すべてのおすすめ
金属製の留め金は
時折きしむ
わたしを
ここに
留めておくもの
家族とか
四季咲きの薔薇だとか
増えていくばかりの本棚とか
愛すべきものたちばかりなのに
長雨のあと
造成地 ....
トイレットペーパーの芯で
1/10000のスペースコロニー模型を作る
125万平方メートルに1万人が居住するスペースコロニー
1万人がいる狭く閉じた空間は精密な環境下の秩序で成り立っていて
....
まるくなった猫の眼 チャイナドレスの黒い髪
いつものことのように 振舞う
カフェは満員だったけど 手を上げると
席を作ってくれる シェルブールから来たギャルソン
もう 彼の故郷に行 ....
今年の冬は
何時もの細長い島へ避寒に行くのよそうかな
島で 子作りするでもないし
このあたりでも河面も凍らなくなったし
餌の小魚も採りやすいし
あの島の平地にはニンゲンの巣が広がって
....
みなさん元気にしてますか?
ぼくはどうにか元気でやってます。
え?お前、誰だよって?
ちょっと待って下さいよぉ、
ぼくですよ、ぼく。現代詩です。
現代詩ですよ!
このまま世間に見向きもされ ....
火の山は
融けた岩と灰を降らせた
あたしのこころに壁を作った
驟雨の日 傘を置き忘れてきた
古びた駅舎のベンチにぶら下がって
薪ストーブの熱に 涙は乾いて小さな結晶に
誰かが ....
昨日と同じような
なんでもない今日
やっぱりあなたを
思い出してるのは
明日や明後日とか
その先の先の先の
永遠に続くような
遠い未来でさえも
....
ひとりじゃ辛い夜に波の音雨の音
泉の底は 緑の湖につながっている
透明な砂 さらさらと音をたてて
樹液の雫 ガラス細工のように
あたしの言葉は 沈黙 拒絶する
森や小川は
たくさんのことを囁きかけ
眉間のあたりが ....
僕は散歩でよく会う
その人の名前を知らない
顔見知りなので
すれ違えば挨拶ぐらいはする
でもその人の名前は知らないのだ
僕は15歳の初夏に
初めて見た絵に描かれている
その物 ....
風を孕んで舞ってきた
我が家の庭木で休んでいた
台風をやり過ごしたレジ袋
ワタシを見て名乗をあげる風来坊
家柄も出生も申し分ない家出袋
台所の片隅で
日陰の暮らしを送っていても
....
私にもようやくわかってきた
一番粗末にしてるものが
一番大切なものなんだと
水、空気、光、国、家族、そしてリコ(犬)
手の届かない所にあるものは
たとえどんなに輝いて見えても ....
「白蓮」
文化祭で地獄の迷路みたいなのつくってさ
(つまりお化け屋敷ね)お化けの格好してク
ラスメートのF君とセックスした帰りにコ
ンビニの前でペットボトルの水をのんで別
れた。クラスメ ....
病室の窓を開けると
干し草の香り
夏休みの匂いがする
と女房は言った。
土砂降りの雨のなかを
蚊柱が
狂ったように うごめいていた
誰かが
地上の火を
消そうと
とてつもなく
大きなバケツをかたっぱしなから
ひっくり返している
夜
抗えないものをか ....
{画像=140610215111.jpg}
快楽に我を忘れる
もう良いやと手放した理性
もしかすると死ぬ時もこんな感じで
意識を手放すのかな
人と言う動物は
思考を ....
同じ傘に入れない蕩けあったふたつの闇
「はっきりした病気でよかったわ」
すでにベッドに張り付いてしまった彼は言った
顔のつやも申し分なく
話すことも、普段どおり
少し皮肉っぽい物言いも
ことさら普通にしようとしている
....
苦々しい喜びや
清々しい恥じらいが
わたしの背中を支えてくれる
寒々しい真実や
みずみずしい偽りが
わたしの肩を持ち上げてくれる
どうしたって
戻れないのが過去ならば
....
元素は廻る
この星の総物質量は
減ることはあっても
増えることはないのだから
自然は元素を使って
様々なものを作り,壊して,また作る
海底に蠢く蟲や軟体動物
土中のバクテリア
....
今夜は義父の78歳の、誕生日。
2才の孫を抱っこしてもらい
僕と妻はハッピーバースデーを歌い
熱燗を注いだ{ルビ御猪口=おちょこ}で、乾杯した後
義父は主賓のあいさつ、を始めた。
「 ....
<僕らの本当の誕生日>
はるか年上の 僕の友達へ
敬語を使うなと言って 跳ねるように歩く
話したくもないという戦争の話を
僕にだけは 話してくれた
家出した僕を その日の夜に
君が ....
雨が降りやみ
風も吹きやんだ
笑顔のままで
濡れそぼる重たい旗を
強風に煽られながら支え続けた
孤独な旗手の闘いも終わった
鈍色の空が少しずつ明るくなると
どこかで小鳥の ....
山底から吹く風を受けて
君と二人歩いた城山は
頂上に天守
天守から望む山の中腹は
鳶が風をはらみ
そのま中空に浮かんでいる
遙かに見渡す浦賀水道
あの頼朝が命からがら安房へ渡り
さ ....
オオヨシキリは
カッコウに托卵され
自分たちの子供を殺されて
なぜ自分より体の大きいカッコウの雛を
疑わないのか
実は
オオヨシキリは
途中で気が付いているのではないかと思う
....
マリッジブルーと
マリンブルーは
よく似ている
透きとおる
深い青と
私のゆううつが
たぶん同じで
だいたい
結婚は束縛である
水圧で
胸を押されて
呼吸できないその様子 ....
見上げてごらん夜の星ををききながら見上げてみる
梅雨の狭間の夜空を見上げてみる
あなたも見上げてはらっしゃらないかと、見上げてみる
*YouTube 見上げてごらん夜の ....
風に抗えず泣いてたたんだ傘
初秋の晴れた朝
人間の作った柵を乗り越え
甘藷の群生する土地に入って
甘味な芋を掘り出し 食っていた
と…
大きな人間が木の杖を構えて
殴りかかってくる
逃げる間などありはしない
....
花にはなんの罪もない
それは
その身が
花ではないから放れる言葉
わたしが
花であったなら
だれの命に咲き誇りましょう
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