すれ違うバスに手挙げる運転手その手袋に染み付いた夏

図鑑開けばマツヨイグサの花の上カミキリムシが交尾したまま

くねくねとうるさい耳に触れながらオレンジ色の雲を見ていた

浜道の路肩にタ ....
はがされたばかりの空が、海が。詩へんをついばんだカモメのくちばしを読めばことばはなく、この街は。木洩れた庭先に女の子が水やりをする、ひかりに水をあげているの、と首を傾げる。チグハグなあいがまっ .... 知らない季節に
知らない人とすれ違う
のっぺらぼうの街を
毎日、行ったり来たり
そのうちに
私には顔が無くなって
泣くこともできない
ぽつぽつと
仕事に行ったり来たり
そのうちに
 ....
ビー玉とは不思議なものである。人工的なもののはずなのに、オーロラのような、雪のような、星のような、魂のような、そんな雰囲気を漂わせている。
ビー玉は、ロマンチックで、霊的で、生きていくうえで ....
朦朧と夜を徘徊した

あの日眺めていた月が堕ちてきて

治水が入れかわる

二日目には

新しい月がうまれた
公園には裸体がある
川のせせらぎの裸体に
虫の鳴き声の裸体
私もまた人間の裸形となって
身体中から言葉をこぼしていく
仕事の息継ぎのように
溺れまいとしてとった休暇
ここには社会がな ....
笑い声は好きじゃない
怒鳴り声も号泣も
演説も告発も
講壇やテーブルをガンガン叩くのも

古い写真の笑った顔が好きだ
どこかの いつかの 誰かさん

笑い声は好きじゃない
だけど幼子 ....
ウッドデッキの
木と木の間の細い隙間に
花びらがすすっと入っていくのを見た
少し離れたところから
目を凝らすと虫が抱えていたようだ
蟻にしては大きかった
ごく小さめの細身の黒っぽい蜂の ....
未知へ
タクラマカン砂漠を越えて
間氷期のほそい水系が
稀有のしばりとなるあたり

雪豹の瞳 罅割れて凍る水晶体
天山山脈から崑崙山脈へと
迂回するいのちの循環 
毟り取られた緑の草原 ....
夏の暑い日
しょっぱいおっぱい飲みたい
ぼくは泣いているのに
どうしてひとり置いてくの

病気がちな ぼくを
病院まで連れて行く
握った手が いつもより固く繋がれて
いつもより ....
土曜の昼下がり

アスファルトの水溜まりに

蝶々が舞っていた

ひらひらと ひらひらと

白線を追いかけ舞っていた

捕まえようとすると

ひらひらと飛んでいった

傘が ....
木々が襟を立てて拒む間
風は歌わない
先を案じてざわざわと
意味のないお喋りを始めるのは木
いつしか言葉も枯れ果てて
幻のように消えてしまう
すっかり裸になると
しなやかに 風は切られて ....
捨て石を書こう
ほらこんな形
見てごらん
ありふれてる
どこにでもある



誰かが、
僕が
君が



石を投げる




土煙
草の根
花びら
しも ....
ガラスのように光るその蛇は
青草の影を躰に映し
すべらかに移動していた
怖くはなかった
わたしを無視して
まっすぐ母屋に向かっていくので
なんとか向きを変えさせようと
木の枝で
行く手 ....
幸せになって
たいせつなお友だち

惜しみなくきれいなおいしい
飴をくちづけたい
そんなものまだ
わたしのなかに壊れきらず
のこっているならば

幸せとはなんだろうね
つらつらして ....
珈琲の渦の奥に一つ
小惑星が沈んでいます

あれは浮かんでいるのです(彼方側では)

音は滴り落ちるので
雨さえ頭上へと上がってゆきます

すべての事象があべこべなのです(此方側では) ....
昨日の大空にあった太陽の光には苦痛があった
今日の曇り空の太陽の影には物語がある
泣きながら飛ぶ鳥達が姿を消していく
街は何時も通り、目を覚まし
街は何時も通り、闇に狂うのだろう

瞬間は ....
突き動かされるように起き出して
昨日の残り物を食べている
いよいよ目がおかしくなってしまったかと思うほど
朝陽が濃い水色に輝いて
鉄臭いカーテンがそれにならってたなびいている

地獄のよう ....
宇宙に放り投げたリンゴのように
あなたに問いかけても遠ざかる
万有引力の法則が
あやとりの糸のように絡まり
浮かんでいくのは
最果タヒちゃんに
あんた、詩の才能0だね、辞めちまいな。
と ....
私は泣いた
君という海の波打ち際で

