お姉さま。
この館に逗留してまだ一ヶ月足らずですが、
私はもうお姉さまとの暮らしを恋しく思っております。
お父さまはたいへんお優しいのに、お兄さまは恐ろしい。
いつも地下に引きこもっていらして ....
  
 海彦 山彦

 エウレカ ヤ・チャイカ

 カチョペペ カリモチョ

 カネロニ ピエロギ


 カラント コリント

 ガレリア ガリラヤ

 クヴァルク ピラル ....
手を伸ばす
飛んでいった風船が
割れる場所で

破片を集める
誰かの持ち物
検査するように

目に見えるものが
全て輝いた
落ち葉が重なる
黄金の街で

抱きしめたいな
地 ....
まるく ゆっくり 揺れる髪が 印象的で

君はいつも どこを見ていたの

一番のお気に入りの動物は ロバなのだと

お気に入りの理由は 海馬の溝へ

君は今 どこをゆったり 歩いている ....
たなばたさまも終わってはやいっかげつ
あまのがわにであったわたしとあなたの
まぼろしのおうせも忘れられる季節です
ぎんがのいりぐちには夢と絶望があって
にかこくごを話せると喜んでくれたけど
 ....
卓上カレンダーを差し替える。
背後から「八月だ〜!」って声がして、
「そうですねえ(なんか元気だな上司)」と応じる。
「アテレコしちゃった」
そう言われてようやく気づく。
「あはは、もっとテ ....
夏の妖精は低く咲く
白いサルスベリのような
日傘の下で見えるように
声を殺した涙のまま
たたずんで見て欲しい

ミツバチに運ばせる
金色の花粉は言葉の卵
ベンチ背もたれに隠れ
 ....
せいれいの かいせい と、囁いていたのはつけっぱなしのTV
それでも、精霊の快声に呼ばれたのだ 海をめざしていいんだよ
腹の底まで真っ黒い私は唇も塩分の味がする生きたままの生醤油だ
生臭い生き方 ....
朝顔のうつむくほうへ微笑んで表面麻酔をほどこす手つき


ゆりかごを揺らしてそこにいたはずのプランクトンの未来を思う


羊水のように流れて流されてこんなとこまで来てしまったの


 ....
黄色い蝶が止まり
羽ばたいて蜜を吸う
いや違う
あれは花
黄色いリボンの麦藁帽子で
妖精がちょこんと座ってる

宇宙が見える真夜中の空で
雨の井戸を掘る妖精
乾いた畑にはしぼんだ ....
ティッシュのような毎日を配って

水を飲み
汗を拭いて

赤い屋根の 濃紺の影が灼熱の四つ角をひんやり濡らす 一軒家の
ドアーに爪先をはさみ入れた


靴幅の隙間に
斜めに顔を近づ ....
フェリー乗ってる感じで高速をゆく

彼女に彼ができたみたいで

胸にずきって風が吹くんだ

フェリー乗ってる感じで高速をゆく


つまらない奴の方がモテる

壁に背中おしつけて涙 ....
誰か呼んでる

私を呼んでいる

葉の音

羽の音

風の踊り場のような森


光をためる小川

柔らかな太陽

優しい月のような太陽


津波のように
 ....
いつの間にか
やわらかい風の速度が
しゅんびん、
という空耳を残して
細いぼくの体をすり抜け
ドップラー効果みたいに 
ずっと後ろの方で
デリケートな生き物に進化する
それはきっと海か ....
宇宙の公園にいるみたい
あなたのまわりに
星だけが浮いている
すいこまれてしまいそう

あなたは優しくささやいた
ずいぶん待たせたね と
その言葉だけで
私はふるえがとまらない
 ....
まじょが
カレーの皿を割っている。

いつか出逢えるあなたを
この屋上で待ちながら
もう出ない声を絞り切り
歌う歌がある。

もし空を飛べたなら〜
あなたに会いに行きますよ〜
 ....
蛍の光のなかに二人はもういないし 蛍もいない
きれいな緑色の軌跡ばかりが
薄いパネルの表面を掠めて 涼しげな川岸の草葉を揺らしている

