音を立てながらわたくしたちは
知らない間にわたくしたちの
擦れるせいで消耗していく

隣のあなたの
腕や
足や
首や
呼吸に
錆びれた血が混じり
滲んでいるのは

此処のわたく ....
 
 
ネパールのおばさんと話していると
初夏の風が吹いて
自ずとら抜き言葉になる

門扉のところで自転車にまたがっている男に
日本語ではない大声でおばさんは話しかけ
それがネパールの ....
ぽんと音がするんだ
今月は左の卵管だったよ

ツルツルと肌触りのいい
ご飯にきっちりと載るようなたまごなら
もっとわかりやすく慈しめるかも
しれないのに、僅かな時間で排泄される液体のたまご ....
壱と零を
零と壱を行き来する
それでも
大きくなってゆく


去っては戻らぬものの影が
ふくらはぎにわだかまり
水草のようにまとわりつき
触れては離れ 触れては離 ....
ミサイルの憂鬱

移民も受け入れていないくせにトランプを口撃

どこか遠い憂鬱

焼けただれて

ぶっ壊されて

殺されまくって

きみが親切なこころ発揮できないようにされて
 ....
遠くから足跡が聞こえる
闇の中で独りでいる時、
その足跡の音は社会の目線に聞こえる

街の空気は有料だ
生きる為には対価を払わなければならない
自然に生きる態度は身勝手な若気の草木に似てい ....
つぼみふくらみ
匂わずに匂うよう
結びの前にほころんで

 笑いも 
   泣きも
     つかの間の

結びの前に散りはてる
燃えてあふれるその様を
いまは小さくしまったまま
 ....
いぬの紐は赤と白でねじられている
悲しみのつぎに
夕日のようなゼリーをたべて
こぼれながら静かに夜がひかっている

まよったあげく遠回りをやめて
いつもどおりの道でかえる
さかりをす ....
惑星をつなぐ鉄道の中継地
真空チューブが
弦のように延びている

定刻をすぎても宇宙嵐で
発車の目処はない

電気石で火をつけて
炭素を吸う

外壁で散るホログラムの桜


 ....
雨に濡れ
突っ立ってる
ひとりで
スニーカーで
交差点で
背後から
クラクションと罵声に
刺されると
笑えてくる?
笑ってないけど
笑顔を作る仕草は
カップラーメンがふやける感触 ....
そして春が来て
今年も川辺の並木に
ホタルイカの花が咲いた
日中は褐色に湿り
夜になると仄かに光った

数日でホタルイカは散ってしまう
川に落ちたものは
海にたどり着き
地面 ....
二階の窓からみてる
箱にとらののらねこがうずまってねてる
ちいさい海が砂時計のまんなかみたいにきらきらしてる
沢で茶色いのらいぬがしんだときく
もう少し毎日の学習を解いていたい

晩ごはん ....
仕事で大きなミスをして
通称仏の課長に怒鳴られた
そんな日の帰宅時に
声を掛けられる


あの…すみませんが
名古屋駅は初めてなもので
エレベーターはどこですか?

案内しますよ
 ....
スリット実験のように

バーチャルゲームのプログラミングのように

ぼくの観察によって世界が現れるのなら

彼らの考えていることくらい分かりそうなものなのに


トランプのこともアメ ....
和やかな桜の下を
フイフイと狼が通り過ぎ
その背に乗ってみたいと
幼き心の子供が呟く

ただひたすらに
苔生した深い森のうろのような
陰湿な充足を噛み
ほころんだ蕾の微睡みを浴びて
 ....
ライトアップが終わると
足下の桜は消えていった

老婆は海側へと
手摺伝いに歩く

このまま
夏の花火を観たかった

美しい春の夜に
手をひかれながら







 ....
針穴に糸が通った遠い日から
ずいぶんいろんなものを縫ってきた
時には
縫われることを嫌って
ぴちぴち跳ねて
てんでに海へかえってしまう布もいたけれど

人の営みのかたわらに
一枚のぞう ....
生まれてきてからこれまでの
血の成長を袋に詰める
明日には収集車が焼却場に運んでいく
つい最近知り合ったばかりの
知遇を本棚にきれいに並べる
いつの間にか本棚はいっぱいになった
拠 ....
瞬きしない癇癪持ちの貴女が遅れて笑ららう
瞬きしない癇癪持ちの貴女が遅れて笑ららう

