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あなたは静かに家をつくりはじめる
静かに 何年もかけて

あまりにも美しくそれは成されたので
家ではなく 森や 額縁や ひとかたまりの風に見えた

静かに何年も何年も
何年も何年 ....
秒針が力なく明日を告げる、残骸だらけの街を抜けていくと海があるはずだ
けれどもあなたは空気の抜けた風船、口づけても口づけてもすうすうと抜けていく
今日のために買った靴を捨て 鞄を捨て 指輪を捨 ....
わたしはとびうおだったので
まばたきもしなければ
泣きもしないし
空腹のために蹲ったりもしない
愛のために飛んだりしない
跳ねて すべりおちる
生きることだけをする
そして ぜったい ....
あしたから春です
という宣言がされ
そこかしこで煙があがった

すべてを語ろうとする僕たちは
不足を抱えることになり
かろうじて嘘ではない かもしれない
くらいの言葉で
このほそい ....
バターの日
強ばった手足に蜜を塗り
小鳥たちに愛を与える

ナイフ、なにも
切らないでいられるうちは
美しく澄んでいて

でもわたしたちには生活がある
パンもバターも熊の夢も ....
熊たちは夜をかみ砕き
蜂蜜の朝を得た
意味の羅列を踏みこえて
あたらしい夢をみるんだ

配管 像 通勤ラッシュ
茜色 ポリタンク 出されない葉書
僕の隣は空き続ける
なされなか ....
境目が淘汰されて
すべてはグラデーションになる
曖昧さは受け入れられ
器は広く広く浅くなる
明るくなりすぎた夜のように
影はぼんやりと甘く
この輪郭を脱ぐ術を
探している

 ....
くもりの朝
まくをやぶって
私らは起きあがる

このあたりじゃ今日もビルが倒され蜜が降ってくる
クリームソーダくまの夢
名前をつけてやるから
こっちへおいで

むかしの歌ばかりき ....
正直なところ、たしかに生活することは悪くない。湯を沸かし、布を洗い、床を磨き、花を飾る。娘の髪を梳き、夫の靴をそろえ、ときどき、外で花を売ることは。
どうしても今日死ななければいけないのに。とい ....
パンはもうすぐ焼けると思う
夜が来たり
雨が降ったりする
人間の気持ちを傷つけたくて仕方がないときがあり
着替えて
街を廻る

そんなふうに
蓋をして
砂みたいになっていく
 ....
くまは瀕死だった
ぐるりを人間たちにかこまれて、
路上で、濡れて

だいじょうぶですよ
とくまは言おうとした
ひとりで死ぬから、だいじょうぶです

「殺せ」
とだれかが言った ....
爪から
ほそい光がでるようになってしまった
愛されすぎですね

医者が言った
でもだれに?
という問いには答えずに

気をつけてください
光のぶんだけ
影がたまっていきますか ....
あれかやし季語のない身をふるわせて
いくつも嘘をみのがしました
音のないテレビが
空間を蝕んでいる 明けがた
熱は引くどころか

からすたちがつくる
今日の切り取り線を
はやく裂かなきゃ
でも なぜだろう もう
からださえ ここにはないのだ
 ....
春ちかい穴ぐらで
かなしみを咀嚼せよ
虎たちの夢は光り
鳥は飛ぶ
羽根がなくても
帰り道に空になった弁当箱に納めたのは月でした
夜の道路にころりと落ちて悲しくて
これでは死んでしまうと思ったので
それにしても十月は騒がしく
息は
吐かれるのを忘れられたまま
コン ....
ねむたい灯りのすべてにいちいち
湿度や数や記号がついている
おもえば ずうっとまえ
まぶたがまだ無かったころから
ふえることが課題だった
ふえ、進むこと

まだいくらでも捨てるものが ....
西で三角形がもえつきると
靴ひもはぐすぐずほつれ
朝は 鳥たちの夢になる

はばたく
さいしょの一羽が泣いていて
さびしさは空をあかくした

群れは ゆっくり
ゆっくりこま切 ....
月夜
そのまんげつの
スーパーマーケットみたいなかなしさ
まるく あかるく
孤独で 遠い

タクシー
今すぐに運んで
わたしの足が濡れていても
乗せてくれますか?
ひとかたまりのきょうが
三和土でふるえている
ドアは開いてるというのに

もしかして、きのうも
ふきだまりみたいなこの部屋の
どこかに
きえかけながらいるのかな
きのうも、あし ....
愛している
眠りのふちに
ぶらぶら腰かけて
バタをべったりつけたパンに
蝶々をはさんだ夕食
さむい土地であなたは育った

そこではさくらも連翹も木瓜も
いっぺんに咲き
いっぺんに ....
いぬの紐は赤と白でねじられている
悲しみのつぎに
夕日のようなゼリーをたべて
こぼれながら静かに夜がひかっている

まよったあげく遠回りをやめて
いつもどおりの道でかえる
さかりをす ....
ゆめの在りようを忙しなく描いては
愛おしく汚れて色付く指指
あたしたちは性懲りもなくなんども見つめあっては
数秒ずつの恋を終える

この世の輪切りを飾って悦に入るなよ
どんな隙間にも羽 ....
満月 あなたはひどく怒って
穴だらけの夜を叩いた
道路や橋は
眠ったふりをした
夜は
しゃがらんしゃがらん
叩かれるたびに
穴を埋めていく
みんな起きていた
あなたがかなしそうに怒っ ....
ひかりの群れが 影を従えている
誰か にならずに生きていくのはしんどいでしょう
影のなかの 一点ひかりは しみのようで
よほど穏やかな気持でなければ
綺麗とは言えないのよ
出ていかなければならない
と知っている
部屋は
あなたとあなたでないものでできている
このまま朝は終わらずに
言葉もひとつも終わらずに
開かれなかった小説
届けられなかった手紙
呼ばれ ....
ときどき、自分がいままでどうやって生きてきたのか思い出せなくなる。
たとえばそれはセーターを編んでいて、順調に右肩まで編んだところで突然、鈎針の動かしかたを忘れるようなかんじ。右に編むのか左なの ....
AB(なかほど)さんのはるなさんおすすめリスト(27)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- はるな自由詩1723-9-8
風船- はるな自由詩523-7-10
とびうお- はるな自由詩1323-4-27
すべてを語ろうとするぼくたちは- はるな自由詩523-3-21
バターの日- はるな自由詩623-1-14
パンの朝、蜂蜜の朝- はるな自由詩823-1-4
輪郭- はるな自由詩421-6-28
まく- はるな自由詩320-11-21
メモ(正直なところ)- はるな散文(批評 ...1420-9-21
光りはじめる- はるな自由詩15+20-1-25
くまは瀕死- はるな自由詩6+19-12-5
愛される- はるな自由詩1319-11-12
あれかやし- はるな短歌119-8-22
音のないテレビ- はるな自由詩319-3-23
下方向への上昇②- はるな自由詩319-2-18
- はるな自由詩818-11-11
ふえる- はるな自由詩518-10-22
- はるな自由詩518-10-19
月夜- はるな自由詩318-9-22
かたまり- はるな自由詩1418-3-1
朝食- はるな自由詩417-5-6
駐車場- はるな自由詩417-4-15
ゆめゆめ- はるな自由詩817-3-1
満月- はるな自由詩916-9-13
群れ- はるな自由詩614-9-17
水をかためる- はるな自由詩1013-9-26
保健室のこと- はるな散文(批評 ...210-10-8

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