帰宅ラッシュの車両
 油っぽい空気の中
 違う体が欲しいって思う

 座席には
 よれよれの背広に
 薄くなった頭を並べて
 眉間にしわを寄せて目をつぶっている
 サラリーマン達 ....
工事差し止めである。
佐賀地裁英断である。

たとえ94パーセントが
完成されているとの報道が
なされてるとはいえ

昭和23年から
営々と続けられてきた
ゼネコン優遇の愚と
アセ ....
遊ぶたましいの
フラフープ

描く線は
深層の知恵の輪

ほどけなくても
いいんだ

高速で
低速で
果てなく回れ

僕のフラフープ
今日
歯車の音が
聞こえました
かちり、と

有無を言わせぬ
確かな
ひとこま

わたしの
こころで
戻れない
何かが

そう
ほんとうに
おわったんだね、と

か ....
スチュワーデスさん、とスチュワーデスに声をかけると
私にはケイコという名前があるんです、とそっぽを向かれる
今度こそ間違いの無いように、ケイコさん、と呼ぶのだが
ケイコは押し黙ってしまう ....
指でかきあつめた空を
誰かが道ばたで食べている
遠い指の跡を見上げながら



傾いだ光ばかりが降り立つ
目の前にのびる一本道は
どこにもつながっていないように見える

 ....
ダサい名前
酔っ払って
あんた誰?みたいな中年男と
駆け込んだボロい部屋

例えばそこで
一発済んだあと
がたがた動くベッドに不審の念を持ち
マットレスを上げてみたら
ベッドの下に
 ....
親を恨んでいるのは、わたしですか
モノローグ

あんたであるということを、認めれば楽になれると
京都の裏町の、将棋うちのおやじはいう。
へんだな、その歩の動き、そう歩くこと
進めないのだっ ....
                  「メリーゴーラウンド」 5

  記憶

怖いことはあんまりない
って言ったら
彼女が泣き出してしまって
それ以来
自分だけが知らないことについ ....
はじめてがいなくなってこまってます
なにしろそんなことは
はじめてで

自転車がなくなったら
あの公園がきゅうに遠く感じてさみしくなったみたいに

もしも神様がいなかったらどうしよう
 ....
ちのつながらないおとうとがいた

ちのつながらないおとうとは
赤い軽自動車にのってやってきた

ちのつながらないおとうとぼくは
かなりのなかよしだった

ちのつながらないおとうとは
 ....
うちのとけいは
3ぷんすすんでいる

わたしは
なおしたほうが
いいとおもう

ほんとの
じかんが
わからないから
盆休みだ。何して遊ぼう。
そうだ、かきものでもしよう。 「注1」
かきもの?
うーん、いい響きだ。もう一回いってみよう。
「かきものでもしよう」
うーん、すばらしいっ。
貧しくても虚栄心だ ....
 





貴方が唐突に「もう一度生まれ変わりたい」などと言うものだから私は着たばかりの下着を脱いで足を広げて貴方を呼んだ 「この中からやり直そう?」私が笑顔も見せず微笑むと貴方は一度頷 ....
朝は暗く
雨はまぶしく
片目をつむる



痛みのかたち
指でたしかめ
頭のかたち
指でなぞる



何を恐れているのか
頭は
握り拳のままでいる

 ....
からだが どうん、まばたきしたときの
あのせかいが まっぷたつ から、ゆうぐれて
頭から 地球の中心に ぐん、と押されると
わたし、いつも きまって あやまってしまう
ごめんなさい、ごめんなさ ....
ペン一本で食べていくなんて
まるで夢のような話だけど
これが二本になると
きわめて現実的な話になる
とはいうものの
アメリカ人の私にはちょっとつらい
デスネ
あまりに懇願されるので
試しに小指を与えてみた
男は急いで口に運び
コクリと飲み込むと
生あたたかい求愛がわたしに届く
唾液に光った男の喉をうっとりと通りぬける
わたしの小指

満たさ ....
わたしの好きなお月様は

すれ違い

先に明日にいってしまったので

わたしは一人で  

ただひとつ星を眺めています

この夜がやさしくて

手を離すのが 

いやで仕方 ....
商店街を抜けると土手の向こうから
途切れ途切れに提供のアナウンスが流れて聞こえ
江戸前のを再現した
真っ白い枝垂れ花火が降りました
わずかに遅れ耳に届く乾いた打ち上げの音が
昨日まで必死だっ ....
 占い師のバラードで混み始める市役所


