すべてのおすすめ
名残の夕立に
消えていく
あなたが消え去っていく
ゴロゴロ鳴って
色とりどりの
ヨーヨー風船が落ちてきたような
夏の破裂音
軒下も見つけられずに
人気のない家の庭先にある
大きな木の下へ滑り込むと
浮世絵の世界が音も吸いこんでい ....
蝶は夏の光を泳ぐ
ふわり ふわり
目には楽しげで
花を愛し
仲間と戯れて
ときに人にも寄り
いのちの季節を謳歌する
さて黒い揚羽がまるで
....
唸りをあげる牛蛙に
鈴虫が息を潜めて
全休符を待っている
扇子を握りしめると
じわり
汗が手にかえってきて
適当に舗装された
あぜ道の輪郭がゆれて
溶け始めている
瞬間、 ....
夏の陽ざしは、いらだちの
Fucking hot
モーツアルトの楽の音は、
それを和らげる
そして 冷たいcokeと ひときれの青いパイ
すべては 「文明」 の、ほど ....
原色の風景が
真夏の陽光に
溶ける午後
愛の幻想に
溺れる男は
実像を求めて
海に潜る
捕らえた肉体の
乳房は溶けて
流れ去る
時を
遡行する男の
前をゆく実像は
....
ひもじいといって、啼く蝉はいない
白亜紀の時代から
ひとはひもじい生きものだったという
そのひもじさに耐えて、恐竜から逃れて
生き延びることのできる生きものだったという
生きて
生 ....
拡散する
薄く透明に広がって止まない 大地は世界は 逗留するには狭すぎるから
陽光は優しく乾いた匂い 風の中に見えるもの それを慈しんで生きてゆきたい
心は風 すべての物の中に 僕は生き ....
私のいないパーティーが盛り上がっている
心って
どんどん折れ曲がると
だんだんまんまるになっていくんだって
だからだいじょうぶなんだよ
きっと
だいじょうぶなんだよ
くやしい涙ごしにみた空にも
綺麗な星がたくさんあった
羽を
水とともに飲み
水とともに飲み
暮れは破け
むらさきを飲み
光をくぐるもの
目をそらす埃
自分の髪を自分で編む冬
ぬかるみの故郷に降りそそぐ朝
....
遠足だろうか。
赤白帽を被った小さな子供たちが公園ではしゃいでいる。
日曜日の山下公園は多くの人達で賑わっている。
一つだけ空いていたベンチに腰掛けて私は一人それを見ている。
私はどん ....
空が白く覆われた日には旅の準備をしよう。
そんな日はどんな自分に出逢えるだろう。
あなたはどんな態度で僕を迎えるのだろう。
きっとあなたの言葉を聞く為に僕は旅立つのだ。
窓辺から眺める ....
ぼくは もちろん きみじゃない
ぼくは もちろん あなたじゃない
きみも もちろん ぼくじゃないし
あなたも もちろん ぼくじゃない
けれどたったひとつ
ぼくにもきみにもあなたにも
....
不思議な朝
その日君は小鳥となって僕の庭から飛び去った
もぬけの殻の僕は夜通し泣いていたのだ
君と暮らした日々が心地よい音楽のように蘇る
僕達はアダムとイヴのように睦まじく ....
東には青色の竜
南には赤色の鳥
西には白色の虎
北には黒色の亀
そして
中央には黄色の麒麟
日本橋の
中央には翼を持った麒麟が
鎮座している
かつては
五街道の起点 ....
み●●●
●ず●●
●●か●
●●●ら
うまれた
るふらん
みずから
浮上する
レ●●● ....
ひかり
ワイシャツが透き通る
暑い夏
湿気が熱を孕んでいる
だから
日向も日影も暑いのだ
でも未来がくれば
ひかりに熱がなくなって
湿気もなくなって ....
ばいばい
さよなら
またあした。
けんかした日のかえりみち。
道端につぶれた{ルビ木通=あけび}
避けるようにとおります
ふんでしまったらさあ大変
靴の ....
人は必ず
先人の犠牲
弱者の犠牲
多くのものの犠牲
その元で生かされている
人は往々にして
日常に埋没してしまう
はらりと剥がれ落ちてしまう
見失ってしまう
怠惰な自分に気付 ....
時にゆっくりと或いは急に速度を増して上下する人生
君は金の木馬に僕は銀の木馬に くるくると廻り続ける 音も無く
それはやがて闇に溶ける 美しい二人の風景だ
まるで回文のように行ってはもど ....
風売りが辻々に立ち
夏商い
キンギョソウ浴衣娘
花穂揺らし
神楽坂は汗ぬぐう貌
険もなし
逃げ水の小路の先
だんまり暖簾の昼寝蕎麦
白の碁石の艶
黒の碁石の涼
盤に零れてぱち、 ....
首のない雛人形飾っている
愛すべき息子へ
いつも心にこの母の愛を感じながら
常に強く生きていなさい
振り返ることもせず
ただ前を向いて歩いていきなさい
現実を肌で感じ
夢を諦めそうに ....
心の中に闇があり
心の中に太陽もある
あなたのことを想う時
少しあったかくなるのは
太陽が加速したから
私が歩けば
心もころがって
ほんのすこしずつ丸くなると信じたい
....
もし僕が君の瞳になれるとしたら どういう世界がうつるんだろうか
もし君の心が盗めるとしたら どこに隠しておこうか
僕は身に余る沢山の夢を持っていた 海の向こうに新しい地平線が見えていた
....
仕事から帰宅したら タイマーでひんやりしているリビングに赴く
猫たちが 御主人様おかえりなさいなどと云わず
御飯くれ御飯!御飯!と絶対に云っている
暑くて疲れています
UVのパーカーを ....
御爺ちゃんは お魚を食べるとき それはそれは丁寧に
その骨をならべて
なぜか 零戦の話をしてくれた
骨のアーチを並べながら、「綺麗だ」「綺麗だ」と
繰り返えしながら 並べられる銀色
....
私の言葉の源はどこにあるのか?
3日間 眠り続けた
3日間 起き続けた
私の言葉の源はどこにあるのか?
3日間 凝視した
3日間 無視した
押しても 引いても
見えて来ない
私 ....
風の強い日に
海辺に立って
白い波を見ている
自信に満ちた背中を
女は頼もしく思い
額を押し当てた
その温もりを
今日は受け入れてやろう
振り向いて
女の肩を抱き寄せた時
....
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