一限目 美術
熟れすぎた柿の実のような夕陽が
じゅくじゅくと空を滲ませ
遠近法に習って雲は巣をはる


二限目 音楽
カラスの眼光から逃げるように
街の雑踏の中音を捕まえにゆく
アス ....
あ、
雨の夕刻は
アスファルト状の黒いノートにおいて
ひとつぶ、ひとつぶ、別々の
無数の濁点だ、





雨滴、
雨滴、
黒く
滲んで
広いひとつの痣として ....
砂漠を行く駱駝の群れにミサイルを撃ち込んだら
俳句爆弾が爆発して
飛び散った破片が合体して国語教師になった
「矮性種の鶏と書いてチャボと読みます」
それだけ言うと砂漠の砂と化し土に還って仕舞っ ....
とてもしなやかに
折れ曲がる森があったので
そうではない多くの部分は昼と呼ぶことにしていた
迷い込めない、かくれられない、だからみんな怯えて
おびえるべきであって


きみが ....
ポタージュが冷めるのを待てず
やけどする舌
冷たい朝に

湯気の向こうで
陽の光が磨りガラスにはじく
無邪気なほどきらきらと

関東地方の今朝は今年一番の冷え込み
半袖のニットを着た ....
++朝が無い++

  こころ風向きひとつ
  仕合わせも
  不仕合せも
  慈しみも
  憎しみも
  人は作り出して
  残酷すぎる現実さえ
  作り出して

  どんな人 ....
一番近くで、貴方を待っているからね―


過ちに会える街


【次は 終点 {ルビ蝶過=チョウカ}】

聞いた事の無い駅名だった。
3年間、生真面目で優秀な社員を演じ続けた僕は、 ....
 
掌は舟
温かくて何も運べない
体液を体中に満たして
今日も生きているみたいだ
塞ぎようのない穴から
時々漏らしながら

階段に座って
ラブソングを歌ったり
駅前の露店で
プラ ....
日曜日
午前11時

3日前の新聞
細く切り裂いてる

ときどき
思い出したように
朝食の皿
トマト
ブロッコリー
の順で口に運ぶ
最下位のウィンナー
干乾びてる

 ....
どこまで行ったら、安心できるのか
僕は知らない
俯瞰図は、耐えられずに大気圏で燃えてしまった
切な過ぎて
未確認生物を探すしか手が無い

谷川俊太郎の言う孤独はさわやか過ぎる
本当は ....
平たい海
穏やか過ぎて
生きてることが
煩わしい

貨物船が
買ったばかりの
絵具を広げながら
弁当箱みたいに泳いでゆく

潮風のしょっぱさは
ゆで卵のようだ
茹ですぎたパスタ ....
低血圧もなんのその
早朝から鳴く雀の子3羽
寺の境内にはススキが5本
日曜だから公園に小学生
休みくらい寝てりゃあええのに
ボールの音に、高い声ばっか
笑っても男か女かわからんわ

柴 ....
ふたしかな水を生きて
行方のどこにも底がない


くうかんを蹴りあげて
足音を確かめる
ひかりは、
柔らかくかげを踏んで
どこか遠い国になった。



どこまでも水。
ぼく ....
いま、わたしは
とてもかなしいのかな
うれしいのかな

シチューの丸く白いごぽごぽ
なにも変わらない、にちじょう。
そういえば今日は、しゅくじつだ
しゅくじつだった


おとといは ....
はねを生やして飛び立とうとするのは
なにも言葉だけじゃない
重すぎる心臓を
あかく吐き出しながら
お前のことを絵にするのは
いいかげんにしなくちゃね
お前はそう、
ひっそりとやさしいに近 ....
 いつも果物をならべている
 腐ったものはないか確認しながら
 ひとつひとつのウマさが
 きわだちゃしないかと
 あわよくば
 そう考え
 数秒後に忘れる

 これは仕事だ
 ....
どこの誰のせいで、とは言わないけど、つーか言えないけれど、私はこないだからだいぶおかんむりで、イライラしまくっている。イライラを吐き出さなくてもそれほど精神衛生を悪くするということはないけれど、少なく ....  
ニュースを繰り返す
缶蹴りの午後
配線のため

テレビを消す
敗戦が聞こえる
空に花が咲いてる

母はアンテナ修理する
一人しかいない
父を受信するため

カランダッシュ ....
世界を感じる旅に出た知己から、手紙が届いた。
写真が一枚同封されていて、白い息を吐く馬と白眉を垂らして笑う彼がいた。
手紙の文末には「君が好きそうな響きを見つけたので、一緒におくります」と書かれて ....
                 080830
              



