すべてのおすすめ
みつめれば、みつめるほど
世界は語る本となり
行間の道で草花の囁く秘密は
旅人の背に、託される
鍵をかけた秘密
ガラクタの木箱
*
テレビの闇
....
固く結んだ歴史の果て
柔らかな風を含んで君は花開く
大輪ではないが機知にとんだ
しっかりした花だ
空からやって来る言葉を迎えるために
僕らは産褥をしつらえねばならない
....
さみしいと
雪になる
凍えて咲く花になる
産まれて
すぐに旅立った
あの子の魂なのでしょう
てのひらで包めば
睦みあって水になる
笑って
消えてゆきました
ばぁちゃんの畑の相続に協力してくれてありがとう
叔母から感謝されて居心地が悪くなる
肝心な役割ができなかったと後悔しているから
故郷を離れて暮らす叔父から電話が架かってきたのは
お ....
塩を振られたなめくじは
縮みあがった僕なのです
縮みあがった僕だけど
今は一児の父なのです
一児の父であるならば
縮みあがった、この体
自分らしくのそぉりと
濡 ....
私の詩は
日々の呼吸のようなもの
幾千万も繰り返す
数え切れない吐息等が
ふいに光るように
今日も私は
まっさらに広げた
紙のスクリーンに
日々の場面を浮かべ
....
一年の内に どの位の季節を好きになれるか
と考えれば
春夏秋冬 四つに区切られるから
だいたい 四分の一の確率になってしまうこと
請け合い
一年を 各月に区切って 考えれば
1 ....
居酒屋にはいると男は
コートを椅子の背にかけ
焼酎と焼いた秋刀魚を頼む
それからラークに火をつけて
深く吸い、
重く吐き出す
カウンターに載せられたテレ ....
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木綿半丁の値段を御存知だろうか
極めて安価だ
「贅沢は敵だ!!」のスローガンは
今や復活を余儀なくされている
無資本の階層はそ ....
靜かな小夜の幕が落ち
氷がカランと啼きました
喉を刺すのは涙の小骨
盃を重ねど取れませぬ
刺さった小骨持て余し ....
光が次の
季節を連れてくる
風はそれを
押し戻そうとする
雨が次の
季節を置いていく
人はそれを
なかなか見つけ出せない
ひと雨ごとに
行きつ戻りつしながら
季節は摺り足で ....
唄う
地方都市のサラリーマンが
心的外傷もなく
向精神薬を服用することもなく
休日には家族と公園であそび
給料日にはささやかな宴をひらき
母が「膝が痛い」と言えば病院に連れて行き
....
おおらかでよく笑い
どこを見ているのかわからない優しい女性のように
いつもどこかで遠くからでもわかるように
こちらかあちらを向いてじっと佇んでいます
知らない街を心細く歩いていても
いつ ....
その夜半、電話が鳴った
冴え冴えとした月光の前庭を
一本の意図が貫いた時
女は不快な胃もたれの中で横たわり
じっと目を開けたまま
太陽の午後と雑踏の音楽を想っていた
女は喪服にアイロン ....
画家はさかさまの
恋人たちを描いた
恋人たちは
地に足が着いていないから
ということで…
となりに黒ヤギがいた
絵をさかさまにした
地に ....
不思議だ!
なぜか洗濯物をベランダで干していると
詩作のアイデアが浮かぶ
わたしの詩の神様は
物干し竿にぶら下がっているのだろうか?
わたしの長所は頭の悪いところだ
そのお ....
かくべきでない言葉を
のみくだせずにいる夜
また消化不良になって星をみる
あんな風に
あんな風に
その先の言葉もまた
のどの奥へながしこむ
底辺なんてありはしない
まるい世 ....
チャクチャクと
旅立つ
準備は
進みつつある
サラサラと
積もって
たまる
妙薬の瓶
ドクドクと
身のうちの血は
巡って
流れて
コツコツと
足音を鳴らせ ....
それはふるふると
震えて 膨らむ水滴のように
壊れやすく
ちりちりと 止むことのない
焼けつくような痛みでもあり
胸を締め付ける
救いようのない憧れだったもの
未熟だった孤独 ....
粉のような雪がふりだした
ながめるだけの 白い景色は、
確実なうつくしさと 堅実な
冷たさがある
雪はもう 私の部屋のなかにも
積もり始める
だから
私は、
青い柄のスコッ ....
なぐさめが
嘘だと知っていた
けれど
この世の中に
ほんとのことなど
在るのだろうか
わたしの躰に産みつけられ
冬を越した
薄黄色い{ルビ卵=カプセル}が
もうすぐ
孵化を始め ....
走った 走った
走った
久しぶりに
からだが重い
足が前に出ない
遅い 遅い
苦しい
苦しい 苦しい
苦しい!
でも
走る 走る
もう少し
もう少し
あそこまで
....
そのジャケットにはかもめが飛んでいた
水晶の静寂が永遠の砂から響いて
僕の胸ポケットの中には人生の請求書しかなかったのだけれど
静謐がほしかったそれ以上に孤独が
体のすべて ....
割り切れることも
腑に落ちることも
そんなにないよね
おう兄ちゃん
姉ちゃん
横から悪いが
割り切るとか
納得とか
そういうんじゃねえんだよ
飲み込むしかねえってことさ
こんなふう ....
降り続く雪に 何かあったのか
急に停電になる
夜の十時を回り 真っ暗
のはずだったが ほのかに明るい
雪明かりが 窓の外から輝いている
どこにもやりどころのない雪が
家の回りに山の ....
ひょい、と
放り投げた缶コーヒー
疲れた顔した
おまえはつかの間
あわてた顔になる
あわてた顔で
キャッチして
細く、
わらう
おまえの横に
しゃが ....
赤十字の理念は紛争や戦争の前線に於いても
独立と中立の姿勢を貫き助けを求める人を
平等に支援することだとされる
それは敵味方に別け隔たることはなく
傷ついた兵士も助けることだとも言う
....
忘れ去ることは出来ない
うしなって
刻みこまれた
命を
そよぐ草の青さ
宙へすいこまれる
むこうで
平原が
かたむいている
ひっそりと
ふってくる雪の音
つらぬいてゆく
道 ....
無骨な魂の素描をさらしたあの頃
恋は糖衣に包まれた苦い薬
駄々を捏ねても得られないものがあることを知り
喪服を脱げない大人になった
今 砂糖とミルクを入れてゆっくりとかきまぜる
あなた ....
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