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雨の日はビー玉に
世界を映して覗き見た。
このビー玉をくれたのは知らないおじさんで
両手に溢れるほどの色とりどりのビー玉をくれた。
雨の日は透明。
夕暮れは橙 ....
特別養護老人ホームで
夜勤のアルバイトをしている
夜勤明けに施設の門を潜ると
男子高校生が
度胸試しに
施設から出たゴミ袋
すなわち
うんこ山盛り袋にタッチしていた
元気な俺な ....
先が明るいから
感謝するような人生ではなく
感謝に満ちているから
先が明るいと思える人生がいい
そうしたら後悔や嫉妬や疑念
そんなものもなくなるのだろう
秋の光 ....
制服は重かった
着る理由も教えられないまま
私たちはだれもが脱げなかった
なにかというと並ばされた
振り向いて
目があうことがこわくて
ホントウノコトがほしくてたまらなかった
大 ....
車窓を流れ去る町々に物憂げな視線を送る
焦点は景色の向こうで結ばれているようだ
トンネルに入ると車内が暗がりに浮かんだ
どこかの窓が開いていて走行音が反響する
彼女の瞳が一瞬だ ....
冷えすぎません
電気要りません
上の空間に氷入れます
その氷が溶けるまでです
わたしがアイスボックスでいられる時間は
あなたからもらった
昨日の茉莉花が
せめて今日だけでも
芳 ....
雨の夜に思う 秋の初めの未だ残る緑の葉
鋭く細長い葉を纏った 細長き胴の先
風に振り乱だされる 白髪が如き穂
星も月も無く 徒に寂しく暗い野で
薄よ お前は そぼ降る雨に打たれ ....
あのときこうすれば良かった
あぁすれば良かった
後悔は先に立たず
息子の育児をやり直すことは出来ない
間違っていたこともいっぱいあったろう
やって良かったこともいっぱいあったと思う
そ ....
「スピリチュアル」
木の若芽
今吸った息
足にはねた雨
雲のうすいところをすけてさしてきた陽
みんな宇宙の愛
口や肌や目から ....
秋は正しくあらわれて
冬になるまでに仕事をする
暑いからいや
寒いからいや
そう言っていた君はいまどうしているんだろう
春には
あたらしいという言葉が
使わなければな ....
私に優しいあなたは
私じゃなくても優しい
それが悔しくて
唇を強く噛みしめる
ひとり占め出来ない男は
心を{ルビ蝕=むしばむ}む
胸が苦しいの
肌が紅く染まっていく
女の身 ....
もくもくと
香ばしい
秋刀魚の焼く匂い
くんくんと
昨日の秋刀魚は美味しかったねぇと
家族が昨日の夕飯楽しそう
もう秋だね
うんそうだね
優しい匂いが私 ....
嫁さんと周に駅まで送ってもらい
仙台行きの新幹線に乗る前
待合室で一人になって、はじめて
(今日で周は一歳か)という
思いがじわり・・・と胸に広がった
毎日嫁さんのやりくりで ....
夢をごらん
今の君だからこそ見られる夢を
その身に纏う翳りさえ透明なうちに
夢をごらん
翼ある夢を
コーヌコピアから溢れる花と果実に
彩られた夢をごらん
君の心から生まれつづける ....
カウンターのまえに生簀がある
生簀のうしろで二人の板前が
包丁を手にして僕たちの注文を待っている
弟と〈活定食〉というものを頼んだら
すかさず板前が網を持ち出して
生簀から魚を二匹すくっ ....
コスモスが道をふさぐ
迷っている私をみすかすように
濡れたコスモスが
ふれて冷たい
いかなくちゃ
そうおもうときほど
いかなくてすむ方法を
想ったりする
大人になるって
迷わ ....
書き留めた春は儚くて
夢香のように消えてゆく
さえずる鳥は初夏を待ち
孵ったあの日を忘れてる
きらきら、と
ではない夜の星も
さやさや、と
ではない風の声も
きらきら、として
....
朝起きたら
おもいのほか寒かったのです
肩がひんやりします
すっかり秋ですね
早起きしても
ひぐらしの声はどこにもありません
朝起きたら
寝違えていたのです
眠りながら何かを間違う ....
私は決してめげない。
どんな事があっても
前を向いて歩いて行く
自分の進むべき道を行く
夢と希望を諦めない。
夢が必ず現実になる。
そう思わずいられない。
自分が否定されても、
立 ....
それぞれの許されない世界は
こまるかもしれない
パートのないオーケストラは
ハーモニーを奏でない
ぼくは遇いたくない人間にはあいたくないと
思っている動物
話したくないのはぼく ....
人を
ただしい場面で
ただしい順序で
ただしい角度に
揺すると
泣く
そのただしさを
習得することを
愛とか技とか
呼ぶ人びとを
軽蔑し
憎んでいるわたしも
ただしい角 ....
秋とは肩を寄せ合い歩きたい
約束なしで出会っては
流れの渦に留まり続ける
紅葉とイチョウの落ち葉のように
ゆっくりと語り合いたいものだ
何一つ声に出すこともなく
....
発酵と腐敗は兄弟で
人間生活に有用なものは発酵
有害な場合を腐敗というらしい
母の遺産のふるーい缶詰がある日でてきた
台所のすみで静かに時を過ごして
僕と対面したわけだ
すでに缶は ....
ちびちび飲み
そろそろ帰る
ぽたぽた降り
ざあざあ降り
あ、傘忘れた
打ちつける雨
タクシー来ず
しぶしぶ歩く
びしょぬれだ
酔いが醒める
....
あなたの言葉にいつまでも続く永遠を感じ
あなたのぬくもりに限りある生命を想う
ありあわせのもので生きてゆく
冷蔵庫のなかにはあるいはいえのなかには
備蓄したもののない
こってりとした愛とか
ささくれだった笑いとか
スパイスをきかしたつもりの人造サラダ
気 ....
ぞろぞろと
つながって
生まれくる
かまきりの赤ちゃん
泡を固めたような
麩菓子に似た卵から
孵化してしまったら
もう戻れない
生まれた瞬間から
君たちは みなしご
風 ....
クロワッサンを
ココアにつけて
体も心も温まる。
眠くなり寝床へ
人を大切に思い
人に気を遣って
人の話を聞いて
人の為にいのる
何もできない僕
情けをかける君
心 ....
ココロのコエは
悪夢のような
繰り返し
始まりは遠く
際限はなく
ココロのコエは
真っ白く
しろくしろく
燃えつきたけど
なおしずかにひびく
ココロのコエは
今ここに ....
あなたの言葉が わかんない つまんない
そんなんもわからへんのかとか
もっと、つまんない
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