瞬きしない癇癪持ちの貴女が白く透き通る卵を一粒一粒数えて笑うように洗ららう

氷山の如く切り立つブラウス ....
あれから10年も、と
渡辺美里が歌う
100年続きますように、と
一青窈が歌う

10年前 父が他界した
真面目で
小心で
サービス精神旺盛で
ギャグがよくすべる
そんな彼を
私 ....
失敗の多い人生を

こんなもんじゃないって

生きたこともある

コップは溢れそう

こんなもんじゃないって

もう一度思えるか


街道のハナミズキ

朝の青黒い風に揺 ....
カブトムシは前戯などしない

柔らかい部分が
甲冑の奥深いところにあるからか
ギザギザの不器用な手では
そこに届かないからか
違う違う
単に意味が無いからやらない
生殖したいだけだから ....
       ひずみの原版を
    かかえたままで いま
      息を切らしながら
       つくづく 思う
        卒寿を過ぎた
        おひとりさま

 青 ....
その場しのぎでかけたほうきのあとが
際だたせているホコリの存在

誰もいない教室で
立ち尽くしているあの子が
完璧な掃除をめざすことは
もうない

ちょうどいい汚れを残した部屋で
綺 ....
氷の針が心臓に突き刺さって苦しいと思うとき 海から全ての海水が巻き上げられてぼくの口へ吸入器のように入れられるとき きっときみはひとつの歌を口ずさむ ひとつの祈りを口ずさむ、ひとつの海の駅名を口ずさむ .... {引用=
朝がほどけると、水面に横たわり あなたは
かつて長く伸ばしていた
灰色の髪の、その先端から 
魚を、逃がす 
皮膚は、透きとおって ただ
受容する 水の、なまぬるい温度だけを
 ....
星ひとつ 星ふたつ 静かに尽きる夜

キリンは街をさまよい歩く

まっすぐな線がまだいくつも

引かれていない 幼子の 夢の灯を

螢の群れる木のように 揺らしてそっと

キリンは ....
顔  しかないあなたを覚えては
   いませんとうの昔に身体が
あることが当たり前になっていた
からあなたの膝によじ登り二の腕
にぶら下がれるほどの小さな私は
よく脱臼して整骨院に連れて行か ....
  上     が り
    潜
  ム                幸福
       度   償
          い     たい
  い       たい
い       ....
遠くにある町を眺めている

海の向こう

タバコはもう吸っていない

クジラが見えた気がした

工場からでる黒煙

憧れの場所は蜃気楼

町は僕を忘れた

スーツで泳げたら ....
AB(なかほど)さんのおすすめリスト(2382)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
Exhaution- えこ自由詩217-4-21
ネパールの親戚- たもつ自由詩417-4-19
たまごの記憶- 梁川梨里自由詩417-4-17
つもる_かたち- 木立 悟自由詩217-4-17
お水をください- 吉岡ペペ ...自由詩217-4-16
- 鷲田自由詩217-4-16
春遅れの街で- ただのみ ...自由詩11*17-4-15
駐車場- はるな自由詩417-4-15
トルマリンとアズマイチゲ- mizunomadoka自由詩917-4-15
ペチャンコになったら- まいこプ ...自由詩617-4-14
そして春が来て- たもつ自由詩1117-4-14
釧路- ともちゃ ...自由詩10*17-4-10
押した分だけ- しょだま ...自由詩317-4-9
マトリックス- 吉岡ペペ ...自由詩217-4-9
借春- >゜)))) ...自由詩317-4-9
widow's_violet- mizunomadoka自由詩317-4-8
虹色のさかな- そらの珊 ...自由詩14*17-3-29
掃除- 葉leaf自由詩317-3-29
柊の実- 末下りょ ...自由詩7*17-3-29
10_years- umineko自由詩3*17-3-28
抒情- 吉岡ペペ ...自由詩217-3-25
カブトムシは前戯などしない- まいこプ ...自由詩417-3-25
染色月(三)- 信天翁自由詩217-3-24
そうじの時間- ユッカ自由詩13*17-3-20
塩の柱- 白島真自由詩31*17-3-20
記憶を、汲む- 望月 ゆ ...自由詩27*17-3-19
夜のキリン- ただのみ ...自由詩12*17-3-18
いないいないばあ/即興ゴルコンダ(仮)投稿- こうだた ...自由詩3*17-3-17
夜のうわずみ\朝のしたづみ/即興ゴルコンダ(仮)投稿- こうだた ...自由詩3*17-3-14
岸辺- それにも ...自由詩417-3-14

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