ホソカミキリムシよ、
君はぼくのひみつの友達、その一人、
君もまたいつの日かのぼくに似て、その身動きはまったく取れず、
やがて本格的なスピードで走行され始めてもなお、けっして振り落とされまいと、 ....
秒針が力なく明日を告げる、残骸だらけの街を抜けていくと海があるはずだ
けれどもあなたは空気の抜けた風船、口づけても口づけてもすうすうと抜けていく
今日のために買った靴を捨て 鞄を捨て 指輪を捨 ....
 あの……おれ、夢見るんですよね、海の。ときどき夢のなかに海がでてきて、おれはサーフィンやってるんです。でっかい波にのってると、そのままヒューッて空に飛んでっちゃったり……あと……パイプ・ラインのなか ....  俺が先に見つけた
       緑
       の
    たぬき
       が
 そこに居て
 4分待ったよ
 あと少しで
       捕
       ま
      ....
人は誰も
すれ違う形だけが
覚えられている

心に 微かな
気持ちの悪い風がぶつかる
憎しみのファンタジー ショーケース
エナジードリンクのプルタブを
プルしたら? 甘ったるい共感性と ....
吾輩は猫ニャンである
親分はいつも二階の自室におる
階段を駆け上り
ドアに体当たりすると
中に入れてくれる

なのに
体当たりしても
飛びかかっても
ドアが開かない
何度も何度も
 ....
日曜日の夕方
猛暑です
私がどこで何をしていても
ここは猛暑です

この世に参加して随分経ちました
参加賞を貰いましたか
まだですか
もうぼろぼろですがいつもポケットに入れています
 ....
部屋の中に集落ができた
小さな集落だった
本家、という男の人が話にきて
畑で採れた作物を
いくつかくれた
学校が無くて困っている
というので、近所の小中学校と
市役所の場所を教え ....
 真夜中に点灯した冷蔵庫の奥であらゆる向きに齧られたチー
 ズケーキが発見された\反射的にわたしもかじりつき\素早
 く体温を加え咀嚼を開始\ねっとりうっとり\うまれるチー
 ズケーキのかがやき ....
夏の夜空に
打ち上げられた花火を
僕の車輪にして

遠く離れた
君のいる場所まで
漕いで行く

群青の草原を
駆けて足りるなら
炎の縁に
君を飾りたい

花火が街を照らす間に ....
吾輩は猫ニャンである
名はレンである
兄ニャンの
蒼い目をした白ニャンは瑠璃
妹ニャンの
吾輩と同じキジトラは摩耶
何故に吾輩だけは
片仮名ニャのか

親分は言った
流行りの映画か ....
願いが叶わなかった日
遠く、命の向こう側から聞こえてくるのは
ニイニイゼミの声
毛穴から染み入り、毛細をとおって
脳内に聞こえてくる

頭上を爆撃機がかすめて飛んでいた
なのに街は箱庭の ....
線で満たされていく
形ばかりの電話帳と
電話帳ばかりの形
ただ笑い続けるコップが
羨ましかった
助走
午後に向かって
身体や言葉から
剝がれていく
ちぐりすからの手紙が届く
 ....
曲げた躰をハートの形に触れ合わせ
あおく短い空を翅ごとに掴む
 (静かに震えながら)
何を見ている
何を感じた
 (水と血が滲じむと)

小川に沿って気流が乱れ
深い茂みが盛り上がる度 ....
雨は涙ににていてね
いつかこぼれるものなのよ

どんより空を見てごらん
うるむ瞳にみえるでしょ

雨は涙ににていてね
とまらなくなるものなのよ

空がわんわん泣くのなら
今はいっし ....
目の前に一本の道が現われた。

この道を行けば、海に出る。

ほら、かすかに波の音が聞こえる。

見えてきた。

海だ。

だれもいない。

天使の耳が落ちていた。

 ....
縁者の少い
私の身内
いとこ半の
恭ちゃん

母方は
敬ちゃんだけよと
恭ちゃんは
いつも言う

去年の春に
恭ちゃんの夫は
長い患いで死んだ

二人が家に来たのは
遠い ....
電車に乗ろうとしたら
頭の先から尾ひれの先まで
すっかり人魚になっていて
人魚は乗れません、と
電車の人に断られてしまった
取引先には遅れる旨連絡をして
しばらくホームで待つことに ....
肛門には特別なセンサーがあり
個体と液体と気体を識別できるから
オナラのすかしっぺができるのだ
このセンサーが機能しないと
音出しっぺのオナラテロになる

