マンションの鍵を開ける
左手にぶら下げた金魚
学校の友達と
お祭りに行ったんだ
金魚すくいでね
僕が取ったんだ
リビングの扉を開けると
ママはソファーで横になっていて
つまらなさそうに ....
街灯の並んだ道を
一匹のかぶとむしが
低空飛行して進んでゆく
信号か何かの
赤い光を受けて
目玉も背中も
海老のようにぴかぴかしている
かぶとむしは
曲がり角で
ゆっくり ....
いまは更地になっている
高校の前から自転車で少しいったところの
あの荒廃した土地には
昔ジャスコが建っていた
しみったれた汚い店だったが
中にはフードコートもスーパーも
一応あ ....
むかしの校門の前で
待っていてください
パン屑を
ちぎって すてながら
むかえにいく途中です
遠慮はいらない
わたしは何度も何度もあやまるけれど
許してくれなくていい
遠慮はいらない
ちいさなからだに納まりきれない悲しさは
全部わたしにぶつけたらいい
遠慮はいらない
....
きみの首はしろくてほそくて
手折られるのを待ってる野菊の茎
だなんて
心底バカ丸出しな手紙を見つけて
真夜中にひとり
わたしはけらけらわらった
ああそうなのねそうなんだ
だからあのひとは ....
自分らしく生きようとしましたね?
失格です。
あなたを待つ部屋で
私は時々シチューを作ります
その時は月桂樹の葉を
一枚入れておくのです
入れると入れないでは
香りもずいぶん違うのですが
あなたのいない部屋で
私は夢を見るのです ....
寄り添いあう ところに
詩は ないのだ
という 逆説には
詩が ないのだ
という嘘には 詩もないのだ
(関連作品)
ガイダンスの話→http://po-m.com/forum/sh ....
エゲレスの偉い博士が
今やマーッドサイエンチストの親子になって
昔造ったサァァイボゥグ美女達の
手足をバラバラに切断して
目とか鼻とか髪の毛とかもバラバラに分解して
全部をうまいことつなぎ合 ....
セミの抜け殻を
たくさん集めて帰った
何となく
母にほめてもらえる気がした
母はパズルのピースが足りない
と探していた
父は受話器を握り
そこをなんとかお願いします
そう繰り返 ....
泳げないあたし6コース
魚のような君は1コース
ふたりを引き離すのは
4本の河
あたしたちまるで
織姫と彦星だよ
なぁんて考えながら
ぶくぶく
頭まで沈 ....
むねのおおきい女がすきだという彼
ちいさいちいさいむねの彼女
「どっちがすき? ?ひんにゅーのあたし ?グラマラスなあたし」
「2ばーん」
なんてやりとりで
彼女はすねて ....
死にたいと言う気持ちは病気
治すべき病です
人は生きる義務を背負って生まれてきたはず
それを途中放棄する権利は選択肢としてあっても
絶対引いてはいけないカードです
死は時々冬の朝の寝 ....
錯綜している視神経の
からまりあった編み目の間に
ちいさい魚が
かかっている
つめたいつめで
そっとつまんで
涙腺の中へ
放してやろう
水草があれば尚いいが
涙腺の底には
....
旅先の田舎のベンチで
君の名前を見つけたよ
夏子
いつたい誰が 断りもなしに
君の名前を書きつけたりしたんだ
(こんな色褪せた おんぼろベンチの
背凭れに 乱暴な稚拙な字で ....
ここは北窓で
日の光は入らない
暗闇で飼い猫のニンが目を光らせて泣いている
腹が減ったのか?
お前はよく食うな
今の天気はどうだろう?
一日中暗い部屋では天気が ....
ついに飛ばされた/待っていたのかもしれなかった/
この時を/この場所を/
<ああ ふたつめのじんせいはひとつめよりもはやくおわるなんて>おもしろいね</ああ>
フラッシュからブラック ....
昨日久々に出会った無限は
疲れ切った顔をしていた
巨大な影を携えて
途切れ途切れの息でこう言った
歴史はどんどん積み重なるだろう?
例え世界が有限であったとしても
時間は永 ....
ふるい手紙を火にくべたんか
けむたい朝に眼をしょぼしょぼさせとんね
一番遅くに寝たもんが
一番早くに目を覚ます
土鳩鳴いとるよ
くるくっく
卑しい国には正しい言葉なんてありゃあせん
....
画用紙に書いた
鉛筆の線が
摩擦でだんだんとぼやけて
気がつくと
きれぎれの線になって
離れてしまうように
私たちは
逆らうことなく
離れていったはずなのに。
ほとんど残って ....
さよならと書けずにsayonaraと書く僕らのポエムは今日も悲しい
鼻のにきびをさっきから気にしてるあなたは僕の大切な人
誰にも食べさせないよと子牛を抱きしめ泣いた従兄弟と ....
メモ帳のハジッコを食いちぎる足が
ある
過去帳の真ん中に指を突き立てて
先祖の位牌を燃やす
あれは
おれは
過去から来たのではないのだと
ググったら855件もでてきやがった
過 ....
わたしが恐れるのは、
綺麗につぎはぎした
現実とヴァーチャル
を、生み出す力
怖いほどなめらかな
球面ばかりの世界は
近未来というらしい
さよならを言え ....
{引用=↓↓ありがとうございます 一番下から空にむかってお読みください↓↓}
☆
....
ピースチーズフォンデュ
おまえがやっとそれ無しで寝れるようになった
おまえのお気に入りのタオルケットは
おまえのアルバムと一緒に
大事にしまっておきます
おまえは
僕の ....
目の前に広がっているこの海を
神秘的という言葉で片付ける
向こう側の世界なんて
想像する事しかできないから
こちら側では
とても小さな世界があって
誰が望んでいなくても
救いようもな ....
駅前の寂れた広場
少年がギター片手に
この世の終わりを歌っている
死んだ魚の目をしている
完全だろうが不完全だろうが
事態はすでに起こっていて
動いていて生まれては無くなっていて
....
{引用=わたしのからだが
一秒ずつ 剥がれて
浴槽の底に積み重なる
さわると
あかるい蛍光灯のように
熱く ひかり
はじかれたとおもうと
くたり と しおれた}
彼のみぎは ....
リチャードカールソンは言った
期待を捨てれば
自由になる と
あたしは頷いた
自由になるためなら
何でもする と
けれど彼は言った
自由になれるという希望が
また期待でもある ....
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