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冬に一度だけ訪れる夏
ぬいぐるみを窓の外に向ける
雨だったから誰も気付かない
坊主よりも優しく
木魚を食むネコ

水の出ない蛇口
庭の雪の珈琲

あなたは消える蝶々を私にくれた
 ....
裏山の湧き水でできた小さな池に
動物たちの残していった
木の実が沈んでる

私は薬罐に水を汲んで
庭でとれた渋柿を置く

いつか絵が届いたら
匂いをかいでみて

今年もここで枯れ葉 ....
別れの手紙が届いて

窓ガラスの凍った朝に
きみは家を出る

食器も家具も置いて
チケットを握り締めて

雪の馬車に乗る


ここで変わるのね

未来から声がする
 ....
ひなげしの複製画
NORDISK FAXE2

呼吸器につながれて
静かに眠る男に
盲導犬が寄り添ってる

階段を上り屋上に出ると
冬の風が冷たく
月は高い

子供の頃に ....
星ラクダが膝を折り
どうと倒れた

砂漠の王は革袋の水を掌にとり
その口に差し入れる

盗まれた太陽を追い
千夜を駆けた

汗と砂で固まったターバンは
王冠となり

残して ....
惑星をつなぐ鉄道の中継地
真空チューブが
弦のように延びている

定刻をすぎても宇宙嵐で
発車の目処はない

電気石で火をつけて
炭素を吸う

外壁で散るホログラムの桜


 ....
ライトアップが終わると
足下の桜は消えていった

老婆は海側へと
手摺伝いに歩く

このまま
夏の花火を観たかった

美しい春の夜に
手をひかれながら







 ....
小学校の紙飛行機ブームのとき、
校庭からすこし離れた水飲み場で、銀杏を見上げて考え込んでいる少年がいた。
風に乗りすぎた最高傑作の機体を枝に引っ掛けてしまったのだ。

少年はカバンから堅めの紙 ....
もうずいぶん昔のことだけど、
中学生のとき2つ年上の友人と一緒に下校してた時期があった。
彼は色白で線の細い、ちょっと有名な変わり者だった。

どう変わっていたのかはうまく説明できないけれど
 ....
AB(なかほど)さんのmizunomadokaさんおすすめリスト(9)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ふゆあかり- mizunomadoka自由詩723-1-9
どうぞのいす- mizunomadoka自由詩16+19-11-12
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