はじめはわからなかった
仏舎利塔なのか
噴水なのか
生き物なのか
ひと足ごとにみえてくる
どうやら人らしい それ
まばらな街のあかりでは
まだ 性別はわからない
声をかけれるほど近づく ....
耳鳴りがする
ざざあ、ざあざあ
蝙蝠の日常へと
僕は誰にも視えない
夜と平行に砂浜を歩く
埋もれたかかとに被さる幻滅
底、がないのは右一里と同じこと
逆立つ産毛の感覚を
今はまだ捨 ....
で、10年後
仕事がない
月15万のテレフォンアポインタ
新宿 オフィスビル内での簡単・キレイなお仕事です
これ断らなければよかった
15万だと カツカツだから。
18万から探して ....
明日は燃えないゴミの日だから
人をまとめて
玄関に置いておく
翌朝
人はバラバラになっていた
どうも統率に欠けている
これでは回収してもらえない
結局 ....
きゃらめる 9
うた
1
きれいなこえを
ひろったので
はねをつけて
そらにはなちました
らら
きれいなこえで ....
駅のホームで国歌を斉唱します、国歌を斉唱したいのです
どこの国歌でも構いません、僕は斉唱したいのです
恋人はホームの先端でフェンスを噛み砕いています
ものすごい音をたて、あるいは音をたて ....
今日の夕方
西の空に彗星が見えるんだってさ
ほんとだよ
ニュースの人が言ってた
ぼくのリサーチによると
多分 公園の先の
くすの木がたってる丘の上が
一番 よく見えるはずなんだ
....
急患で呼び出される医師 の妻
制服を着たままたしなめるパイロット の妻
いつも勘でつくってんの ....
バード
ボクを放て
ボクを解き放て
誰かが泣いている
その涙のせいで
ボクの足がすくむとしたら
その涙は無駄になる
バード
遠い約束を
明日の電話を信じる ....
きのえだいっぱいに
きれいなはながさいていたので
よじのぼって
ごめんねゆるしてね
ちゃんとあやまって
ちいさなえだをひとつだけおって
はなびらがちらないように
ちゅういしてもってか ....
(母に手を引かれて歩いていた幼い「私」は
母になにかを言いたかった でも
母の耳ははるかうえにあり
声が届かない気がして
またうつむいて 光るアスファルトを見ていた ....
たなびいていく
たなびいていく
淡紅色の欠片の群れが
空に向かってたなびいていく
たなびいていく
たなびいていく
思い出色の校門に
長いあなたの黒髪が
空に向かってたなびいてい ....
さよなら国は
朝でも 夜でも
「さよなら」とあいさつします。
みんな みんな
笑顔で「さよなら」をかわします。
時には おじぎまで
時には なみだまで
ボクがいる ....
閉店まで迷って
結局最初のレターセット
会った事のない相手なら
少ない情報すら
印象になるから
探していたのは
好みのレターセットではなく
わたしの分身だったのでしょう
まつげの先を黒玉に焦がし14歳が空を見上げる
来週までに国境は消すよ
さっきメールで約束をした
血潮が透ける張り詰めた頬に擦過傷みたい白い粉がふく
闇より深い両目を細めアオゾラをぐっと睨み付け ....
みかんの花が咲いている島から
瀬戸内海が見えるというのは
あの有名な唱歌のせいだ
などと想いながら
コンビニ弁当を食べ
入り江の澄んだ水の色や
水平線に浮かぶ
白い雲のような櫻を
見て ....
「 ひとりで寝るのは
寝るのじゃないよ
まくら抱えて
横に立つ。」
生きていた時
おやじが謡った
都都逸だ。
習い性になって
毎夜長い枕を抱えて
眠りに就く。
....
4本の弦を見つめるあなたの写真を見つめる4人の仲間たち
開け放たれた音楽室の窓から
合唱部員たちの歌声が聞こえる
放課後、行き場の無い僕らは
校庭の隅にある鉄棒に片足をかけたままぶら下がり
いっせいの、で誰が好きかうちあけると
やはり同じ子が ....
キスをする
あ。
そうだ
何かを
思い出した
....
なぁ、注さん。ちょっと、話をしようか。
高木と志村は、浮世のしがらみというか・・・仕事で、ちょっと来れないんだよな。
加藤は、あいつ、渋滞に巻き込まれているんだ。
(中略)
注 ....
この闇が続く限り
きっとどこかに
眠れない心を抱えた誰かがいて
その誰かもまた
違う誰かを求めてる
私もその誰かになりたくて
こうして今夜も眠れずに
昨日と地 ....
泡だけは
沈んでけば
いーのに
未練がましく何故
昇るソレを
ボクは
見上げなくては
いけないんだろう
乳白に
ポぅくり
煙りのがまだ
軽やかだ
唇を撫でるよう
最後に吸 ....
四時半夕刻
思い立ち
洗濯機まわす
陽が伸びた
空の
視線がちょっと痛い
わかってるよもう
春だってんでしょ
湿ったシャツと
生乾きの髪を
これみよがしに
風が撫でてく
....
君の笑顔は椅子に似ていて
笑うと誰もが顔に座りたがる
散歩途中のお年寄りや
旅に疲れた旅人
アイスキャンディーを持っている人
ただ夕日を見ているだけの人
誰かが座ると嬉しそうにする ....
カラダならどんなふうにもなれるのに彼女んトコに帰ってくんだね
心まで見えないと言い寄る眉根 目蓋に落ちる影ばっか見てた
暗いから「貴方だけだ」と言ったのは声が少しだけ似てるらしいから
....
マジマジと目の無い目を剥いて来る
いくつもの腕の無い腕が迫る
からみつき離れぬ脚の無い脚
ほころびた布切れ身に纏い裸足
クメールの微笑みいっぱい湛え
絵葉書 ショール 竹細工 切り絵 ....
せーの。で言ったアナタの答えが
アタシの欲しいモノじゃ無くても
遠くに居るから大丈夫
あはは。笑うと胸の奥がちょっと湿る
大丈夫。電話だから
見えなくてヨカッタて、溜息の時のが
アタシ少し ....
もしか キミは 一歩を 踏み出そうとしたくて
そんで そん時も まだ隣いて
ボクはバカみたく つまんナイことで 大笑いで
そんな キミに気付かないなんてしてさ
したら きっと 違う場所に立つね ....
たまねぎを剥く事くらいに
泣くのは簡単だと言うクローゼ
とても静かに
自分の作った暗喩を慰めている
すり減ったローファーを履いて
路地裏でメントスを噛むクローゼ
クローゼのメン ....
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