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「準備中」看板ガチコン音も高くさしこめば
なんだこれ風はいつもよりも強く激しく午前四時
ガードレールの交通安全幟ばたたたた
何だってそんな風がひょうひゅう
どうしたって高ぶら ....
店一番の営業スマイル
気だるい顔して煙草呑んでる
店一番の品出しマシーン
メシ食うときは手際が悪い
店一番のクールビューティー
長テーブルでは陽気なおしゃべり
店一番の古株バイ ....
小一時間の散歩
誰かが
今日は降ったり止んだりと
言っていたのに
そのままふらふらしてたら
どしゃぶりのずぶぬれ
雨がぱらぱら
なんてこたあないさと
ふんふん歩いてたら
....
伊東の老舗・東海館で
和室の窓外に、ゆらめく川の{ルビ水面=みなも}を
一羽の白鷺が横切った
一枚の枯葉が今
枝先を離れ、ゆらめく川の水面へ
身を{ルビ翻=ひるがえ}し宙を舞う ....
暗がりの映画館で
白黒のスクリーンには
だぶだぶの燕尾服に
しるくはっとのチャップリン
ふらりと現れた酔っ払いと
ふとしたことから口論になり
胸ぐらつかみ、胸押しあい、もつれ ....
巨大な風車の影が
枯れた笹原と採石場と
牛舎の上を繰り返し通り過ぎて行く
くねくねと形を歪めながら
くねくねと
大地の歪みをなぞり
絶え間なく地を這う影は
まるでコトバ
人の心 ....
ホワイトデーのコーナーに
ふたり背の高い君
丸刈り真っ黒な君らが
微笑みながらえらぶ
リボンのついた箱
また相馬にいってくるよ
あなたは書いてくる
顔をあげて目にした
ギフトコ ....
季節の足跡が白い凍土となり
剥がれた絵の具のように
海鳴りが景色に仕方なく張り付いている
此処には君はいない
それでも此処は君のいた場所
今日君はい ....
ある、は動詞で
ない、は形容詞
おもしろいっすよねおもしろくないっすか
在ったら動いて
なかったら形になるなんて
いっぱしのブンガク青年を気取る
ぼくの話を聞きな ....
単純なことほど難しく
複雑なことは解らない
無器用なことを言い訳にしながら
いま退屈が僕を殺そうとする
出来ることと出来ないことの境目には
いつも壁があるから
仕方なく ....
人の心の中がわからないから
自分の心をのぞいてみた
おそるおそる
深い泉をのぞいてみた
みえないから
ほっとして
みえないから
さみしくて
だからみんな泣くのかな
だからみん ....
まっしろく
息を吐きながら
晴天の
した
軽く、
多くのものに
通過されながら
わたしは
光に
耳を
すます
たやすいものを
幾つも集めて
したしんで
....
○○○○
○○○○//
おい
なんや
鉄板熱かったな
たいがいやったで
最初は温うて気持ちよかってんけどな
後からたまらんかったな
けど我慢できへ ....
万頭の牡馬をかしずかせ
万頭の牝馬を従えて
万頭の仔馬を慈しみ
ホクトベガは
乾いた風の中に
立っている
時空の流れはひとつきりでなく
すこしずつ異なった世界が
....
?
漣の壊れた
三月の浜辺
に
カモメの死体が、
海岸線を歩く
足跡を残しながら
振り返る
消えている足跡
波にさらわれる軌跡 ....
スタートラインはみな一緒だった
だけど長く厳しい走破の途はそれぞれ
舗装された途を走るもの
獣道を注意深く走るもの
畦道を田圃に落ちないように走るもの
砂利道を痛みに耐えながら裸足で走る ....
遮断機が降りてじっと待つ
ここの踏切は駅の近くだから
電車はゆっくり通り過ぎるので
だいぶん待たされる
踏切の向こうにいる人もじっと待つ
がたんごとん
のろりそろり ....
そのあと
泣きながら話したこと
そのあと
青い空に憧れたこと
そのあと
たんぽぽの綿毛が優しかったこと
きみが傍にいたこと
本のあいだにしまい込んだきもちのこと
故郷という ....
空を見上げる
あなたの隣で
わたしは
深い海に沈んでいく
夢を語る
あなたの声を聴きながら
止めどなく
涙を流している
相容れない
対極の感情がある
二分化した心は
....
鉛色の空に佇む
影法師がひとつ
アスファルトに落ちる
希薄な空気を呼吸をして
吐く血痰
地べたを這う風に
ゆらゆらと揺らめいて
逃げ込める隙間を探している
瑕疵な魂は
誰にも ....
小銭を持って忍び込む
生臭い二つの身体で
薄汚れた僕らの下着は
日々の生の慎ましやかな残渣
死に対するささやかな抵抗
乾燥機をかけよう
余計な水分が
涙にならないよう ....
だらだらと生きている
のうのうと生きている
うだうだと生きている
世間を欺き生きている
自分を騙して生きている
笑いをつくり生きている
怒りを見つけ生きている
元気にみせて生きている ....
そう遠くない昔
高知県の海岸には
遠洋漁業で命を張ったお父やんたちが
子どもの土産にと連れ去って帰った
ペンギンが
うろうろしていたそうだ
すぐに飽きられ捨てられて
浜に ....
忘れることはない。
毎年、この日が近づくと必ず思い出す。
忘れることはない。
忘れても、忘れても、思い出す。
忘れても、忘れても、思い出さざるを得ない。
毎年、毎 ....
めざしのような
ししゃものおなか眺めては
惚れたと思ったあの気持ち
いったいどこへやったのか
箸でみそ汁つついて探す
夕餉の残 ....
幸せの種が大空をゆく
見渡す限りの青に抱かれて
誰も知らない
遠くの世界へ
木々の間に揺れるブランコと
手を取り合って走る子供たち
まるで昔から
知ってるかのように
そ ....
きみが初めて憶えた言葉は『イタイ』だった
そしてきみが立っちしたのは病院の廊下だった
またきみは0歳・1歳・2歳の3回も川崎病にかかるという
日本タイ記録保持者になってくれた
きみは憶えて ....
意識の地中に
閉じ込められた想いは
言葉になることも許されず
凍てついた時間の底で
膝を抱え込んでいた
想い出したように吹く
溜息によく似た風を頼りに
出口を探したこともあったが ....
有機体に満ち溢れているのに
荒涼とした味を覚える
過剰な砂浜
砕けた白波は強風のしわざ
風が存在を知らしめるかのように
砂が無数の線となり砂浜を埋め尽くす
自分の意志で砂浜に立っている ....
陸に上がることなど望んでいなかった
沖から寄せる波に乗せられたのだ
いつになったら戻れるのか
オットセイだったら良かったのに
だが人の助けが無くては水の上でも
自由には動けない
ましてや陸 ....
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