想像外の知的生物
人類がアメーバ程度に喩えられる
完全立体知能を分散拡散透明化する
概念としての生 ....
「かんちゃんはさぁ」

まどろんでた保健室で突然に話しかけられたんだっけ。
アダムとイブがどうとか、
ノアの箱舟がどうとかこうとか、
新約聖書と旧約聖書の区別もついてない私には
さっぱりわ ....
ハシブトガラスのジョージが死んだ

浄瑠璃町の舗道の上に
骨の折れたこうもり傘みたいに
貼りついていた

アオサギのジミーが言った

南の島のまがいものの空に焦がれて
旅行社の馬 ....
先日の夜、だったかな。
それとも朝、だったか。

誰も食わねえ北海道みやげのわかさいもをバリボリやりながらテレビをみてたら、
すき屋のCMをやってた。有名な牛丼のチェーン店だ。
そこで俺は信 ....
なぜ、と
疑問を投げかけていたらきりが無いのですが
それでも脳内に渦巻いているそれらを
抑えておくのもどうも滑稽のような気がして
連絡帳を出すときにそおっと、
母の書いた言葉の後に慣れないボ ....
 孤蓬さんに指摘されてから何気無く現代短歌2008年4月号を読んで居たら、彼女の言わんとする事にフィットする例歌に出会えた様な気がしました。(彼女は私の短歌の文語口語の不統一を指摘して居ったのですが。 .... 生暖かい
風が吹く
油の臭いが
鼻をつく
イソメでぬめった
指先で
何本目かのビィルをあける


ゆらゆら
揺れる
電気浮き
つられた
人魂
ゆらゆら
揺れる

困っ ....
 
 
コインロッカーの側に
コインロッカーがあって
そのことだけが
片隅のようなところで
どこまでも続く
何もない、の人が
鍵を開けていく
と、少しずつ
指はあやふやになり
僕 ....
            080625




(ろくろの革を膨らます)

騰貴マネーが
ブリリアントな
ダイアモンドを
投げるのだとさ
どこでと問えば
とろろとろろと
 ....
ありがとう
僕らの朝食
光あふれる幸福な食卓に
小型の爆弾は落ちた

ばらばらになって美しく輝く体を
ひとつひとつ拾い集め
元に戻していく
どちらのものかわからないところは
昔のよう ....
静かな森の夜
美しい花々の庭を通り
白い砂利道を歩いてゆきますと
古びた像の前へさしかかり
ひとすじの風が
私の耳に何かを運んできたのです

はっきりとした意識はありませんが
ぼんやり ....
AB(なかほど)さんのおすすめリスト(2376)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
時間割- 湾鶴自由詩408-12-30
冬のカルテ- A道化自由詩1408-12-13
砂漠はサンド- 間村長自由詩208-11-17
白昼夢- しもつき ...自由詩30+*08-11-14
白く。いつかの、いつもの。- ku-mi自由詩21*08-11-10
誰か教えてくれませんか- yaka自由詩4*08-11-10
過ちに会える街- セルフレ ...自由詩308-11-10
空の匂い- たもつ自由詩4308-10-29
彼と日曜日- nonya自由詩8*08-10-22
人間の土地- 山田三平自由詩408-10-22
捨てるつもりで、海_- かいぶつ自由詩408-10-22
あれチャウチャウちゃう?(チャウチャウちゃう、柴犬や!)- 木屋 亞 ...自由詩2*08-10-21
生き抜くために死んでいる/きんいろの森/きんいろの波- 石田 圭 ...自由詩3508-10-14
1013- 唐草フウ自由詩9*08-10-13
光速の美夏- 石田 圭 ...自由詩2308-10-5
ワーク- 露崎自由詩308-9-30
今ここにある現実- 佐々宝砂散文(批評 ...18*08-9-17
カランダッシュと電波- 小川 葉自由詩4*08-8-31
カランダッシュと電波- 木屋 亞 ...自由詩8*08-8-31
カランダッシュと電波- あおば自由詩5*08-8-30
ナベくんへのながい返事- かんな自由詩15*08-8-29
風切羽- nonya自由詩6+*08-8-29
すき屋の真ん中で「何しとんじゃ吉野屋」と叫ぶ- 角田寿星散文(批評 ...25*08-8-29
先生、質問があります。- 笹子ゆら自由詩14*08-8-6
文語短歌の真髄か- 間村長散文(批評 ...3+*08-8-5
夜釣り- 北村 守 ...自由詩5+08-7-8
コインロッカー- たもつ自由詩8*08-7-6
ビスケットボール- あおば自由詩7*08-6-25
慰霊- たもつ自由詩1808-6-25
森のバイオリン弾き- 自由詩508-6-24

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