ワイシャツに袖を通し
カーテンを開ける
陽射しがこれみよがしに降り注ぐ
俺は塾講師だ
自転車に乗り煙草を吹かし口笛を吹け
汗が滲む
郊外型スーパーの前 ....
小さな部屋から
見上げた夜空に
架空の乗り物
架空の星座
笑みのように燃えては飛び交う
カーニバル
カーニバル コンテニュー
小さないのち
小さなかたち
散り急ぐ ....
ある時ダヴィンチが
金魚鉢を眺めていると
金魚がウインクしたので
「魔が差したんだろう」
と思った
またある時ダヴィンチが
散歩をしていると
電信柱がおじぎをしたので
「人 ....
『夕焼けのポエットさん』主題歌
【A】
西日浴びて
ワタシ 来たわ
コトダマの国のお姫様
オレンジに染まる
ワタシ ポエット
右手 ....
空の色がじんじんしていた
夕暮れ烏の渡りなど誰も彼も無視してた
こんなことってない
彷徨う影は蝙蝠ではなく烏だった
本当は真っ白なはずだった
染みなどただの一点もなかったはずだった
嘘 ....
鉱 山 や 氷 河 期 抱 き 耐 え る 夏
網 戸 ご し 細 か い 夜 が 並 ん で る
盆 支 度 墓 の 間 に 間 に 少 女 た ち
盲 目 の 父 と ....
おはよう始業前のガソリンスタンドでカラスが歴史をつついている
彼は出発するつもりだ灰色と緑色の朝に スミレ色のまだ微睡んでいる空に
自分がどうすべきかをあまりにも性急に決めてしまったから
喉のあ ....
母方の祖母の雪江さんは
70歳くらいでガンで死んで
お通夜の次の日に突然生き返った
その時なぜか僕1人しかいなくて
雪江さんは自分の死化粧を見て
「えらい別嬪さんやなぁ」となぜか ....
二人で地面に小石を並べる
ひとつ、またひとつ
やがて円の形となり
収束していく始まりと終わり
夏の日
暑いね、という言葉だけが僕らだった
何故だろう
あんなにも
世界がありふれ ....
ケンカして
頭にきて
飛び出しては来たものの
あんまり夜が静かで拍子抜け
細くて白い三日月が見える
今この三日月をどれくらいの人がみてるんだろう
あの暗闇の天辺をアタシと同じ気持ち ....
駄菓子屋のおばあちゃんは、いつも居眠りをしていた。だから子供たちによく万引きをされた。ある日、閉まった店の戸に、閉店のお知らせと書いた紙が貼られた。子供たちはみんなが万引きをしたからつぶれるんだと思 ....
降りしきる雨の中
傘もささずに俺たちは歩いた
死ぬほど歩き続けた
けれどそれで
俺たちが死ぬことはなかった
俺たち いい奴だった
俺たち 輝いていた
俺たちは生の肉だった
俺た ....
はじめに
話し合いの仕方、を、考えてみる機会があったので、考えてみた。
否定しなければ、議論ができないなんて、さみしいので、
うまい話し合いの方法はないものか、なんて。
『話し合いの仕方、 ....
どうにもやるせない自転車です。雨水の玉つぶてなサドルの革を「そうでもなく茶色だ」と言って、拭き取ればままよ、と走りました。光、スロウ、アウェイ。そして溶解するするりとした残像を肴に、ウィスキーに言い訳 ....
ずーっと鳴いてる
引っ越しの後、ずーっと鳴いてる
集合ポストの下、ずーっと鳴いてる
探してる
■ 巨乳反対!!
サトエリは多分いい子みたいなんで嫌いではないが、しかしだ、
なんでキューティーハニーの身体にパタリロの顔がついてるんだ、と言いたい。
…と枕をかましたところで。彼女は「ナイス ....
●不眠羊
眠れぬ羊は何を数えるの?
「アンドロイドが1体、アンドロイドが2体…」
あまりに悲惨で眠るどころではありません
●三月うさぎ
三月うさぎが五月姫にふられて
年中四 ....
彼女と喧嘩して
いい加減にしろ
と怒鳴るつもりが
いい加減にすれ
と言ってしまった
こらえたがやっぱだめで
吹き出してしまった僕の
少し後に吹き出した君
ふたりで涙を流して ....
遥か西の国から旅を続けているマジシャンは
旅の途中で
マジックに使う鳩たちに逃げられてしまいました
それならば鳩を使わなければ良いのでしょうが
そのマジックは彼の最大の見せ場であり
....
ママが呪文を
唱えると
家庭は崩壊
する
風呂に入る前は 裸になる
これからきれいになる
通ってきて
よこ
子供ん頃から隣が冷蔵庫で
ここで服を脱ぐけれど
父親にも
裸を見せられないほど
洋服を脱いできた
風呂のお湯な ....
まろんまろんな、かなしみだ。貧血でクラリとするときのあたまのイメージは、からっぽでしょう。カウンターパンチで、どう?投げて様子見、投げて様子見で、過ぎていくは時計の針、折り折りだよ。四角いだけのビート ....
触れてしまうと
消えていくものがある
まなざしに耐えられず
溶けていくものがある
凍えるべきは
私の手だ
蔑むべきは
私の目だ
暗闇の中
独り 閉じ篭って
見据 ....
その喫茶店は
電車の形をしていて
街外れにぽつんとあって
わたしと彼のお気に入りだった
彼といるとき
わたしは何も知らない
女の子でいられた
彼は
はじめての人だったから
....
路地の暗がりで
キスされた
前頭葉が熱くなって
ぼうっとした
いや、前頭葉じゃないのかも
しれないけど
そして少し
体が
震えてる
とりあえずそのまま
わたしは宴会に戻 ....
東北自動車道上り線を
南下する
パーキングのチャーハンが食えたものではなく
ラーメンにしておけば良かったと
後悔する
しかし、男というものはなぜ
夫になったとたんに
人の運転に文 ....
はじめはわからなかった
仏舎利塔なのか
噴水なのか
生き物なのか
ひと足ごとにみえてくる
どうやら人らしい それ
まばらな街のあかりでは
まだ 性別はわからない
声をかけれるほど近づく ....
耳鳴りがする
ざざあ、ざあざあ
蝙蝠の日常へと
僕は誰にも視えない
夜と平行に砂浜を歩く
埋もれたかかとに被さる幻滅
底、がないのは右一里と同じこと
逆立つ産毛の感覚を
今はまだ捨 ....
で、10年後
仕事がない
月15万のテレフォンアポインタ
新宿 オフィスビル内での簡単・キレイなお仕事です
これ断らなければよかった
15万だと カツカツだから。
18万から探して ....
明日は燃えないゴミの日だから
人をまとめて
玄関に置いておく
翌朝
人はバラバラになっていた
どうも統率に欠けている
これでは回収してもらえない
結局 ....
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