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クリーム色の明るい部屋
お遊戯をしている
「すずめの学校」に合わせて
動きにくい手を叩く
楽しそうに,子供になって
先生の動作をまねる
だんだん
ほんとうに楽しくなってくる
....
朝露に濡れた薔薇のつぼみよ
蕾の持つ美しさ
それは未来(あした)という一瞬の輝き
過去(きのう)は蓄積され
そして、沈澱してゆく
現在(いま)は消費され
過去の薄っ ....
さあ、どうぞと皿が私に差し出される
その上にきれいに盛られている
とてもいい匂いのする料理は
食べやすいように切り分けられている
中には苦いものもあるけれど
健康でいたいでしょう?
それを ....
私はね、
別にお金が欲しいわけじゃないよ。
昔のどうでもいいことを、
穿り出して責めたりしてごめんね。
こんなんでごめんね。
本当はね、
あなたの胸の中でわんわん泣けたらどんなに楽か、 ....
アスファルトに残された雨
今は水溜りと名を変えた
干上がりかけたわずかな身に
懐かしい空を映す
風の愛撫にさざなみながら
二羽のすずめが水浴びする
天と地といのちが戯れ交じり合う
明 ....
ずっと夢みていたの
赤いバラのアーチの下で
いつかあなたと恋におちる
凛とした香りにそまって
あたしは目を閉じて
ふるえながら待つだろう
あなたのしなやかな指が
....
嘘に嘘を塗り重ねて
このまま自分を守り続けたら
どこかから結び目がほつれて
するすると狡い中身が出てしまいそう
たとえほつれなくても
少しゆるんだ結び目の隙間から
顔を覗かせた何かしら ....
どこかに
わたしの詩を読んでくれる人がいて
わたしはその人のために書いたのでもないのに
ありがとうと伝えてくれました
それではだれのために書いたのだろう
もうひとりのわたしが
小さ ....
数秒間の家族愛の出来事
何気なくテレビを見ていて感動した
猛犬に襲われている幼児を助けるために
その猫は猛犬に体当たりした
そして
逃げる猛犬を数メートル追いかけ
すぐに幼児の元へ ....
貧困なボキャブラリーで言葉責めされている
燕 空をきりとり
風 わたる
空騒ぎの春は、とうに昔
何も始まらない日々
何も終わらない日々
お風呂の水滴
ぽちゃりぽちゃり
吐き出す日々の空しさ
ごぼごぼごぼご
お風呂は空っぽ
玄関にはスニーカー
一足ひ ....
白髪の師は
開いたドアに凭れて
私を待っている
次に私が
ドアを抑えて
青年を待っている
ほんとうのことはそうして
語り継がれてゆくだろう
ドアを抑えて立つ、私の傍らを
....
人に厳しい言葉をいただいたら
じっと…胸に手をあて
瞳を閉じ
遥かな山の合間に沈む
あの夕陽をみつめていよう
弱いこころの、{ルビ蟠=わだかま}りや
こびりついた、エゴまでも
あの夕 ....
さっき、
ガリガリ君買った時、
本当はビニール袋いらなかったんだけど、
2円引いてもらえるし、
で、悲しいことに、
レジのマイバックのカードがなくなってたから、
せーのって感じで、
あ、 ....
詰めが甘いな
将棋だったらもう詰んでるぞ
何てことはいつも言われ続けていて
マトッリクスに配置された理屈に囲まれている
将棋だったらもう何度も詰んでいるのに
僕の人生は続いている
....
*
光と風の音楽隊の
ゆるやかな旋律が
コンクリートの迷路に
色の音符を落としていく
緑はさざめき
花はときめき
道はほくそえみ
人の睫毛はほほえむ
*
渋 ....
140518
茫洋として
なんとなく
とらえどころがない顔に見えた
男の子だったから
後作と名づけた
妻亡き後の寂しさが
冷静な判断を無くしたのかも ....
フィンガーボールじゃなかった
{画像=140517224248.jpg}
その人の手は
ほっそりとして
冷たい手だった
いや冷やかな手だった
上手く想いが伝わらないが
こちらの熱を冷ましてくれ ....
朝のひかりのなかで想う
どこか彼方の星でも
こんなふうに生命が
朝をむかえているのだろうか
夜の闇のなかにさえも光は在るものだ
宇宙の漆黒のなかにだって朝はあるのだろう
生命が ....
晴れわたった休日の朝に
僕にとっては
世界で一番優しいのは
君だけだよと
伝えたのだけれど
宇宙で一番優しいはずだと
言ってくれた年上の彼女に
僕がもし火星人と
浮気をしたらどうする? ....
140518
大麦の採り入れはまだか
田植え機がせせら笑いながら
農道を走ってゆく
遠望する俄か青年は
運転する男の顔が判別できない
それほど遠方の出来 ....
ひらりひらりと人をかわして
くるりくるりと回転する
手のひらは上向きに指を揃えて
相手の胃の辺りめがけしなやかに差し出す
笑顔をぺたりと貼り付けて
別にダンスを踊っているわけじゃないけれ ....
葉桜を揺らす風
自然に毛虫は落ちて
あたしの腕に赤い斑点を作る
毛虫は落ちる,自然に
薄暗い図書室の奥
自然科学の歴史書が
埃に埋もれて死にかけている
母の胎内であたしは
....
雨音の向こう側に
ジェット機の爆音が
ごうごうと通過するのが聞える
わかりやすい
聞こえのいい
情に訴える言葉の裏に
狡猾に織り込まれた思惑が透ける
雨の向こうに
鳴り響く轟音 ....
土が乾き過ぎていて
少しくらい水を撒いても
表土にはじかれ
低い方へと流れていった
心が渇き過ぎていて
言葉ははじかれ
疑いと
拒絶の方へ流されていく
二度と打ち解けることは
....
愛を探しに スーパーに行ってきます。
左手にお財布。
右手に若い男の手。
ここは凄いスーパーだから
スーパースーパーなんだ。だなんて。
頭が悪くて困ります。
私と一緒。
愛された ....
決まった道を 決まったように帰る
いなくてもいい自分
ならば 通らなくてもいい道
同じドアを今日も開ける
帰らなくてもいい家
ならば 置き去りの孤独
明日は何かいいことがあると ....
すべる 若葉の上を
果てしのない空の歴程を越え
円い揺りかごに大地を包む
はねる ピアノのように
ひび割れた思想の冷たい黙示の上を
目覚めの兆しを死者の鼻先で踊る
はじける 終わり ....
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