寝息が包んでいた闇を抜けて
小さな呼吸は
始発電車よりも早かった

眩しいからなのか
朝を薄目で盗んで
それを混ぜるための
パレットが欲しくなる

乗せるものが無くても
軽くて透明 ....
 地元走るローカル線を無人駅で降り
 山裾へのぼる細い道で足を止めた
 通りすがりの一軒家

 茂る枝葉を被った鉄の門
 奥に木造の二階建て
 軒下には蜘蛛の巣が灰色の層になっている

 ....
扇風機から炭酸水が漏れている
甘い味はなにもないのに
蟻が数匹集まっている
手触りのする布で拭いて
以前から繰り返していた
冷蔵庫を開ける
三丁目がある
良く冷えた救急車が
大通りを走 ....
夕方 お散歩にでた
屋根をみた

すべりそうな屋根
安心の平らな屋根
凸凹な屋根

屋根から屋根へ
お散歩 お散歩

夕方の屋根は
どれもみんな
さみしさがのっかってた

 ....
たぶん、”世界-1”と記したって”世界”が分岐し、
もう戻ってくることはないのだと言いえないとも言えない。
どうせ、明日もたぶん地球は自転してもいるが、公転も
しているのだから。

 ....
空へ空へ
伸びる茎
光を光を
求めて
枝分かれして扇形になった
それは
小さな木々のよう
草はらに
明るい森を成している

海の向こうからやってきて
異国の地に根をおろした
覚 ....
夏陽がじっくりと焦がす
白い坂道の曲がり角
大樹の木陰、繁り合う枝葉
セミの声
見上げる少年と虫捕り網

身体を揺らしながら
爪先立って手を伸ばす少年
ぼくは坂を下り  ....
仏壇のロウソクに火をともし、それから線香をあげて、

いつも手を合わせて、そのように月にいちどは戻ってくる、

いもうとが、父の日に花束と缶ビール1ダース分をプレゼントしている、

天気の ....
かたつむりの王は
水辺で嘆息する

今回も失敗であった
ヒトに寄生することは容易だが
操ることも難しくはないが

あやつらは海に帰って来ぬ

一方、地上では
一人のマッドサイエンテ ....
頬をなぶる風 
ひるがえる恋情のように
雨を呼び
低く速い
雲は濃淡に光をにじませて

空のようにこころをしぼれるか
燃えさしの骨をひろえるか
瞑った太陽の頬をなぞるように
数える指 ....
 
 
 既に色褪せて重たく落ちている花片を
 踏みながら歩む林の中は
 もう黄昏ている

 椿林の木立
 わずかな隙間から
 聞こえる波濤のどよめき

 腰をおろしてみなさい
 ....
子供たちが整列をしていた
何をしているのだろう、とよく見ると
整列をしていた
身体の隅々にまでしみわたる雲のように
なだらかで滑らかだった
透明な水を植物にあげて
話すことなどもう ....
夜の旅館の長い廊下と 桜並木と襖とが頑な
密談の風が颯爽と盥に落ちる 濃淡を強いている
瞬きより眦より 薄く開かれる 胡蝶尾鰭 
二日月夜と受粉を繰り返した

うまくとだえるのを「待って。」 ....
○「年齢確認」
コンビニで酒を買う時に
いまだに「20歳以上」を押すように
言われる
これにはいつも違和感を感じる
せめて「60歳以上」にしてほしい

○「平和ボケ」
戦争になると
 ....
青りんごは自ら枝を手放して
地に落下した
それは手のひらにすっぽり包まれるほど小さく
人が食べ頃だと思うには到底未成熟だった

わたしにもっといい耳があれば
落ちた理由が聴こえたかもしれな ....
加藤さんが五大大会三連覇を達成する
という快挙を成し遂げた
まだ梅雨は明けきらず
朝からの小雨で唸るような湿気の中
お風呂をはじめとする各箇所のカビ取りは
一向に捗らないが
せっかくなので ....
 グミ

どうぞ、と差し出された袋のなかには
色とりどりのグミ
お祭りみたいにひしめき合ってる

青いのをひとつ
取り出して
口に入れる前に電球にかざす

ママが言った
海の色を ....
草原で風に吹かれて
座っている
誰かが来るのを待っている
偶然通りかかるには
あまりにも広い

知らなかった
こんなにも膝を抱えるなんて
自分自身で歩いて来た
わかっているけど
一 ....
月がきれいな夜
ゴンドラに乗って
ドラッグストアに
買い物に出かける
カビ取り剤が
20パーセント引きのクーポンで買える

