僕の魂の一部が
川面を流れて行く
自信がなかったので
側にいる人に聞いたら
あなたの魂の一部です
と、確認してくれた
魂の一部はこのまま海まで流れ
小さな生物に消化や分解をされ
 ....
座るな、と
椅子が言う
お前の未来を知ってんだ

引きこもって
座りすぎて
腰痛になやんで
手術がいまいちで

歩けなくなる

だから座るな
と椅子が念を押す

頼ってくれ ....
遠のく遠のく
端折るは節なり
遠のく遠のく
ぐるり愚弄の
くぐもれくぐらせ
積もる紅とて
春よ春よと
枯れ草の聖なる
踏み絵の踏み締め
心音待てり
苔むす天の訴えたるは
舌の先に ....
朝、皆さんと交わす
おはようございますが
大好きでした
だから最後に
おはようございます
そして
さようなら
原稿用紙100枚400字詰めで4万語描かなきゃいけない
100年の生を貰ったとしたらそれを埋めなければならない
嫌だと言ってもたいした選択肢もないので

義務教育ですくすく育ちすぎたのに
生 ....
夜はいつも
路地の影
僕は喫茶店のガラスの
僕は 光だ
{引用=絶命譚}
 首の長い鳥の群れが土手の向こうへ降りて行く

旅人とは旅の途中で命を落とす者

どこで生まれてもどこで育ってもそこは故郷ではなく

どこに辿り着いてもそこは目的地では ....
そのとき私は十六歳で
まだ何も罪は犯していないと思っていた

電車に乗って席に座ろうとしても空いていなかったので
つり革をつかんだ
そして
向き合った席にいる人の姿に
私は驚いて
目が ....
 
 
塩水を買って帰る
安かったから、と妻に渡すと
またこんなもの買ってきて
そう言いながらも大事そうに抱えて
海に帰っていく
今日のおすすめはこれです
テレビの人が言った
(午前 ....
誰も帰らない家が在った
十年ぶりに男が一人帰った
その家を壊す支度に
雑草に覆われ
壁は罅割れ色褪せ


繁栄の代償に
突然選ばれた家族
怒りは擦れ違う
日々が過ぎても
これで癒 ....
つまらない物語りを懐かしい親愛なる君へ

村が危機のとき
残り日数わずか
偶然のルーンは
動き出している
金のことにしか
興味をしめせぬ
亡者はいらない
それでいいんだ
つまらない ....
人が笑っている
人も笑っている
空は何もしない
近所の人が歩いている
犬を連れている
性別は男とオス
海は遠い
(午前6:53 · 2021年2月3日·)


椅子が眠っている ....
あのときの写真みたいに笑いたい



僕はぼくの町を見ないで歩いてる



風に掻き消されても良かった言葉



月が居る 脳とか服の左側



この淡い色をそのま ....
本気になれない自分がいる
今風に表現するならマジになれない自分がいた

的が外れてしまうかも知れないけど
たとえば
逃げ場のないところに追い詰められても
自らの拳を振り上げて闘えない腰抜け ....
いまどき
おっぽろった釣り銭のために
自販機へ土下座しなきゃならないなんて
陰に指を差し込めば
なんだか懐かしい冷たさと砂の手触り
いつからいたのか
猫が
目礼をかわして飴色に消えていく ....
らいたーってしってるかい
かちっとおしたら
ひがつくやつさ
いうなれば
こうきゅうな
まっちさ
さくぶんとか
ごーすとのほうの
らいたーだとおもったかい
じつは
そっちのはなしでさ ....
ジャガイモの転がる農作業小屋にて
ハクビシンが
冷たく首を伸ばす

おのれの糞尿を
嗅ぎ直す
ハクビシン

ハクビシン一匹
板目に鼻を押し付けて
水をかぶるような恐怖であるか

 ....
船べりから身を乗り出した声帯は
のりしろを喪くした

カーペットにくっついた星屑
コロコロで綺麗にしたら
見たこともない骨片が紛れていた

とり散らかっていても
六芒星を宙に描く

 ....
何度でも間違える
言っても直らない
直す気はあるけれど
その場になると抑えられない
何度でも間違える
何度も同じひとを泣かせる
自分も泣けてくる
毎回後悔する
毎回決心する
そして生 ....
HRの時間になると
黒ヒョウが教室に入ってきた
あ、代わったんだ
担任の交代は初めてではないので
生徒らは慣れっこだった

