むかし
私は反戦の詩ばかりを書いてました
他人の真似をして
だけど浅い心の底では
平和は水や空気と一緒でした

むかし
反戦詩人だった私も
今は救いようもなく歳を重ねてしまい
ただの ....
埋もれた一粒の麦のことを
考えている

踏み固められた大地から
顔も出せず
根をはることもなく
暗澹とした深い眠りのなかで
郷愁の念を抱いているのか
夏天に輝く手を伸ばし
希望の歌が ....
『わかりやすい労働基準法』というタイトルの本はあるけれど『読んでしまうでしょう』というタイトルの本はない。仮にあったとしてもそれは『呼んでしまうでしょう』であったり『混んでしまうでしょう』であったり『 .... 溺れないようにもがく
ここにあるものは肉体と
満たされない空と
注ぎ足されつづける水

酸欠の頭で考えることは
誰が注いでるとか、
どこまで行くのかとか、
そんなことではなくて ....
遠い昔の秋に 落としていった 気持ちが

時折戻ってくることが ある

寒くなってきましたね 君は今でも生きていますか

君の声さえ 思い出せないけれど

心臓の 小さな痛みは 覚えて ....
これが言葉になった言葉
話しようもなく
離しようもない言葉
待つもののない
またたきの言葉
吹き飛びそうな夜景に
意識を委ねて 黄昏ている キラキラ
眩しい雨を帯びた 人生の海岸を踏む

言葉が宙を舞って 振り返る隙もなく
嫌われて ていう妄想ばかり 宙を漂って
結局今何もしてい ....
 鏡に映る自分の立ち姿にあなたの面影を重ねる。
 こんな秋の夜長には。
 
 家中の時計が鳴り響く。
 おまえは時を刻んでいればよいものを。

 ポーの描いた大鴉か、リヒテルの奏でるラ ....
こいつ分かってるじゃねえか

本能なのか

統計なのか

確率なのか

こいつ分かってるじゃねえか


いじらしい

可憐な花が

崖っぷちで

海からの

風に ....
三日月の夜にだけ零れ落ちる
月の雫を浴びた花のことを
この地では月花と呼ぶ

その花を煎じて作られた秘薬は
古くから健康長寿の源として
月夜の民に親しまれてきた

真面目に働き旅人にも ....
立ち入り禁止のビルに忍び込んだ真夜中
インスタントラジオからの呼び声を頼りに
僕達は星が一番近くで見える屋上を目指した
星座の名前なんて何一つ知らないままで

手すりから身をのりだして大声で ....
ねむたい灯りのすべてにいちいち
湿度や数や記号がついている
おもえば ずうっとまえ
まぶたがまだ無かったころから
ふえることが課題だった
ふえ、進むこと

まだいくらでも捨てるものが ....
見とれていたんだろう
月に
いいんだよ、急に猫に戻らなくても

猫は「え?」って顔をして
猫ですけど?って言いたいみたい

邪魔はしないよそれじゃ。また

子育て大変かな
長いこと ....
着衣のマハ、裸のマハを描いたゴヤに
魅了されて牢固(ろうこ)ちゃんは
うちで戦っている
引退宣言もあまり伝わって居ないようで
性懲りもなく再び詩作を始めるが
連絡帳には「ガーデン」の単語が
 ....
死ぬ時は死ぬ時の
風が吹くのではないですか
内側の草むらが騒ぎ
いくつかの虫が飛び上がるのでしょうか
あれは何? 毛布?
黒い毛布を吊るしてカーテンにしてください
瞼の上から光が眩しすぎる ....
歩いてきた道を引っ張ったら一本のロープ
あなたの道はからまって寒い夜の吐息
手を離せばロープはひらひらと花びらに変わり
あなたは残された花芯
それから間もなく雪が降り積もるから
真っ白な世界 ....
8憶光年離れた所から
昼寝中の僕の所へ
死んだ母親がやってきた

わざわざ
「もう、あなたのことを守れない。」

言いに来たのだ
天井に映る暗い顔

約束が違うな
思いつつ
 ....
西で三角形がもえつきると
靴ひもはぐすぐずほつれ
朝は 鳥たちの夢になる

はばたく
さいしょの一羽が泣いていて
さびしさは空をあかくした

群れは ゆっくり
ゆっくりこま切 ....
雲の切れ間から
青が光って覗いている
俺はくたびれ脱力して
道端に腰掛けている
わけの分からない宣伝カーが
ゆっくりと通り過ぎて行く
ひんやりと動かない空気
傾きかけた太陽
何も変わら ....
いびつに切り貼りされた現実の、ぺらとぺらのすきまにきみはしがみついていた。きみの顔をのぞくこの瞳はさながら怪物に見えるだろうか。差し出した爪の先を巨大な肉切り包丁とたがえるだろうか。鏡なんて当てになら .... ○「情報過多」

