中華料理を食べそこねた兄が
急行列車で帰ってくる
僕はまだプールの水底で
習字の練習をしている
兄は僕より背が高く
顔も様子も似てはいないけれど
よく双子と間違われた
習字のはら ....
ほつれていくテレビに
故郷が映った
見慣れた橋や川面の姿
人も映っているけれど
ほつれていて
よくわからなかった
会釈くらいはしたかもしれない
そう思うと
雨の音が聞こえた
 ....
雨の子になってみたいな 魂が渇くことなく笑えるでしょう

レインツリー 逃げ込んだなら枝の下 母に似た君に会える気がする

さぼてんが奏でる音色レインスティック 何かと問う声ふるえは止まず
 ....
一日がこぼれゆこうとしている
どこへ
だれの手によって
疑問符は
フェイクファーのふかふかの中で
あくびを噛み殺して
目を閉じる
ここはやがて誰の手も届かない場所になる

別府湾を切 ....
じゃあ、ここで、と
出張の帰りに送ってもらったのは
田舎の淋しい駅だった
上りの列車は発車したばかりで
あと小一時間ほど
待たなければならなかった
他に誰もいないホームには
 ....
鍵をなくして
座礁した無人島の浜辺から少しせりだした夕日の淵で
釣りをするたびに地球を釣ってしまい
きれた糸の先に針をつけて
昨夜捕まえた痩せた月を餌に
じっと
新月を待っているような
 ....
とおく
らいめい
また
いのちにもどる
そうきめた

+

よりそう
じしょたち
きょうは
ことばの
おそうしきのひ

+

しずかな
かみのね
おわらない ....
   
   「心」

 生命の底にあるのが
 わたし
 野を吹く風にさからって
 歩いていると
 影絵のようにみえてくる
 



   「大衆食堂」

 店の母さん 常 ....
良い豆を取り寄せ
ブレンドしたコーヒーが
売られている

他の仕事を辞めて
コーヒーショップを始めたとか

時々コーヒーを飲みに行く
若い人は少ない
熟年夫婦の話し声

忘れたい ....
自称詩人を見つけたら
警察でなくても
逮捕出来ることを詩人逮捕
正確には自称詩人逮捕と呼ぶ
私はその逮捕の瞬間を
動画にしてYouTubeに上げる
所謂詩人逮捕系YouTuberだ
先日 ....
わたしの部屋にいた蝶々が
飛べない蝶々が
ある日、自分でドアを開けて出て行った

かわりにあなたが入ってきて
二人で話をした
楽しい話をたくさんした

けれどそれはきっと夢で
 ....
テーブルの上に眼鏡がある
隣に空き地がある
あの頃は雲がすべてだった
そして二人の黒板は溶けて消えた
 
 
+
 
 
シャワーは壊れた
兄は一人で展開図を描いている
 ....
「オータム・ポエム 山形産アスパラ菜」
そう書かれた袋の中身はすっかりしおれて
50円でワゴンに積まれる
なんじゃらポエム
どこじゃいポエム
敗けたよ思わず何束も買ってしまった
お前さんは ....
昨日の末から断続的に
小さな一年間があり
天気の名前を作って
折り畳んでいく
優しい、誰かのために
二言三言の伝言と
朝用の傘を残しておいた
雨の中身が水になる瞬間の
映し出さ ....
部屋に椅子がある
隣に体育座りをした母がある
雲が青さを通り越して
手をとり椅子に導く、空は久しぶりね


玄関に並んだ靴
妻は夕食を作り、息子はトミカに夢中
1のつぎの靴 ....
雲は消えると
雲の墓場に行くんだよ
とあなたは冗談を言うのですが
本当に墓場はあるんだよ
雲はそう言うのです
それはどこにあるのですか
ほら、そこだよ
雲は指差そうとするのだけれ ....
投函された手紙のような
つつましい
アメージンググレイスは
手紙それ自身が読まれるまで封をされ
言葉ありき、a、α
胎の中でなくしたまま産まれ
ここが家だと、わかる
教えてくれたもの、人 ....
陶器市に行きました
人や犬がいました
いろいろな色や形に
溢れていました
とても手頃なお値段だし
お金がないわけでもないけれど
何を買っても
わたしのものには
ならない気がしま ....
サァサいよいよはじまるよ
秋の大綱挽きまつり
山が勝てば豊年満作海が勝てば大漁旗
ヤムイモウコンシロウリマコモ
マグロにハマチ、ミノカサゴ

