ある人から
窓をもらっていたことを思い出して
とりだして開けてみた

窓の向こうは
地平線まで何もなく白い地と
日も月も雲もない白い空

ふとその地平線に
何かの影があらわれた
だ ....
昨日と何も変わらない
今日が昨日の続きに過ぎないからか
しかし今日が明日に続いてくれるとは
限らない

時間の経過を知りたくて
時計を見る習慣
昨日吐いた息と
今日吸った息

遥か ....
○月✕日
今日も駅の伝言板には何もない

無人駅の清掃員である私は、日々をつつましく地味なものとして過ごしていた

今日も今日とて、粛々と退勤時間を迎えようとしていたのだが、そんな私のもとへ ....
 年賀状の写真に見慣れぬ子供

 のんびりしたくて新幹線に乗る

 本当に悲しい曲はメジャーコード

 先を越されてやりきれなくなる

 年賀状の写真に見慣れぬ犬
枕投げをやっていると
時折弓が返って来る
ジニーの世界だ
ビルがハーモニーを奏でていた
ルビーの指輪を歌ってから
再び枕を投げると
今度は虚無が返って来た
壁にビールを塗っていると
風 ....


生きていることを楽しもうと、生きてみる。
すると呼吸がよそ行きの顔をする。夕飯が腸のなかで踊りをおどる。心臓がメトロノームになる。
段々、生きているだけで満たされていく自分が浮き彫りにな ....
水面を何度も跳ねる小石のように
弾けて走って抱きついて頬を合わせて
近づいてまた離れていく潮のように
傍にいてでもそのままひとり自由でいて
嵐の中でうねる波が静けさを取り戻すように
圧倒的に ....
森がありました。
そこでは陽もたいそう愉快そうでした。

何処からか陽気な小人が三人やって来て、素敵な小屋を建てました。そこで三人一緒に暮らし始めたのです。

ある嵐の日のことです。森に雷が ....
さかなでした
嘗てわれわれは
暗やみでひしと絡みあう一対の魚でした

今では
そのさかなをたべて暮らします

はい
時が経てば
青天井の惑星というわけです

分かっています
 ....
僕の魂の一部が
川面を流れて行く
自信がなかったので
側にいる人に聞いたら
あなたの魂の一部です
と、確認してくれた
魂の一部はこのまま海まで流れ
小さな生物に消化や分解をされ
 ....
座るな、と
椅子が言う
お前の未来を知ってんだ

引きこもって
座りすぎて
腰痛になやんで
手術がいまいちで

歩けなくなる

だから座るな
と椅子が念を押す

頼ってくれ ....
遠のく遠のく
端折るは節なり
遠のく遠のく
ぐるり愚弄の
くぐもれくぐらせ
積もる紅とて
春よ春よと
枯れ草の聖なる
踏み絵の踏み締め
心音待てり
苔むす天の訴えたるは
舌の先に ....
朝、皆さんと交わす
おはようございますが
大好きでした
だから最後に
おはようございます
そして
さようなら
原稿用紙100枚400字詰めで4万語描かなきゃいけない
100年の生を貰ったとしたらそれを埋めなければならない
嫌だと言ってもたいした選択肢もないので

義務教育ですくすく育ちすぎたのに
生 ....
夜はいつも
路地の影
僕は喫茶店のガラスの
僕は 光だ
{引用=絶命譚}
 首の長い鳥の群れが土手の向こうへ降りて行く

旅人とは旅の途中で命を落とす者

どこで生まれてもどこで育ってもそこは故郷ではなく

どこに辿り着いてもそこは目的地では ....
そのとき私は十六歳で
まだ何も罪は犯していないと思っていた

電車に乗って席に座ろうとしても空いていなかったので
つり革をつかんだ
そして
向き合った席にいる人の姿に
私は驚いて
目が ....
 
