すべてのおすすめ
晩秋の頃
血を吐くように
楓は赫く染まる
握り拳ほどの肉塊
女は躯に楓を孕んだ
命の蘇生
輪廻転生する魂
春になれば
....
よる
世の中の
つくりが
つかめず
来る
狂おしさの
ひかりと
ひかげ
無言の
怒り
身を衝いて
無限の
祈り
みおの果て
突然の驟雨に匂い立つ森が私を呼んでいる。
どうしようもなくお前たちに会いたいがそれが出来ない。
胸苦しさが止まらない。
次に生まれてくるなら私は森になりたい。
何かに生かして ....
祖母の言う
ちゃんとすること
は わたしの ちゃんと
と 違うことを感じる朝
すこしさむい
歳月という文字をおもいだす
まったく言葉がでないまま
背中は語るとかね
軽くうなづき ....
静まった水の鏡に ラムプの炎揺らめく
消え残った恋の余韻 燃えつきるまで
髪を撫でていて もう一度連れて行って
きみを振り向かせて 繋ぎとめたい
夜半にふと目が醒める 夜翔ぶ鳥の声 ....
時々思考が靴擦れしてしまって
開いた口が痛い痛いと叫んでしまう
時々思考がふやけてしまって
歯ごたえのない口になってしまっている
時々思考が気化してしまって
きかない筈の口も ....
暖かい光を浴びながら
お寺の境内たくさん
手作り市
挽きたて淹れたて
コロコロくすぐる
いい匂い
ぽたりぽたりと心のリズム
もうちょっともうちょっと
いろんなモノが待っている
ほらほ ....
朝に騒がしい鳥がいる
ヒステリックになきさけんでいる
なにがそんなに悲しいのだろう
腹立たしいことがあるのだろうか
わたしに置き換えてかんがえる
そんな癖がついてしまった
朝に騒が ....
太った
ぶくぶくと
心はやせていくのにね
いやらしい小雨降るなか
この集合住宅 ひと部屋ひと部屋の
チャイムを鳴らす配達員さん
今日ばかりはポストが
口をつぐんで 退屈そう
大変ですね、おれの
気遣いのような 他人事のセリフに ....
あなたが水草だった頃
わたしは産まれた
あなたは水草の味がした
ここにつどうすべてのいのちは
いのちをきょうゆうしている
だから
それをざんこくなどとおもわないでおくれ
あなたは ....
42
教室の床には
紙屑がそこら中にちらばっていた
君たち教室の床はな
ゴミ箱じゃないんだぞって
先生の話も聞かないで子どもたちは
紙を切り刻むのに夢中になっている
あちこちから ....
朝ごはんといえば
アジの開き、納豆に玉子、焼き海苔、葱とワカメの味噌汁がいい
トーストとベーコンエッグとコールスローサラダに珈琲がいい
出汁の効いた立ち食いの天玉蕎麦も捨てがたい ....
制服を脱いだら
一体何が
私を
女の子だ
と証明するんだろう
外に飛び出たら
素直な気持ちを伝えたいと
思う気持ちも
霞んでくるんだろう
好きも嫌いも
簡単に言えなくな ....
憧れの地を目指し
長い旅に出たはずだった
針葉樹林が空を突き刺し
波頭が眠たげにまばたいて
気球に乗った少年が
スローモーションで手を振っていた
漂う筏に寝そべって
分厚い書物を読み ....
今朝はやけにすずめが気にかかる
あまり明るくない雨上がりの湿った土の上を
ちいさくなにかついばんで
むくっとしたり首をかしげたり
尾羽を振ったりして
手のひらにすっぽり収まりそうなすずめが ....
彼女の名前は、林檎といった
日がのぼり 日が沈んで どんなときも
心に 一つの凛した樹、それが林檎だった
パオバブの木は 特別な木ではなく
桜の木は 花見のときだけが桜ではない ....
娘が生まれた日
太陽は明るかった
空気は澄み渡り
ベッドにあなたが居た
娘が生まれた日
あなたの笑顔は綺麗だった
ヘソの尾が切られ
娘は一人になった
娘が生まれた日
両親 ....
朝、駐車場の前に
犬の糞が落ちていた
私は舌打ちをして
それをテッシュに包んで
ゴミ箱へ捨てた
二日後、駐車場の前に
また犬の糞が落ちていた
私は憤慨し殺虫剤を撒き散らし
水を入れ ....
今日という日の終わりに君の事を想うよ。
僕の枕元に降りてきた天使。
信じるってことを忘れていたよ。
寂しさなんてどこかへ消えていったよ。
今日という日が終わろうとするその時に ....
ゆっくりいこうよ。
生き急ぐ必要なんてどこにもないんだ。
そりゃ死にたくなることもあるさ。
それでも思いとどまれたあなたは美しい。
ゆったりいこうよ。
生きすぎることも悪 ....
人工的な街で君はその才能をいかんなく発揮した。
時に夢見るように。時に現実に抗いながら。
レゲエのリズムにただその細身の体を漂わせながら。
きっとその時、神様に目をつけられたんだね。 ....
窓ガラスに張り付いた もみじがはがゆい
暖炉に火を入れた午後 雨はやまない
あなたを待っていた 知らない間にうたた寝
溝に吹き溜まった 心の破片はまだ紅い
冷たい秋の雨は 落葉を急 ....
怖くていい
恥ずかしくていい
怖くてもいい
恥ずかしくてもいい
怖がりながらでもいい
恥ずかしながらでもいい
怖がりのままでもいい
恥ずかしがりのままでもいい
....
10秒で書く詩もあれば
10年かけて書く詩もある
10秒で届く詩もあれば
10年かけて届く詩もある
時間の長短は
内容と比例しない
10秒で書ける詩もあれば ....
新聞の死亡欄に小さく載りたい
葬儀の予定など一切無しで
ほんの数えるほどの文字
ひとつの死 ひとつの終わり
シンプルで飾りのない
わたしの死 わたしの終わり
事実だけが落ちている
....
美女と母の胸
人間にきわめてよく似た
いや 人間以上に人間らしい美女が
幼児Aに「カワイイネ」と言ってキスした
彼は大声で泣き出し母の胸に顔を隠す
きれいなお姉さんにキスされて ....
嬉しいとき
悲しいとき
歌がある
一緒に過ごす歌がある
寂しいとき
楽しいとき
歌がある
一緒に寄り添う歌がある
歌が失われるほどの
深い心 ....
予想を遥かに上回り
伸び過ぎて
手に負えないほど
細い支柱に幾重にも絡まった蔓を
所々自分で縛った紐をほどきながら
根気よくはずしていった
はじめは
知恵の輪をはずすようで
楽しか ....
深井戸を掘り水脈を探り当て
始原の意味を飲み干そうとする
ひそかにかくしもっている消しゴムで
日々の痕跡を抹消してゆく
整理できないものを片付けてゆく生活
アクチュアルな墜落が気持良 ....
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