不器用さを
愛おしさから
短所に変化させたのは
慣れすぎた歳月と
甘えすぎた気もち

海辺に向かって
手を繋いだ瞬間を
覚えてい ....
ひらひらと横切ってゆく蝶々
つかまえようとして
伸ばされた小さな手
初めての夏という季節の光
街路樹の葉が落とす濃い影
見えない風の気配
蝉のなきごえ

お母さんの胸に抱かれた
その ....
つらいひとがいる
今は
わからないお母さんのごはんを噛みしめている

そういう日がこないように
噛みしめている

今日はなぜかお肉で、言い出せない
明日もなぜかきんぴらで、言い出せない ....
人々に笑われた裸の王様は
体調が悪くなって
王様をやめることにしました
そうして民主制の時代になり
人々はよい政治に変わることを期待しましたが
政治は混乱し
変化への希望は失望と不満に変わ ....
貝がらが君の右の手から放たれて、しなだれた花びら一輪を左の手から掬った。泣いてしまう前に話そう。潮の満ち引きのこと、涙の渇く早さのこと、月の光の明るさと甘さのこと、君との足あとのこと、私の .... 金色の髪を巻き上げた君のこと
小さい頃から好きだったんだよ
一緒にいた時の思い出はみんな
素敵なものばかりだったはずさ

カール 君がいなくなるなんて…
カール 君がいなくなるなんて…
 ....
飾り

選挙

電子的
木の高いところに骨がかかっていて
鳥が面白くなさそうについばんでいる
手にしたほうきでつついて落とすと
地面に落ちたそれは乾いて白い

夜中に夢から覚めて
台所で水を飲んで寝に戻る
さっ ....
朝は胸元を掻きあわせる、ひとりぼっちでうす水色の空のしたあるいている、しゃべることのできない胸のうちにぶらさがるのはサナギ、だまって羽化する日をまっている。夕暮れがきた、ほれ、いくつめだろうか、折って .... いくつもの門を通り
いくつもの問を越え
理解と誤解をなだらかに重ねては
綴り合わせる 欲望の道すがら
まるで古い雑誌の切り抜きや色紙を
ぺらぺら捲るような 陽気な悲しみ
目深に被り直して
 ....
君のうなじが
白くうつくしいので
ことばを失くし


つつじ柄の着物に
雨が落ちてくる
そっと和傘をひらく
しぐさに湿り気が帯びる


 四つ辻まで
 ご一緒しましょう ....
AB(なかほど)さんのおすすめリスト(2344)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
藪__より- 沼谷香澄短歌117-10-11
のっぺらぼうの街- かんな自由詩4*17-10-11
のっぺらぼうの街- 小原あき自由詩10*17-10-11
ビー玉- 水宮うみ散文(批評 ...6*17-10-11
月よ哭け- ツノル自由詩3*17-9-28
東ヶ丘公園- 葉leaf自由詩317-9-21
好き嫌い- ただのみ ...自由詩12*17-9-20
ウッドデッキの細い隙間に- Lucy自由詩17*17-9-19
水系- 白島真自由詩13*17-9-18
『しょっぱいおっぱい』- 座一自由詩9*17-9-12
蝶々- 星丘涙自由詩7*17-9-9
風の痛点- ただのみ ...自由詩18*17-9-6
捨て石- 黒田康之自由詩217-8-27
優しい人- Lucy自由詩18*17-8-26
- 田中修子自由詩12*17-8-25
加速する山羊の角- 黒崎 水 ...自由詩7*17-8-23
未来- 鷲田自由詩317-8-17
バンジー・キャット・ウィズ・スモーキングカタナ- カマキリ自由詩517-8-17
ニュートン- 5or6自由詩3*17-8-16
波打ち際で泣く- かんな自由詩11*17-8-9
青信号に変わるまでの時間に- そらの珊 ...自由詩18*17-7-28
きんぴら- nemaru自由詩1*17-6-25
その後の裸の王様- 眠り羊自由詩2*17-6-19
もう君の声も聞こえないほど- かんな自由詩4*17-6-6
カール- 1486 106自由詩717-5-31
平成29年5月28日(日)- みじんこ自由詩217-5-28
水鳥の夢- 春日線香自由詩917-5-27
ばらばら- 田中修子自由詩8*17-5-27
白い頂のよう- ただのみ ...自由詩16*17-5-24
つつじヶ辻- かんな自由詩9*17-5-24

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