 1/60億 分母そんなにいらない


 猫おっかけて風になったどうしよう


 「人間」だなんて、もっと軽々しい名詞でいい


 ....
{引用=
 花火の夜(江戸川)
       仲程


猫が逃げました
ボヤが出ました
便所は汚すな

親切な貼り紙のアパートの
隣の部屋の人の顔 
まだ見たことありません
 ....
母を見る
今日も
少し
年取ったようだ

年は
人から
何を取っていくんだろう

魂、みたいなもの?

何かが今日も
母から
少しずつ抜けてゆく
学校ひけたら
駆けていく
あの駄菓子屋は
今も そのまま?
鬼ごっこした
松ばやしは
いつの間にか
駐車場

それでも 
ここは あの頃の匂いがする

初めてキスした
公園の ....
4歳のこどもを
正面から抱っこすると
つい4年ほど前には
お腹の中にいたことなど
信じられないほど大きい

わたしたちひとつだったはずなのに
分裂したね
さびしいけどもう元には戻れない ....
国会図書館の蔵書を燃やしてしまえ

もっと分かるようになる

百年前の芸術なんて、

今生きている俺に一つも役に立たないじゃないか。



オレはボードレールとランボーと中也とキン ....
手のひらをすぼめて

夢を拾い集める

たんぽぽの綿毛をすくうように

そっと

そっと



そんなふうに

ことばを拾い集めて

ふうっと吹いたら

どこまで ....
ぶちあたる。
とにかくぶちあたる。
光ってはいるけれど
安っぽい弾丸。

蛍光灯の傘にぶつかる。
窓にぶつかる。
壁にぶつかる。
いちいち音を立てる。

緑金色の背中は
あれでな ....
においには
名前がないから
きみに伝えることは難しいねぇ
切なさにも
名前がないから
言葉にすることは大変だねぇ

すごく大切なものを忘れてしまって
忘れてしまった悲しさだけが残っ ....
午後7時 少しずつ夜はやって来るけれど
紫外線も もう無いし
絶好のお散歩タイムだわ と
犬を連れて 公園に出かけましたら
突然お腹が キュキュンと鳴って
薄闇に青くなる顔 犬 脅え
引き ....
AB(なかほど)さんのおすすめリスト(2384)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- マッドビ ...未詩・独白504-8-28
諫早湾干拓の- 草野大悟自由詩2*04-8-27
フラフープ- 松本 涼自由詩2*04-8-27
歯車- umineko自由詩404-8-26
スチュワーデス・ケイコ- たもつ自由詩5104-8-25
かがやきと指- 木立 悟自由詩504-8-25
ホテルフリーダム- チアーヌ自由詩8*04-8-25
裏町影- 石川和広自由詩2*04-8-25
記憶- アンテ自由詩13*04-8-25
「はじめて」- パール子 ...自由詩1004-8-24
「ちのつながらないおとうと」- パール子 ...自由詩1104-8-21
とけい- モエ自由詩504-8-18
けふのうた(散文バージョン)- みつべえ散文(批評 ...504-8-18
妊婦- ピッピ自由詩304-8-18
ノート(歩く)- 木立 悟未詩・独白304-8-18
ごらん、ゆうぐれる- みい自由詩68*04-8-16
文筆家の憂鬱- たもつ自由詩1104-8-15
美しき日々- 石畑由紀 ...自由詩3204-8-12
一人夜- 蒼木りん自由詩3*04-8-12
憂_夏- yozo自由詩304-8-12
Q- ピッピ川柳3404-8-10
ひとつの読み方_仲程さんの『花火の夜(江戸川)』- クリ散文(批評 ...704-8-9
母を見る- まつお自由詩604-8-9
- さち自由詩9*04-8-9
祭りのあと- チアーヌ自由詩1704-8-9
雑記- 馬野ミキ散文(批評 ...11*04-8-8
「_飛んでいけ_」- 椎名自由詩104-8-8
カナブン(百蟲譜33)- 佐々宝砂自由詩7*04-8-5
名付けられない雨のにおい_(詩)- クリ未詩・独白11*04-8-1
ごめんね。おばけ- 千月 話 ...自由詩1*04-7-31

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