 
塩水を買って帰る
安かったから、と妻に渡すと
またこんなもの買ってきて
そう言いながらも大事そうに抱えて
海に帰っていく
今日のおすすめはこれです
テレビの人が言った
(午前 ....
誰も帰らない家が在った
十年ぶりに男が一人帰った
その家を壊す支度に
雑草に覆われ
壁は罅割れ色褪せ


繁栄の代償に
突然選ばれた家族
怒りは擦れ違う
日々が過ぎても
これで癒 ....
つまらない物語りを懐かしい親愛なる君へ

村が危機のとき
残り日数わずか
偶然のルーンは
動き出している
金のことにしか
興味をしめせぬ
亡者はいらない
それでいいんだ
つまらない ....
人が笑っている
人も笑っている
空は何もしない
近所の人が歩いている
犬を連れている
性別は男とオス
海は遠い
(午前6:53 · 2021年2月3日·)


椅子が眠っている ....
あのときの写真みたいに笑いたい



僕はぼくの町を見ないで歩いてる



風に掻き消されても良かった言葉



月が居る 脳とか服の左側



この淡い色をそのま ....
本気になれない自分がいる
今風に表現するならマジになれない自分がいた

的が外れてしまうかも知れないけど
たとえば
逃げ場のないところに追い詰められても
自らの拳を振り上げて闘えない腰抜け ....
いまどき
おっぽろった釣り銭のために
自販機へ土下座しなきゃならないなんて
陰に指を差し込めば
なんだか懐かしい冷たさと砂の手触り
いつからいたのか
猫が
目礼をかわして飴色に消えていく ....
らいたーってしってるかい
かちっとおしたら
ひがつくやつさ
いうなれば
こうきゅうな
まっちさ
さくぶんとか
ごーすとのほうの
らいたーだとおもったかい
じつは
そっちのはなしでさ ....
ジャガイモの転がる農作業小屋にて
ハクビシンが
冷たく首を伸ばす

おのれの糞尿を
嗅ぎ直す
ハクビシン

ハクビシン一匹
板目に鼻を押し付けて
水をかぶるような恐怖であるか

 ....
船べりから身を乗り出した声帯は
のりしろを喪くした

カーペットにくっついた星屑
コロコロで綺麗にしたら
見たこともない骨片が紛れていた

とり散らかっていても
六芒星を宙に描く

 ....
何度でも間違える
言っても直らない
直す気はあるけれど
その場になると抑えられない
何度でも間違える
何度も同じひとを泣かせる
自分も泣けてくる
毎回後悔する
毎回決心する
そして生 ....
HRの時間になると
黒ヒョウが教室に入ってきた
あ、代わったんだ
担任の交代は初めてではないので
生徒らは慣れっこだった

まさか黒ヒョウだとは
黒ヒョウは静かに
教室を歩き回る
 ....
木洩れ日の揺れる小道に神様が、やはり現れてはくれず、けれど。
けれどとは言ってみたものの、やはり現れてはくれず、けれども。
AB(なかほど)さんのおすすめリスト(2382)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
窓のエピソード- 塔野夏子自由詩6*21-6-27
何も変わらない- こたきひ ...自由詩421-6-27
無人駅で- 渚鳥散文(批評 ...4*21-6-25
自由律俳句「食べられる退屈」(37)- 遊羽俳句121-6-25
私は青空を手に入れて- 間村長自由詩621-6-19
4.23メモ- 道草次郎散文(批評 ...8*21-4-23
春の海に小石を投げる- かんな自由詩321-4-20
メルヒェン- 道草次郎散文(批評 ...421-4-15
宝石の星にて- 道草次郎自由詩321-4-15
つぶやかない(三)- たもつ自由詩921-4-14
椅子- 木葉 揺自由詩8*21-4-11
ソノシート- 妻咲邦香自由詩4*21-4-1
退職- たもつ自由詩6*21-3-31
ニュートンの運動方程式- 梅昆布茶自由詩1021-3-30
ミスドの夜- 番田 自由詩421-3-30
フラミンゴ酒- ただのみ ...自由詩2*21-3-27
アルビノ- 佐々宝砂自由詩721-3-17
つぶやかない(二)- たもつ自由詩1121-3-12
十年忌- 大村 浩 ...自由詩7*21-3-11
つまらない物語りを懐かしい親愛なる君へ- 足立らど ...自由詩221-3-4
つぶやかない- たもつ自由詩1221-2-21
月の裏側にある詩がほしいね- 水宮うみ川柳5*21-1-29
敗北者とか負け犬とか- こたきひ ...短歌721-1-10
遺失物- 飯沼ふる ...自由詩3*21-1-5
ふたごらいたー(ゴル投稿)- 高橋良幸自由詩1*21-1-4
ハクビシン- オイタル自由詩421-1-4
星の船- 道草次郎自由詩3*21-1-4
まちがいさがし- やまうち ...自由詩121-1-4
担任代行- やまうち ...自由詩321-1-4
けれども- クーヘン自由詩3*21-1-3

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