で、ゆれる会話。白線の内側を歩くように危なっかしいきみのきゅんとわたしのきゅんの間にある水域が、おわりはじまりとめどなくとどめなくどよめきめくりあがる白い爆弾となって投下される前に始発の黄色い ....
160726
大至急送れの信号弾が飛んできた
地平線の彼方からの味方からだね
次は7色の花火 センコウは消えて
敵兵ばかりがうろうろしているから
気をつけろの暗号さ
....
人数合わせで呼ばれたコンパだった
見計らうように薄着になる女の子たちの肌がまぶしかった
そのときだけのLINE交換
誰が注文したのか分からない烏賊のお刺身が手をつけられずに乾いていった
....
湯の歌が激しく聞こえて来て
夕暮れに
東京渡辺銀行が破綻しました
ニーナの歌も聞こえてきます
締まった詩に成る予感に
母の田圃も駄目に成ります
何処からでしょうか
原始人でしょうか
激 ....
幸せの赤い糸を手繰り
着いた場所には
知らない男性がいた
イケメンというより
男らいしいタイプの彼には
糸は見えていないらしい
それでも嬉しくて
気分が浮わついていたことが
災 ....
力の限りに走っているのに
ふんわりとスローモーション
もうすぐこの世の中が
終わってしまうのだろうか
一滴の雨が頬を伝う
生える緑の匂いが鼻を突く
右足が地に着くと
ずしりと沈み
ボタ ....
ハーネスを付けた老犬が
散歩している
ヨタヨタと…
仔犬の頃から
遊びあった犬
散歩中に私を見つけると
尻尾を回し飛びついてきたのだが
「マリリン」呼んでみる
近寄ってこない
....
あいつはいつも金がなくて
いつでも誰かに金をたかった
嫌われ者の
ジョン・ホーミ・ウォーター!
あいつはあいつでいいとこもあって
優しかった、野良犬にも、あたしにも
ひとりぼっちの
....
初夏の風が
私の皮膚を剥がして
新しいわたしが現れる
つまらない
音や物を振り払って
白い光に溶けていく
それはまさに
ブラックホールに
飛び込むように
冷たくて端的 ....
晴れ時々曇りところにより雨の予報のようなことしか書けず
恋愛のペーパードライバー講習のすぐあとに事故の加害者になる
エアリプの逃げ道ふさぐ君がいた顔を知らずに過去形にした
....
いらないといわれたので、
さまようことに、
なった。
おわらないといわれたので、
おちることに、
なった。
このせかいから、
そのせかいの向こうまで、
はてしなく、
....
燃えている
あれは、
もしかするとマグネシウムホイールかもしれないね
二本の轍からオレンジ色の閃光が突っ切ってくる
反照で人々の表情はエジプト壁画のように、平面化したが ....
出会い頭の事故というのがある
この狭い家にも
トイレのドアを開けると
出会い頭の事故にあう
風呂に入ろうとして
ドアを開けると
その人はいつもそこにいる
襖を開け ....
目を閉じて
目を閉じて再生する
晴れ渡った空の深い青と
瞼の裏側に焼きついた残像
風に散った桜の淡いピンクと
足元に積もった枯葉のグレー
晩冬の風の冷たさと
陽 ....
人が死んだら神様になると子どもに言ったら
神様が死んだら何になるのと聞かれた
神様はたぶん死なないよと言ったら
なんで死なないのと聞かれた
死ぬのは生き物だけ
神様はタマシイだけだから
....
くろいかしらね
みどりいろ
こなふくほどに
さいわいに
いろこくあれば
そのつらに
あつめたうまみを
ほこるのだ
ああほそきりの
ねつとうの
ねばりよ
いろよ
たくましさ
午後八時になると
地下の廊下と階段を降りていき
つきあたりの牢にアイオンスはいる
アイオンスは
青い毛皮に
五本の足と三本の尾を持つけど
顔だけは犬に似て整っていて
嘘ばかりしゃべる ....
かろうじて寒い冬
かろうじて家族なわたし
かろうじて踏みとどまるポールシフト
かろうじて激情に殉じるわたし
いま核ミサイルが発射された
大義などいくつでも作れる
....
美しいと思うこと
驚き
ただ、泣きたかった
けれど
感覚が掴めない
悲しいのに
悲しくないのが
悲しいのだ
私は泣けるだろうか
それが
いつもの
問いかけだった。
....
知人の見舞いに桃を持っていったが
急に呼吸状態が悪くなったと
面会はできず
桃は連れ帰った
食卓に置いた木箱のふたを開けると
縦にみっつ並んで
桃たちは姉妹のようだ
血色よく尻を ....
私はもう駄目だ
そう呟けば俺はもう駄目なのだ
もはや俺には字が読めねえ
腐心する毎日さ
気取り果てた俺だ
自己紹介すらままならない
お立ち台に立って
インタビューされることもない
量産 ....
プラスチックが降り積もる
世界は彩と形に満ち溢れ
ラジオからはいつものように
幸せな物語が流れている
どのように話したらよいのか
君に話したいことがたくさんあるのに
話すべ ....
週刊少年ジャンプください
広げられた右手に
ちょこん載せられた
100円玉2枚
足りません
ごめんね
集英社がバカでごめんね
謝るのだけど
子供はジャンプを離さない ....
車は簡単にイメージできる
猫は簡単にイメージできる
頭ん中で確かな像が
手短に適当に描かれる
そのイメージする像は
だいたい似ていることが多いらしい
けど
愛を ....
ことばの数と
人間の数と
どちらが多いだろう?
生まれてくる人間の数と
生まれてくる言葉の数と
どちらが多いだろう?
だれにでも
おまえだけの言葉ってのがあって
生まれてから死ぬま ....
あなたは手紙
生まれたときから
たったひとりの誰かに
宛てられた手紙
行く宛は今は
雨にでも降られたか
少し滲んでて見えない
けど確かに書いてあった
届けば大切に
読んで ....
安売りをしていたので
星をひとつ買った
命名権付きということで
相応しい名前を小一時間考え
以前飼っていた犬の名前をつけた
部屋の電気を消すと星は仄かに瞬いて
偽物みたいに綺麗だ ....
バスに乗って目を瞑ると
私の中を通過していく
一台のバスがある
開いた窓から
誰かが手を振っている
懐かしい気がして
手を振りかえすと
バスは小さな魚になり
泳いで行っ ....
コンタクトを初めてはめたとき
がっかりしました
ライオンはたんぽぽじゃなかった
くじらはお空を飛ばなかった
スイカ模様のネコは何処にもいなくて
パチンはしゃぼん玉の割れる音だっ ....
水のない駅でした
蝉の音がしました
産まれた日もあやふやなままに
服の端が揺れて
私たちは何か話をしました
並んでいました
指を伸ばせば届きそうなほど
影になるとすべ ....
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