の中で
黒くぬれて
通り過ぎて行くひとたちは
僕らの ....
空はいつもと同じ曇り空で
風はなんとなく吹いている
誰の声もしない
そんな気がする
愛しいキミは遠くにいるのかな
烏がかぁ、かぁと鳴く
空に響き渡るその声は
ただ僕を空しくさせた
....
逡巡
ほんの少しの間隔で
手をつなぐ
手をつなぐ
街の角での深呼吸
こんなに苦い空気でも
こころは深く平らになる
よく晴れた日
取り残された月を見つけて
一秒
一秒を
見 ....
さんぽのとちゅう
とてもきれいなびんをひろったので
もってかえって
まどべにかざった
なんだかものたりないので
もやもやしていたきもちをつめこんでみると
ゆうがたには
びんのなかでと ....
帰宅ラッシュの車両
油っぽい空気の中
違う体が欲しいって思う
座席には
よれよれの背広に
薄くなった頭を並べて
眉間にしわを寄せて目をつぶっている
サラリーマン達 ....
工事差し止めである。
佐賀地裁英断である。
たとえ94パーセントが
完成されているとの報道が
なされてるとはいえ
昭和23年から
営々と続けられてきた
ゼネコン優遇の愚と
アセ ....
遊ぶたましいの
フラフープ
描く線は
深層の知恵の輪
ほどけなくても
いいんだ
高速で
低速で
果てなく回れ
僕のフラフープ
今日
歯車の音が
聞こえました
かちり、と
有無を言わせぬ
確かな
ひとこま
わたしの
こころで
戻れない
何かが
そう
ほんとうに
おわったんだね、と
か ....
スチュワーデスさん、とスチュワーデスに声をかけると
私にはケイコという名前があるんです、とそっぽを向かれる
今度こそ間違いの無いように、ケイコさん、と呼ぶのだが
ケイコは押し黙ってしまう ....
指でかきあつめた空を
誰かが道ばたで食べている
遠い指の跡を見上げながら
傾いだ光ばかりが降り立つ
目の前にのびる一本道は
どこにもつながっていないように見える
....
ダサい名前
酔っ払って
あんた誰?みたいな中年男と
駆け込んだボロい部屋
例えばそこで
一発済んだあと
がたがた動くベッドに不審の念を持ち
マットレスを上げてみたら
ベッドの下に
....
親を恨んでいるのは、わたしですか
モノローグ
あんたであるということを、認めれば楽になれると
京都の裏町の、将棋うちのおやじはいう。
へんだな、その歩の動き、そう歩くこと
進めないのだっ ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80