まさか黒ヒョウだとは
黒ヒョウは静かに
教室を歩き回る
 ....
木洩れ日の揺れる小道に神様が、やはり現れてはくれず、けれど。
けれどとは言ってみたものの、やはり現れてはくれず、けれども。
今年新しい人が生まれる
かつてないほど平凡で
かつてないほど正常で
そうあることを祈っている
新しい人は
何も特別なものなどいらない
ただ平凡で正常であることが
私たちの願い
とびぬけ ....
からだのなかの一本の線が
二本になる

二つに別れたぼくは
一つの体

人と同じものが見えていると思うぼくは
人と同じものが見えていないと思うぼくは
二つが線の分だけずれて重なって
 ....
暮れる
時のなかで
凍土の冷たさの下に
埋められた思惟を思う
それらの骸の無念を
思わずして時は暮れることはなく
それらの物語の無惨を
録せずして時は回ることはなく
それでも日は沈み
 ....
蕎麦は空を見上げています
蕎麦は一年を振り返ります

良かったこと悪かったこと
価値基準を揺るがしたこと
明日が昨日みたいに思えて
前歩きが後ろ歩きみたいで
立体を平面で解説しながら
 ....
新種の蝶が留まったためか
髪型が変わったようだ
どの国の言葉で
あいさつをしましょうか
世界中いたるところで
黒ヒョウが増殖していて
会えなくなった旅人も多い
街中で出くわしたなら
小 ....
ね、みんなは、恐竜だったころをおぼえている?

むかし博物館に家族全員を、父がつれて行ってくれた。幸せな会話で窒息しそうな電車、はやく終わらないかな。
父はティラノサウルスが好き。わたしはトリケ ....
遥かな草原に立ち尽くす夏制服の、三限にて早退した僕の、幻影の。
四限のプールの、命の歓びの、それだけが心残りのような細き背の。
繭を羊毛を麻を綿花を紡ぐよに
するすると解けてきたのならいいのにね

糸巻き巻きを歌いながら

とんとん しゃー
とんとん しゃー

ひと目ひと目
一段一段
頭に図柄を描き
まだ ....
晩秋の古道を上り
辿り着いたのは
兵火で埋もれた廃寺近く
青い池がひっそりと
木立に囲まれて

残された伝説は
池の竜神さまから
祝いの膳椀を借りた者が
ある時 規範を怠り
きちん ....
AB(なかほど)さんのおすすめリスト(2344)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
つぶやかない(三)- たもつ自由詩921-4-14
椅子- 木葉 揺自由詩8*21-4-11
ソノシート- 妻咲邦香自由詩4*21-4-1
退職- たもつ自由詩6*21-3-31
ニュートンの運動方程式- 梅昆布茶自由詩1021-3-30
ミスドの夜- 番田 自由詩421-3-30
フラミンゴ酒- ただのみ ...自由詩2*21-3-27
アルビノ- 佐々宝砂自由詩621-3-17
つぶやかない(二)- たもつ自由詩1121-3-12
十年忌- 大村 浩 ...自由詩7*21-3-11
つまらない物語りを懐かしい親愛なる君へ- 足立らど ...自由詩221-3-4
つぶやかない- たもつ自由詩1221-2-21
月の裏側にある詩がほしいね- 水宮うみ川柳5*21-1-29
敗北者とか負け犬とか- こたきひ ...短歌721-1-10
遺失物- 飯沼ふる ...自由詩3*21-1-5
ふたごらいたー(ゴル投稿)- 高橋良幸自由詩1*21-1-4
ハクビシン- オイタル自由詩421-1-4
星の船- 道草次郎自由詩3*21-1-4
まちがいさがし- やまうち ...自由詩121-1-4
担任代行- やまうち ...自由詩321-1-4
けれども- クーヘン自由詩3*21-1-3
新しい人- 葉leaf自由詩221-1-3
この海の中で。- プル式自由詩2*20-12-31
暮れる- 岡部淳太 ...自由詩3*20-12-31
蕎麦ラプソディー- ブルース ...自由詩2*20-12-30
新しい髪形- やまうち ...自由詩220-12-25
卵化石- 田中修子散文(批評 ...14+*20-12-25
早退- クーヘン自由詩9*20-12-17
悠久錦- 鵜飼千代 ...自由詩15+*20-12-14
椀貸し伝説- もちはる自由詩5*20-11-22

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