朝インターネットでニュースを見て
それをまた朝の新聞で読んで
それをまた朝のテレビで見て
それをまた昼のテレビで見て
それをまた夜のテレビで見る
リタイアすると情報過多 ....
遠い声を聞いた 海の底のようなはるかな声だ
耳に残る 今はおぼろげな記憶のようだと
貝殻の奥にある秘密の旋律のようだと


遠い道を歩いて抱いてしまった憧れに逢いに行く
人々が集って来る  ....
恋人は路地裏をゆく冒険者


恋人の地球をはみだしがちな足


恋人の瞳で暮らす小人たち


恋人が銀河で鯉を釣っている


恋人が夕陽に向かって走り出す


恋人の心に ....
クロワッサンの
生地を丸める時

過去と未来を
決めなきゃならない

左に置き忘れた
約束は
右へ向かってく
希望の尻尾と

同じ味なのに
心が違う

クロワッサンの
生 ....
半球を描いて
鰯雲が流れていく
哀しい目の名無し人は
気付けば人波に逆らって
鰯雲の後を追う

途方に暮れてあてどなく
ただひたすらに勇気持ち
座(すわ)ろうとすると
私の椅子に浣腸の指が
置かれて居て座(すわ)りづらかった
しまった旧石器人に浣腸された
新人のクロマニヨン人である私は
普段から旧石器人である
旧人のネアンデルター ....
 よく晴れた十月の午前
 山の上の一軒家にひとりで住んでゐる松倉さと子さんのところに
 郵便局員がたずねてきた。

「ごめんください、お届けものです」
「あら、何でせう」
「どうぞ ....
雀ほどの大きさの塊が手の中にある。線路に沿って歩くと片側がコンクリートで補強した斜面になり、さらに行くと竹藪の奥に家屋や井戸が打ち捨てられている。その先には登山道に続く道端に白い花の群生。あそこまで行 .... ゴールデン街の飲み屋には
色褪せた「全員野球」のお守りが
ぶら下がり
小窓のぬるい風に、揺れていた
灰色のまちが

悲しくも懐かしくも

なさそうに佇んでいる

言葉でそれをとらえたとて

電車からじぶんの職場を

見てゆき過ぎるようなものだ


世のため人のために君は生き ....
AB(なかほど)さんのおすすめリスト(2382)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
昔話とその後- こたきひ ...自由詩418-10-31
一粒の麦よ- 帆場蔵人自由詩16*18-10-31
隆盛人間ゾーン- 腰国改修自由詩2+*18-10-29
輪廻に溺れる- 新染因循自由詩618-10-29
秋の空気と君の記憶- 赤椿自由詩218-10-27
ノート(ふりくる)- 木立 悟自由詩318-10-27
蜂蜜- ふじりゅ ...自由詩418-10-27
どこかのレクイエム- ヒヤシン ...自由詩11*18-10-27
こいつ分かってるじゃねえか- 吉岡ペペ ...自由詩518-10-26
月花- 1486 106自由詩9*18-10-25
タキオン- 1486 106自由詩2*18-10-23
ふえる- はるな自由詩518-10-22
白月- 腰国改修自由詩3*18-10-20
牢固ちゃん- 間村長自由詩5*18-10-20
Ktの死- 春日線香自由詩518-10-20
新しい道- 腰国改修自由詩4*18-10-19
約束- ゴデル自由詩3*18-10-19
- はるな自由詩518-10-19
道草- ひだかた ...自由詩13*18-10-18
親愛なる虚像たち- 青花みち自由詩2*18-10-17
独り言75集_- zenyama太 ...自由詩118-10-17
遠い集会- 石瀬琳々自由詩17*18-10-17
恋の人- 水宮うみ川柳3*18-10-16
- ミナト ...自由詩318-10-16
名無し人- ひだかた ...自由詩5*18-10-16
失望した- 間村長自由詩5*18-10-15
やさしい世界の終はり方- 石村自由詩25*18-10-14
南の信仰- 春日線香自由詩10*18-10-13
お守り- 服部 剛自由詩4*18-10-13
誰かのために- ペペロ自由詩318-10-11

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