一体お前は、何を考えてるんだ!
母さんが継母って、どういう意味なんだ!!

看護学校を卒業し
脳外科の術場看護師として
やっと休みを貰い
実家に帰った早々
お袋は
エライ剣幕で叱責し始 ....
 余った腕は力を脱いて 指をかるく握る
 人さし指だけすこし立てて
 みぎ足 引いてひだりはそのまま
 そう ずらした軸を忘れないで
 鏡 ここに置いておくから

 そこで足を組むならもっ ....
帰路は
新月にしずむやみのはし
こと座に一服

リリ、

(きこえた?
(ああ、きこえたよ
(鳴いてるのかな
(鳴いてるのかもしれないね

夏を野辺送りし秋がやってくる

猫 ....
にゅうどうぐも、
せいいっぱいの、
わかさ、
おおきく、
りょううでをひろげて、
しろいけむりのように崩れながらも、
なお、
秋にぶりかえした、
みずいろの夏空を占拠する、
牧草地の ....
丸い朝が
四角いビルにやってきて
直角三角形の僕は
平行四辺形に駅で出会って
無数の三角錐をごみ箱に捨てた
朝からブラックホールだ
  *
なんだかんだと言って
あれやこれやと言い返さ ....
暗闇の中で働く
囁く
声と指は一定の距離が保たれている
そのために肉体がある
肉体のために空港がある
滑走路に置かれたピアノは
調律が三時の方向にずれたまま
夜明けの離陸を待っている ....
いなくなった人へは
何も書けないから

妻へ

前略

草々

としたため
渡した手紙は
洗濯されて
入道雲の下に干してあった
立ち上がる
背伸びをした
その、もっと上に ....
山手線新駅の高輪ゲートウェイ駅前の広大な土地では
陸を走る軍艦を造成していた
(現実がもうよくわからないのです。)
たびたび響くゴーっという音
見上げた雲間に飛行機が大きかった
落ちてきそう ....
 角の本屋さんの奥で万年筆を売っている
 仕事帰りの女がそっとのぞきこんだ
 くもりひとつない飾り棚は
 そんな町が好きだった

 ゆっくりと溶け始めるアスファルトが
 蟻や落ち葉を運んで ....
別々の道を進んでひさしぶり花の匂いにふりかえりみる 急流に傾く一途に揺れる岩 頷き
少年は片足を乗せ真っ直ぐな視線に耐えていた。
重層な雲に覆われた街の歴史的建造物
白蕗の羽織で啜る軒先茶屋の框
  まるで、ピラミッドから眺めているような視 ....
月の工場で生産された蝸牛が
地表に降り積もっている

渡り鳥の真似が得意なのに
飛ぶことができないわたしを
鳥たちは連れて行ってはくれない

夜明けとともに
蝸牛は溶けてしまう ....
救急車が向かった先は
ススキノのマンションの一室だった
出動前の確認の時に
違和感を感じた事務員が

一、◯歳の精神科通院歴の無い成人男性が
  今朝から言動が可怪しく暴れている

二 ....
水浸しの草原に黒い鳥たちがいる
どこまでも濡れた大地に星が映っていた
シマウマに乗って宇宙へ行く
果てしなく遠い、天地の境を行けば
そこに揺らめく虚空の入口がある
朝が来れば揺らめきは消えて ....
草が草の記憶を語りだすと
風の結晶はふと風に溶けていく
掌で温めていた卵が消えてしまった時
わたしは初めて言葉を知った
その日の夕方
新しいベッドを買ってもらった
感謝の気持ちを伝 ....
 
 昼間は 陽射しにためらって
 雑木林の奥に潜んでいる
 秋が
 しのび足で 
 次第に満ちて来る夜

 軒ばの低い 村の細道
 懐中電灯をてらして歩くと
 いやに星がきれい
 ....
 ちいさくて固い 心臓が
 そっと弛まるように
 白い雲は
 もう 空の高さを競わなくなった

 風が足跡をうずめるように
 虫達も その聲を次第に顰ませて
 次つぎと落ちて プリズムの ....
湯船の蛇腹式の蓋を開けると、カツラが浮いていた
黒髪でセミロングほどの長さのカツラだった
嫌がらせだと思ったので、警察に届けて回収してもらった

一週間、今度はベランダにカツラが落ちていた
 ....
  十九



 土間のかおりが濃い風の中で
 今もまだ鏡を磨くその人は
 母方の大叔父だった
 茶摘みが好きな
 ハモニカの上手が
 無口な夏の
 終わらぬ波の狭間へ
 時の流 ....
偽物の珈琲を買った
何が偽物って、ポーションタイプだった
別にこだわりなんて無いから、何でもよかった