蒸気と霧が立ち込める、ネオンと接合車が溢れかえる、四六時 ....
朝飯は夕べのうちに炊きあげた
 玄関の埃も掃きだした
 窓も閉じた

出発する
雨の中を出発する
明日の晴れない空に向けて

 訳も聞かずに怒鳴り散らした
 昨日の後悔をポケットに ....
生きてるとどうしても
日々の狭い箱の中で
図太いおばちゃんに出くわして
むかかっ ときちゃう
僕の狭い心

そんなおばちゃんの
密かなチャーミングさや
ひたむきさや
ひたぶるさや
 ....
どうでもいいぢやないか

それは君のくちぐせであり
ぐうぜんにも 君からきいた
さいごのことばでもあつた

ひと月まへ 一緒に飲んで
別れ際にきいた いつものせりふだ
その前に何を ....
私は瓦礫のような絵を描いている、
白は絵の具で、絵の具の壁は白い、
あなたは私のガラスを叩くでしょう?
私は吹きっさらしの家です

夢ではなくて、死ではなくて、
現実にはふた通りあります、 ....
青だ
ぼくのこの
狂おしい恍惚の色は
まだ瑞々しい渇きに満ち満ちた
果てしない海の青だ

潮騒がする
耳をあてた胸の奥に
白い指のからみ合う
真昼の夢が薫り立つ

熱き血潮の
 ....
旅に予想外はつきもので
おどろかないってのは無理な話でも
おどろかないフリを
演じる役者でいたい

遠い旅先の雲の中を
突き進む
空の機内で思う

――友よ、願わくば
  日々の旅 ....
煙がすべて空に消えたら
ぼくの骨を拾いに来てくれ

肉はすべて
烏どもにくれてやった

ぼろぼろの骨のなかから
丈夫なものをひとつだけ拾ってくれ

それからそれを
あの女の部屋に投 ....
隕石が落ちてこなくったって人は死ぬので
時刻表をスマホで検索している
電車が人を流産するように
悲しみを嘔吐したので
血管は破裂してしまいそうです
あのビルの窓に映る世界が天国よ、
そ ....
赤い糸で仮縫いされた想いは
たぶんジグザグになって
ゆっくりと遠回りして
あなたに向かっていく

蛍が宇宙の渚で
ゆらゆら揺れながら
天をめざして昇っている
星に生まれ変わりたいと ....
いかがおすごしでしたか ほんと おひさしぶりですね あなたのことを
得体のしれないエネルギーだという人の話を ほんと何度もききましたよ
人々はあなたに出会うと ほんらいの姿を取り戻すだの心洗われる ....
背のびしても
とどかなくなった月は
親指と
人指し指のあいだで
沙になって
さらさらと風にのる
くらい、脆い

雨の
こぼれたすきまから
青く
ふる光を
織るようにしてなびく
 ....
天気予報は雨でした
なめられっぱなしのなめくじが繁華街へ向かう

あなたの名前は何ですか
えっ 名前 何だろう
名前のない なめくじ
かたつむりのように背負うものもない なめくじ

ガ ....
{引用=
イ短調ロンドの孤独に犬のやうにあくがれて
せつかく育てた{ルビ硝子=がらす}色の{ルビ菫=すみれ}を
ただなつかしく僕は喰ひ尽してしまつた。
失意のかたい陰影を
新緑のプロ ....
AB(なかほど)さんのおすすめリスト(2340)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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おにのすわるあまのがわ- 秋葉竹自由詩1019-8-3
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八月の汽水域- ことこ短歌3*19-8-1
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シュー__イン__ザ__ドアー- 末下りょ ...自由詩2*19-7-29
フェリー- 函館ドラ ...自由詩519-7-28
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- 末下りょ ...自由詩2*19-7-10
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或る友へ- 石村自由詩31*19-7-8
ハチミツ- 由比良 ...自由詩719-7-8
最果- 両性具有自由詩319-7-8
Good_Luck- 服部 剛自由詩319-7-6
葬送- 両性具有自由詩8*19-7-6
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本と雨のはなし- るるりら自由詩1119-7-2
午睡- むぎのよ ...自由詩619-6-29
なめくじフェスティバル- 松岡宮自由詩17*19-6-28
模倣- 石村自由詩21*19-6-11

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