スイサァースイサァースイサァサァー

サシ ....
──献杯の酒を飲む夜に

  * * * 

高校三年生の頃、僕は恋をしていた
あんなにも好きだった娘(こ)に
教室で話しかけることもできず
震えながら・・・告白しようとした
夏 ....
しずまりすきとほる
時空の畔に佇み
流れゆく無常
観て居ると

行方知らずのあの方
秋の透明な風に
吹きさらしのまま
駆けて来る 薄明の途を
長く華麗な影を引き連れ

しずまりす ....
それから
ごめんなさい
ありがとう

銀河の岸の公園にある
古びた青色のベンチに座り
星々をぼんやり
眺めていると
向こうから小鬼がやって来て
私の目の前でにっこりほほ笑み
「こん ....
あなたを音にする
わたしも音になる
狭いけれど
小さく響き合う
梨の実のように
透きとおった瞼に
指先で触れてみる
それだけでもう
抱きしめている

古い通り
澄んだ廃屋 ....
あすは大事なひとに会う
あかりを落として伽羅を焚く

あすでくるりと生きざま変わる
あかりを落として伽羅を焚く

あすでくるりと生が変わるなら
いまのわたしは今宵かぎり
さいごのわ ....
時には
仕方無いこともあるが
私は
選んだのだ
命を
 
 慈悲とつれあって深夜のスーパーを歩いた
 あるいは慈愛とつれだって萩の花をばらまいて歩いた
 おれたちにとっての幸運が猫のしっぽであったような、
 あるいは取り残された者たちの最 ....
地球は青いだけじゃない
生命の熱を感じる赤色や
全てを優しく包み込む黒色
身体を潤す美味しい水色がある
そして醜く汚い人間色も
ここは色とりどりの世界

玩具のミニカーに乗りたい、と
息子が言うので
助手席に乗せてあげた
エンジンが無いと動かない仕組みを
なるべくわかりやすく伝えた
息子は勉学に励み
大人になって
ミニカーに ....
膣は穴じゃない
日頃、閉じている扉の向こうにあるものは
それは穴じゃない
迷いこんだ樹林の枝を入れるべき穴はない
天空に唾するとき岩の戸は閉ざされ空が落ちる
雷鳴 豪雨の闇の中 
あれは穴 ....
考えたらすごいことよね
昭和 平成 令和と 3つの時代を生きてるのよ
昭和生まれが明治生まれの人を見て驚いてるのとちょっと同じ感覚かしら


私が生まれたのは昭和51年 西暦でいうと1976 ....
AB(なかほど)さんのおすすめリスト(2344)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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テレビ放送- たもつ自由詩11*23-12-3
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まがいもの_やがて夜にのまれる- そらの珊 ...自由詩12*23-11-30
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あまやどり(手帳の断片より)- たもつ自由詩823-11-26
五行歌_二首- リリー自由詩8*23-11-24
コーヒーショップ- 夏川ゆう自由詩723-11-24
詩人逮捕系YouTuber- 花形新次自由詩123-11-21
とあるわたし- たもつ自由詩7*23-11-20
四行の駅- たもつ自由詩2*23-11-18
オータム・ポエム- 松岡宮自由詩623-11-16
躓き- たもつ自由詩823-11-15
即興4行詩- wc自由詩1223-11-12
雲が消えたら- たもつ自由詩423-11-8
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陶器市- たもつ自由詩423-11-6
タイゲーム- wc自由詩423-11-1
……とある蛙さんへの手紙- 服部 剛自由詩1123-11-1
BEFORE_AND_AFTER_SCIENCE_- ひだかた ...自由詩423-10-28
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愛おしい- たもつ自由詩423-10-26
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膣は穴じゃない- 松岡宮自由詩8+*23-10-21
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