偽物の仕事を始めた
何が偽物って、給与が出ないタイプだった
別にどこかに属したいだけ ....
たかし、遠方から、そして正座
つまり座る
たかしは姿よし
声量よし、の、よし子さん
折角なのでよし子さんについて
(暫しの回想
(これまで三回よし子さんに会ったことがある
(三回 ....
荒れていた問題ありの中学校今は落ち着き勉強熱心

近所には長年続く食堂が継ぐ人がいてみんな安心

百年も続く近所の魚屋さんレストランにも力を入れる

十年も時間が経てば様変わり公園も家もな ....
窓の外からプラハの音がする
かつて愛していた人や物も
眠たい砂鉄のように
廃屋に降り積もっている
少し押し込むと
そこで手触りは行き止まり
肉体は肉体たちのメニューとなり
旧市街 ....
 心の 跳ねとぶような白

 に、目を見張る

 花は幻の様で すみとおり

 もう萎んでしまう朝


 銀夜に 開き

 香り咲いた一輪のナイトクイーン

  純真さが迫る ....
改札を抜けて、特急へ、準急へ
各駅へ
すみやかにゆきわたる
(還る)

のびていくかげぼうしの
澄んだ鼓膜をとおり

(低いファの音がぼーん、と)
ぬぐってもぬぐっても
幾度も響く ....
 洗いざらしの衣類のなかで、リーバイ・パタの詩画集をひらく
 女のいない男がしてやれるのはたったそれだけのこと
 コインランドリーが不法占拠されてしまう夢を
 ついさっきまで見ていたんだよ
  ....
さようなら
さようなら
みんな簡単に手を振るけど
この夏は
一度きりの夏

君も
甘夏色の帽子を振って
家路につくんだね
カニ味噌を泳ぐ
珍しい形のしゃもじが
私をご飯にする
世界、と口にしてみる
人口よりも多い
イクラを数えながら
父は余生を送った
美味しかった、とだけ
書かれた遺書を見つけて
 ....
月の子を愛づる罪から
爪と{ルビ愛=まな} {ルビ海祇=わたつみ}失くす
嘆く声 {ルビ天地=あめつち}融かし
{ルビ神代=かみよ}{ルビ黄昏=たそが}る
薄刃の{ルビ夜=よ}に藤は散る。
狂える鳥居の向こうに{ルビ永久=とこしへ}が眠りゆく。
「糸切り鋏が紡ぐよう、傀儡が回るよう、
うなされる夜の夢は誰にも分かれしまへんよってに」
お歯黒の笑み ....
AB(なかほど)さんのおすすめリスト(2380)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
オペ看となって初めて帰省した時のこと- 板谷みき ...自由詩2*23-9-6
クロッキー- soft_machine自由詩8*23-9-6
帰り道- wc自由詩12*23-9-4
にゅうどうぐも- 本田憲嵩自由詩11*23-9-3
起きてまた寝る- 空丸自由詩1223-9-1
夜勤- たもつ自由詩10*23-8-31
入道雲- wc自由詩16*23-8-30
8月終わりの高輪ゲートウェイ駅- 松岡宮自由詩523-8-30
哀しみを司るたとえ- soft_machine自由詩13*23-8-30
ノスタルジア- 足立らど ...短歌6*23-8-29
不本意な三角形の乱立- アラガイ ...自由詩9*23-8-28
渡り鳥- たもつ自由詩7*23-8-28
往診の思い出- 板谷みき ...自由詩1*23-8-26
シマウマに乗って宇宙へ行く- atsuchan69自由詩12+*23-8-26
待合- たもつ自由詩12*23-8-23
虫の音- リリー自由詩4+*23-8-23
回帰線- soft_machine自由詩823-8-22
ゆりか- 山本やま自由詩323-8-20
十九- soft_machine自由詩11*23-8-19
空言- 山本やま自由詩523-8-18
正座のたかし- たもつ自由詩3*23-8-18
食堂- 夏川ゆう短歌623-8-14
プラハの桜- たもつ自由詩5*23-8-13
月下美人- リリー自由詩3+*23-8-11
ファ- wc自由詩10*23-8-10
友だち- 中田満帆自由詩723-8-10
甘夏(再掲)- 渡辺亘自由詩3+23-8-10
美味しい食事- たもつ自由詩7+*23-8-10
恋ふる海祇の長歌- 松嶋豊弐伝統定型各 ...223-8-9
春霞- 松嶋豊弐自由詩123-8-9

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