江戸時代には
良家の女性に付き ....
幸せ気分で抱き合えば
幸せが倍になる

どちらかがモヤモヤしていても
抱き合えば消えていく
幸せな状態へと回復する

二人の時間は大切
繋がりが深まっていく

好きな音楽を聴きなが ....
一人でふたり分の荷物を整理する

なんて過酷で残酷な(笑)

やり始めるとやっぱり記憶に飲み込まれそうで

それでも時々、楽しくて


壁のシールを剥がせば そこだけ白くて

こ ....
レバナスと言う名のファンドがあって
状況によっては追加料金を取られる株券らしかった
株券が紙切れになるのならわかるが
追加料金を徴収されるとなると買うのは微妙だった
言うなれば借金をして株を買 ....
えくぼ
笑顔を生む
笑顔のなかの
ふたつの支点
希望の
くぼみ


えくぼ
笑顔のほころび
ふたつの種子が
こぼれ落ちる
黄いろい
ひまわりの花がさく


えくぼ
笑 ....
虹を作る
その生き物の背中には羽があって
だけどそれは
空を飛ぶためのものじゃないらしい
六月の晴れ間を見つけると
庭にぴょこんととびだして
霧を吹きかけて虹を作る
小さな生き物は
小 ....
白い形の声が落ちていた
門扉が壊れて困る、という
間違い電話だった
切ることもできず
わたしはイトヨリダイ
だったと思う
そのような体をして
傾聴した
暑くて
素麺のお裾分け ....
中風のじいちゃんが
コロナを拗らせて死んだので
庭の枯れ枝を集めて
じいちゃんの上に被せて
燃やそうと思った
じいちゃんに枯れ枝を掛けていると
じいちゃんの思い出が
頭を過って涙が出そう ....
習い事をする指
花粉が入ってきて
鉛筆に降り積もる
狭い心房
右と左がある
一時間後バスに乗る
土の上、優しい
柔らかな色彩の
ように息継ぎをする
発熱、発汗、
生きている ....
とある真夏日、とても楽しくじゃれ合いながら、ともに駐車場まで歩いているみたいだ。アスファルトのうえで羽を休めている早生まれの赤とんぼがその過程でおとこの手に選ばれる。それはまるで透明なうすい玻璃で拵え ....  夜

月明り
独り暮らしが始まっていた
絶望も希望も寝静まり
生活が一つ転がっている

 朝

目が覚めて思う
生きていた
しかも快晴だ
何にもないので
布団を干した

 ....
 見えない陣が静かに張られ
 消せない悔いを学ばされる
 通学の青にも馴れた頃

 無菌にされてゆく教室で
 午後の解答欄をはみだした
 もっとひろい紙の方へ
 未来をつかうことば達を黙 ....
AB(なかほど)さんのおすすめリスト(2344)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ホソカミキリムシマン- 本田憲嵩自由詩923-7-10
風船- はるな自由詩523-7-10
陽の埋葬- 田中宏輔自由詩13*23-7-10
声どろぼう- 野澤 尚 ...自由詩223-7-9
人ケース- 野澤 尚 ...自由詩223-7-9
吾輩は猫ニャンである_其参- 銀薔薇自由詩3*23-7-9
日曜日の夕方- 空丸自由詩1523-7-9
集落- たもつ自由詩23*23-7-9
チーズケーキとリルケ- soft_machine自由詩11*23-7-8
車輪の詩- ミナト ...自由詩6*23-7-5
吾輩は猫ニャンである_其弐- 銀薔薇自由詩2*23-7-5
- 山人自由詩13*23-7-5
加速- たもつ自由詩3*23-7-5
蜻蛉- soft_machine自由詩523-7-4
雨について(母から子へ)- TwoRivers自由詩12*23-7-3
陽の埋葬- 田中宏輔自由詩13*23-7-3
恭子ちゃん- けいこ自由詩9*23-7-2
距離- たもつ自由詩10*23-7-1
すかしっぺセンサー- イオン自由詩3*23-7-1
抱きたい- 夏川ゆう自由詩523-6-30
引っ越し- 短角牛自由詩17*23-6-29
レバナスの夜- 番田 自由詩123-6-29
えくぼ(ver.2)- 本田憲嵩自由詩523-6-28
小さな生き物- そらの珊 ...自由詩9*23-6-28
川のある街- たもつ自由詩723-6-28
じいちゃんが死んじゃった- 花形新次自由詩123-6-27
習い事- たもつ自由詩823-6-25
サザンオールスターズ- 本田憲嵩自由詩423-6-24
One_Day_- 空丸自由詩1623-6-22
テスト期間- soft_machine自由詩423-6-22

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