「カビ取り剤を買いに来ました」
「カビ取り剤をください」
 ....
 六月はもう
 むし暑く
 医療用コルセットを巻くと
 腹部が汗でむれる

 窓の外を見ても
 空はどんよりと深い水の色
 濃すぎる緑に
 むせ返りながら
 ものうく

 大気は ....
窓際の狭い土に
朝顔の種を蒔いた

芽が出るかな
不安だった

ひと月経って
双葉が三本出た

蔓が伸びて
網に巻き付いて
朝顔が咲くなんて
今はまだ
信じられないよ
こん ....
{ルビ昼寝覚=ひるねざめ}青なす樹々の雨滴かな

青覗く蕾も風情アガパンサス

土砂降りに急遽買ひけりアンブレラ

紅梅の実赤く染む日向かな

一つだけ赤き{ルビ唐柿=とまと}を{ルビ ....
5月28日
黒いペンで書かれた
カレンダーのさりげない予定
几帳面な字

その翌日
あなたは
日めくりの裏のような
真っ白な予定の永遠に続く
向こう岸へと
踏み出してしまった

 ....
雨の形のまま
わたしたち、地下鉄で
産道を進む
透明に敷き詰められた窓
向こう側に続く暗くて
滑らかな景色
輪郭は線となり
わたしは葉っぱを並べる
あなたは選挙の人にもらった紙が
 ....
陽も出でず
閉じ込められて
雨は降る

遠くに行った隣人の
電話の声は
やわらかい

雨は人を遠ざけて
馴染みの犬も
来やしない

痛みが取れた右腕の
指動かして
詩が書け ....
校庭でゼリーが息絶えていた
音も無く
オレンジ色の匂いがした
樹木の間から
整体、の看板が見えていた

看板が見えるのは校庭の高さが良いからだ
と、かつてあなた言った
それはここと ....
「仕事中に小学3年の息子から電話が来て
お母さんが首吊ったって言うもんだから
もう、ビックリしましたよ。
でも、よく聞いてみたら
妻の首が攣ったことらしかったので
そのまま寝させてなさいって ....
雨音に落ち着いて

私はムツカシイコトを考える

宇宙の開闢 時の始まり 5日前の晩御飯

クレパスでロケットの絵でも描きながら

濡れた世界を窓から眺めたりする

思うに梅雨はツ ....
うちの子は
みんなそれぞれが
最高だ。
悪い部分もあるけれど、
うちの子たちだ


物に罪は無い
罪があるとしたら
それは人の行いにある
そして、罪をゆるすのは
人のこころ
 真実は逃げ足が早いんです

 真実は恥かしがりやなんです

 真実は冬眠するんです

 真実は直ぐそこにあるんです

 真実の扉をひらくのは自分自身なんです

 真実からは逃 ....
AB(なかほど)さんのおすすめリスト(2344)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ブルーアワー- ミナト ...自由詩3*23-6-21
引幕(「廃家」[まち角8]改訂)- リリー自由詩7*23-6-20
履歴書- たもつ自由詩5*23-6-20
ただいま- 日朗歩野自由詩5*23-6-20
なんでもない事- ナンモナ ...自由詩3*23-6-19
ヒメジョオンの巷- そらの珊 ...自由詩13*23-6-19
坂道と少年。- 田中宏輔自由詩12*23-6-19
父の日に- 本田憲嵩自由詩723-6-18
ル・カルコル- 佐々宝砂自由詩2*23-6-18
カタコトや- ただのみ ...自由詩2*23-6-17
南の果の岬- リリー自由詩5*23-6-17
夏の場面- たもつ自由詩723-6-16
角膜潤色- あらい自由詩223-6-15
独り言6.15- ホカチャ ...自由詩5*23-6-15
梅雨に捧げる供物として- そらの珊 ...自由詩5*23-6-14
加藤さんにインタビュー- たもつ自由詩5*23-6-13
群青- そらの珊 ...自由詩12*23-6-9
草原で- 木葉 揺自由詩723-6-7
混ぜるな危険- チアーヌ自由詩423-6-7
身じたく- リリー自由詩5*23-6-6
あさがを- けいこ自由詩5*23-6-6
六月- けいこ俳句5*23-6-5
向こう岸- Giovanni自由詩13*23-6-4
閃光- たもつ自由詩11*23-5-31
シアワセ- けいこ自由詩6*23-5-30
準備- たもつ自由詩4*23-5-30
タクシードライバーの話- 板谷みき ...自由詩2*23-5-30
コケティッシュ・ツユ- 短角牛自由詩7*23-5-29
※五行歌「物に罪は無い」- こしごえ自由詩1*23-5-28
真実の行方- 佐白光自由詩3*23-5-28

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