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ふだんは優しい女房が
時折、般若の顔になり
言葉の弾丸は
だ・だ・だ・だ・だ
だ・だ・だ・だ・だ
だ・だ・だ・だ・だ
柳のような面影で
げっそりとした
僕の髪を靡かせ
遠い彼方へ通過 ....
それは二度と帰れない季節
それは{ルビ陽炎=かげろう}の向こうの想い出
もう、手の届かない恋があり
これから手を伸ばす、夢があり
{ルビ永遠=とわ}に年齢の無い旅人のまなざしで
今日 ....
水着に着替えてそうめんと一緒に流されている
だれもが日々薄々感じてはいるが
まだ言語化できていないこと
だれもが無意識では分かっているが
言語化しようとはつゆ思ってもいないこと
そんなことどもを 深く察して
的確な語彙の選択と ....
家に帰ると
娘らが星を食べている
お椀にいくつか
飴玉ほどの小さな星屑を入れ
テレビの教育番組など見ながら
気軽に口に運んでいる
おいおい、いいのか
と思ったが
今日日やってはいけない ....
くだらないことばかりかんがえてるから
いま、おなかをくだしてる
ひとつのすいかに
いくつのたねがはいっているのか
しりたくて
ひとつのすいかを
ひとりでたべちゃったから
....
心にもないことを言うときは
心はどこにあるのだろう
言う言葉だけがそこにあって
心は上空三メートルくらいから
こちらを見下ろしている
だからあの人とは
いつまで経っ ....
犬を連れた二人の男が行き会った
血統書付きの犬を連れた方が自慢を始め もう一方に
「雑種なんか飼うのは時間の無駄だよ」
ああ 好きか嫌いか別として
そんな考え方があってもいいのだろう
もっと ....
会社の帰りに実家に寄り
母を乗せて 病院に行く
入院している父に会うため
一日中 林檎畑で働いた後
母は着替えて 私を待つ
七十歳を超えて 疲れただろうに
駐車場について 歩きながら
....
ぼさぼさの髪で起き上がって
冷蔵庫からグレープフルーツを取り出す
今日は関節が痛い
カーペットは今クリーニングに出してる
蜂蜜色の床にそのまま寝そべって
果実の匂いを嗅ぎながら
窓から ....
手を付けないでおこう
自分という作品に
決めつけないでおけば
何にでもなれるだけの、柔らかさが
人の内側には、まだ残っている
手を付けないでおこう
描きかけた自画像に ....
季節をいいあらわそうと思っているうちに
それは過ぎてしまう
足跡と想いはいつのまにか
季節をすり替えて行く
君と金と銀の
スニーカーを交換して
なんか安っぽいねって笑った
僕 ....
華がなければ
覚えてもらえない
名前がなければ
呼んでもらえない
色がなければ
背景にもなれない
嫌ってもらわなければ
記憶にもなれない
でも
生きている
....
埃まみれの10年ものの扇風機は部屋の片隅でいつ発火してやろうかと考えているよ
毎日毎日遅刻ギリギリで飛び出すあの娘
今日だってきっと、足の指で止ボタンを押すんだ
どうしたって10 ....
どうも先天性らしいのです
人の心に穴があるのは
入り口は巨大な洞穴のようであったり
縫い針がやっと通るほどのものであったり
それぞれ異なる 奥深さ
それゆえ根付く 闇のまた闇
....
砕かれたもの
傷つけるもの
時代の浪間に
弄ばれて
俄に湧き上る想い
だが全ては白い泡のよう
摩耗して往く
意思 手足
蒼淡く ひと欠片 ....
あれは炎だ
理由も道徳も求めない炎だ
まごうかたなき赤い炎だ
怖れを知らぬ
黒い鳥が炎を目指す
命とはそういうものだ
せめて美しい君を覚えていよう
たった一日でしぼんだ朝顔
....
八月。
私たちの街は。少し空気が、変わる。
街宣車が増える。黒塗りの車。
スピーカーから、流れるテープ。
ツーリストが増える。
大型バイクが空気を、揺らして。
外国人が、増える ....
青い陶器瓦の下に埋もれた
記憶を掘り出してどうなるというのだ
焼け落ちた家の跡の
現実と幻想の交叉した風景の中に
私が立っていたあの日
陽光に照らし出された井戸の
湧き出る水に沈んでい ....
黄昏のような明け方、夜の今際
悲しみに暮れる夕焼けの如き早朝は
空の青と昇る陽の赤が
混ざり合い織り成す紫
また明日、と言って君に背を向けた
その明日が今日だ
染まる雲の柔らか ....
銀河のほとりには
ため息たちが花開いて
湖面は
ゆらめく
つかの間の風のなかに
つかの間の風のそとに
言葉の実る予感、が
色づいて
瞳の奥を波が走る
....
雹かな?と思ったけど、シラウオだった
晴れマークの天気予報が
小魚が 朗らかに ピチピチはねて
アスファルトの下で壊死していた イノチも復活
死者だって降ってきて 必死に飛び跳ねて ....
真夏の彼方から
静かな夜空へと手前に延びる
扉を開けると
独り涙に濡れている君がいた
ぽろぽろ汗を流しながら
仕事から帰り着いたばかり
ずっと一緒に生きていこうと
伝えた僕は
花瓶 ....
風に運ばれて
なつかしい匂いが
辺りを
湿らせる
葉の裏
こもれび
ガラスの小瓶
窓枠
ベンチ
まっすぐな歩道
言いかけた、名前
少し ....
思い出した
深夜放送で読まれた骨肉腫の高校生の女の子の
手紙
中学生の僕は
いのちというものをはじめて意識した
しばらくして女の子は亡くなった
女の子が好きだった深夜放送
僕も毎 ....
僕らは社会の文体を学んで成長してきた
はたまた親の文体に反撥しながらも生きるために
それを受け入れて
今度は自分自身のフォーマットに縛られながら
それとの葛藤にちょっと疲れているのかもしれ ....
フィヒャアー
フィヒャアー
ぼく泣いちゃうもん
ママにだっこじゃなきゃ泣いちゃうもん
フィヒャアー
ぼく泣いちゃうもん
電気を消したら泣いちゃうもん
でも眠い時は暗くしてほし ....
清々しい朝の光に芝の緑が艶やかに萌える。
美しい旋律は時代の背景となり、
脈々と流れ、
粘りを含んだ人々の呼吸の中で発展する。
季節の花々が咲き乱れる様は
まるで人間の感情のようだ。 ....
並ぶつもりで
並んでいるのではないし
何億光年も離れた小さな星の住人が
語り伝えた
神話など知らぬ
集まって
輝いているように見えても
それぞれ
果てしなく遠い
線でつな ....
いるわけがない
いつもの夕飯時のはずが
食卓に投げ出される、突拍子もない弟の主張
あの丘で恐竜を見た
家族みんなの一笑、からかいに
きみはひとり意地を張りつづける
うっすらとほの暗く ....
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